変形性股関節症のストレッチ|自宅でできる痛み軽減エクササイズ
変形性股関節症の痛みは、軟骨のすり減りだけが原因ではありません。股関節を支える筋肉のこわばりや血流の低下も、動き出しのつらさを生み出します。
自宅で続けられるやさしいストレッチと軽い運動は、その硬くなった筋肉をゆるめ、関節の動きを取り戻す心強い味方になります。
この記事では、寝たまま・座ったまま・立ったままでできる方法を、痛みを悪化させないコツとあわせて丁寧に紹介します。
強い痛みを我慢して頑張りすぎないこと。自分のペースで、今日からできる一歩を一緒に見つけていきましょう。
目次
変形性股関節症の痛みは、ストレッチでここまで和らぐ
変形性股関節症の痛みは、軟骨のすり減りだけが原因ではありません。股関節を支える筋肉のこわばりや血流の低下も、つらい痛みに深く関わっています。
だからこそ、硬くなった筋肉をやさしくゆるめるストレッチには大きな意味があります。動き出しのつらさが和らいだという報告は、数多くの研究から示されています。
大切なのは、痛みのしくみを正しくつかんだうえで体を動かすことです。やみくもに我慢したり、反対に動かしすぎたりせず、自分にちょうどよい加減を少しずつ探していきましょう。
すり減った軟骨そのものより、こわばった筋肉が痛みを生む
関節の表面を覆う軟骨には、神経が通っていません。そのため、軟骨がすり減ること自体が、そのまま鋭い痛みに直結するわけではないのです。
痛みの引き金になりやすいのは、関節を守ろうとして過剰に緊張した筋肉や、炎症を起こした周辺の組織です。お尻や太ももの筋肉が硬くこわばると、ちょっとした動作でも強い痛みを感じやすくなります。
だからこそ、痛みの根っこにある筋肉のこわばりをほぐす意味は大きいといえます。硬さをゆるめてあげるだけで、同じ動作でも感じる痛みがぐっと軽くなる方は少なくありません。
股関節まわりの血流が滞ると、痛みはさらに長引く
痛いからと動かさずにいると、股関節まわりの血流は少しずつ滞っていきます。酸素や栄養が筋肉に届きにくくなり、疲労物質もたまりやすくなる悪循環に陥りがちです。
巡りが悪い状態では、重だるさや朝のこわばりがなかなか抜けません。軽く体を動かして血流を促すだけでも、こうした不快感はやわらいでいくでしょう。
軽く温めながら動かすと、巡りはさらに促されます。お風呂上がりに数分だけ体を動かすことを習慣にすると、翌朝のこわばり感が和らいでいくのを実感できるはずです。
痛みを生む3つの要素と、ストレッチでできること
| 要素 | 痛みへの影響 | ストレッチの働き |
|---|---|---|
| 軟骨のすり減り | クッション機能が低下する | 直接は戻せないが、負担を分散しやすくする |
| 筋肉のこわばり | 動き出しの痛みや可動域の低下 | ゆるめて、動かしやすい状態に整える |
| 血流の低下 | 重だるさや回復の遅れ | 巡りを促し、疲労物質を流す |
動かさない不安が、関節をどんどん硬くしていく
「動かすと悪化するのでは」という不安から安静を続けると、関節の動く範囲は徐々に狭まります。筋肉も短く縮こまり、ますます動かしづらくなっていきます。
適度に動かし続けた人のほうが、痛みも機能も良好に保てたという報告があります。怖がって固めてしまうより、痛くない範囲でそっと動かすほうが、長い目で見ると体を助けてくれるでしょう。
安静が本当に必要なのは、強い炎症が起きている短い時期だけと考えてよいものです。痛みが落ち着いてきたら、こわがらずに少しずつ体を動かすほうが回復を後押ししてくれます。
ストレッチで「動ける股関節」を取り戻す
ストレッチの狙いは、すり減った軟骨を元に戻すことではありません。硬くなった筋肉をゆるめ、関節が本来持っている動きをできるだけ引き出すことにあります。
動かせる範囲が広がると、歩く・立ち上がるといった日常の動作がぐっと楽になります。痛みの軽減と暮らしのしやすさ、その両方をそっと後押ししてくれるのがストレッチの強みです。
無理に大きく動かす必要はまったくありません。今日できる範囲をほんの少し広げる、その小さな積み重ねが半年後の動きやすさにつながっていきます。
自宅で安全にストレッチを始める前の、大切な確認事項
自宅でストレッチを始める前に、今の股関節の状態を確かめておくと安心です。強い炎症があるときに無理に伸ばすと、かえって痛みを悪化させてしまいます。
痛みが落ち着いているか、腫れや熱はないか。この見極めができれば、ストレッチはぐっと安全に続けられます。
無理は禁物ですが、こわがりすぎる必要もありません。正しい手順さえ押さえれば、自宅でのストレッチは毎日の心強い習慣になってくれます。
痛みが強い炎症期は、決して無理に伸ばさない
安静にしていてもズキズキうずく、関節が腫れて熱を持っている。こうしたときは炎症が強いサインなので、ストレッチはいったんお休みしましょう。
炎症期は冷やして安静を優先し、痛みが和らいでから少しずつ動かし始めます。焦らず段階を踏むことが、結果として近道になります。
見極めに迷うときは、無理をせず専門家に相談するのがいちばん安全です。自己判断だけで頑張りすぎず、つらいときは思いきって休む勇気も持ちましょう。
温めてから動かすと、筋肉はぐっとゆるむ
冷えて硬い筋肉を急に伸ばすと、痛みや傷めるもとになります。入浴後や蒸しタオルで股関節まわりを温めてから行うと、筋肉がゆるんで伸ばしやすくなるでしょう。
朝の動き出しがつらい方ほど、温めてからのストレッチが向いています。ぬるめのお湯にゆっくり浸かるだけでも、体はずいぶん動かしやすくなります。
寒い季節は特に、体が冷えたまま動かしてしまいがちです。室温にも気を配り、温かい環境でゆったり伸ばすことを心がけてみてください。
呼吸を止めず、ゆっくり伸ばすのが基本
反動をつけてグイグイ伸ばすのは禁物です。筋肉は急に引っ張られると、反射的に縮んで身を守ろうとするため、逆効果になりかねません。
息を吐きながら、20〜30秒かけてじんわり伸ばすと、筋肉は安心してゆるんでいきます。痛気持ちいいと感じる手前で止めるのが、ちょうどよい目安です。
伸ばしている間は、息を吐くことに意識を向けるとうまくいきます。呼吸が深まるほど体の緊張がほどけ、筋肉はいっそう伸びやすくなるでしょう。
ストレッチ前のセルフチェック
| チェック項目 | 進めてよい目安 | 控えたい目安 |
|---|---|---|
| 痛みの強さ | 動かすと少し楽になる | じっとしても強く痛む |
| 腫れや熱 | なし、または軽い程度 | 明らかに腫れて熱い |
| その日の体調 | 落ち着いている | 発熱やめまいがある |
寝たままできる股関節ストレッチで、こわばりをほぐす
起き上がるのもつらい朝は、寝たままできるストレッチから始めるのがおすすめです。布団の上で股関節まわりをやさしくゆるめれば、その後の動き出しが楽になります。
床やベッドに横になって行うので、体に余計な力が入りにくいのも利点です。無理のない範囲で、左右を同じ回数ずつ動かしましょう。
寝たままなら、起き上がる前のわずかな時間で取り組めます。一日の始まりに体をやさしく目覚めさせる習慣として、気軽に続けてみてください。
仰向け膝抱えストレッチでお尻の奥をゆるめる
仰向けに寝て、片方の膝を両手で抱え、胸のほうへゆっくり引き寄せます。お尻の奥が心地よく伸びるところで止め、20〜30秒キープしましょう。
反対側の脚は軽く伸ばしたままにしておくと、股関節の前側も同時にゆるみます。腰が浮きすぎないよう、お腹に軽く力を入れて行うのがコツです。
両膝を順番に抱えれば、腰まわり全体がほぐれて起き上がりが楽になります。痛みのない側から始めると、体が安心して力を抜きやすくなります。
横向き内ももストレッチで内転筋を伸ばす
横向きに寝て、上側の脚を前に出し、下側の内ももをゆっくり伸ばします。内転筋という股関節を内側で支える筋肉が、じんわりほぐれていきます。
内ももが硬いと、脚を開く動作や歩幅が狭くなりがちです。この部分をゆるめておくと、歩くときの安定感が変わってくるでしょう。
伸ばす脚を入れ替えるときは、ゆっくり体勢を整えてから動きましょう。勢いよく寝返ると、かえって股関節を痛める原因になりかねません。
寝たまま行うときの注意点
- 反動をつけない
- 息を止めない
- 痛む手前で止める
- 左右を同じ回数
- 朝と夜の習慣に
寝たまま脚倒しで股関節の回旋を取り戻す
仰向けで両膝を立て、そろえた膝をゆっくり左右に倒します。股関節をひねる動きがやわらかくなり、寝返りや方向転換が楽になります。
倒す角度は、痛みのない範囲で十分です。小さな動きでも毎日続けるうちに、少しずつ可動域が広がっていくのを感じられるでしょう。
両膝をそろえて倒すと、腰をひねる動きも一緒にやわらいでいきます。寝る前に取り入れれば、体の緊張がほどけて眠りにも入りやすくなります。
朝の30秒でこわばりを流す
夜のあいだに固まった股関節は、朝がいちばんこわばっています。起き抜けの布団の中で30秒ほど体を動かすだけでも、その日の調子が変わってきます。
完璧にやろうとせず、気持ちよい範囲で軽く動かすことを大切にしてください。続けやすさこそが、効果を積み重ねる土台になります。
時間や回数にこだわる必要はありません。布団から出るのがつらい朝こそ、横になったままできる動きが心強い味方になってくれます。
座ったまま続けられる痛み軽減エクササイズ
立ち姿勢がつらい方や、家事の合間に取り入れたい方には、座って行うストレッチが向いています。椅子に腰かけたまま股関節まわりを伸ばせるので、転倒の心配も少なくて済みます。
デスクワークやテレビを見る時間をうまく使えば、無理なく毎日の習慣にできるでしょう。
座って行えば、テレビを見ながらでも歯みがきのついでにでも取り組めます。生活の中へ自然に組み込めることが、長続きの何よりの秘訣です。
椅子に座って太ももを開く股関節ストレッチ
浅めに腰かけ、両足を肩幅より広めに開きます。背すじを伸ばしたまま上体を前に倒すと、股関節の前面と内ももが心地よく伸びます。
膝がつま先より内側に入らないよう気をつけましょう。痛みのない範囲で前に倒し、20〜30秒ゆっくり呼吸を続けます。
前に倒すときは、背中を丸めず骨盤から動かすのがポイントになります。お腹に軽く力を入れると、安定した姿勢のまま心地よく伸ばせるでしょう。
足首を組んでお尻の奥を伸ばす
座ったまま片方の足首を反対の膝の上に乗せ、軽く上体を前に倒します。お尻の奥にある筋肉が伸び、座りっぱなしで固まった部分がほぐれていきます。
お尻の筋肉がこわばると、股関節の動きを妨げて痛みにつながります。左右それぞれ20秒ほど、無理なく伸ばしてみてください。
足を組むのがつらい方は、低い台に足を乗せる形でも構いません。お尻の奥に伸びを感じられれば、それだけで十分に効果が得られます。
デスクワークの合間にできる骨盤起こし
椅子に座って骨盤を前後にゆっくり傾ける動きも役立ちます。猫背で固まった腰と骨盤がほぐれ、股関節にかかる負担がやわらぎます。
1時間に一度、10回ほど骨盤を起こすだけでも、夕方の重だるさが違ってきます。気づいたときにこまめに動かす習慣をつけましょう。
骨盤を立てる感覚がつかめると、座っているときの姿勢そのものが整います。腰やお尻への負担も減り、長い時間のデスクワークが楽になっていきます。
座って行うストレッチの目安
| 種目 | 伸ばす部位 | 1回の目安 |
|---|---|---|
| 太もも開き | 内ももと股関節の前面 | 20〜30秒 |
| 足組みお尻伸ばし | お尻の奥の筋肉 | 左右20秒ずつ |
| 骨盤起こし | 腰と骨盤まわり | 10回ゆっくり |
立って行う股関節まわりの筋トレで関節を支える
ストレッチで動きを取り戻したら、股関節を支える筋力も少しずつ育てたいところです。筋肉という天然のコルセットが整うと、関節への負担が減り、痛みの再発を防ぎやすくなります。
立って行う運動は、壁や椅子に手を添えれば安全に続けられます。痛みが出ない範囲で、ゆっくり取り組みましょう。
筋トレといっても、息が上がるような激しい運動ではありません。日常の動作を支える土台づくりだと考えて、気楽に始めてみてください。
片脚立ちで中殿筋を鍛えて骨盤を安定させる
壁や机に手を添え、片脚で10〜20秒立つ練習をします。お尻の横にある中殿筋に効き、歩くときに骨盤が左右へぶれにくくなります。
中殿筋が弱ると、歩行のたびに体が横へ揺れ、股関節に負担が集中してしまいます。ふらつくときは無理をせず、手の支えをしっかり使ってください。
慣れてきたら、支える手を少しずつ軽くしていきましょう。バランスをとる力も同時に養われ、つまずきや転倒の予防にもつながります。
壁スクワットで太ももの前後をバランスよく整える
壁に背中を預け、ゆっくり腰を落とす浅めのスクワットもおすすめです。太ももの前後とお尻の筋肉が同時に働き、立ち座りの動作が安定してきます。
膝を深く曲げすぎると、股関節に負担がかかります。軽く腰を落とす程度から始め、痛みの様子を見ながら少しずつ調整しましょう。
腰を落とすときに息を吐くと、動作が安定して続けやすくなります。膝とつま先の向きをそろえる意識を持つと、より安全に取り組めるでしょう。
筋トレを安全に続けるための合言葉
- 痛みゼロの範囲で
- 反動を使わない
- ゆっくり数える
- 週に3〜4回
- 物足りないくらいから
かかと上げで下半身の血流を促す
椅子の背に手を添えて、かかとを上げ下げする運動も手軽です。ふくらはぎがポンプのように働き、下半身にたまった血液を心臓へ送り返してくれます。
巡りがよくなると、股関節まわりの重だるさやむくみが軽くなります。テレビを見ながらでもできるので、気軽に取り入れてみてください。
立って行うのが不安な方は、座ったままでも同じような効果が得られます。すきま時間にこまめに繰り返すと、巡りのよい状態を保ちやすくなります。
痛みが出ない範囲で回数を増やす
運動は多ければよいというものではありません。やりすぎて翌日に痛みが残るようなら、それは負荷が強すぎたサインです。
少し物足りないくらいから始め、慣れてきたら回数や時間を増やしていきます。体の声を聞きながら、自分のペースを守ることが続けるコツになります。
記録をつけておくと、自分に合った負荷がだんだん見えてきます。手帳やスマートフォンに残せば、続けるはげみにもなってくれるでしょう。
ストレッチの効果を高める、毎日の過ごし方
ストレッチや運動の効果をしっかり引き出すには、ふだんの暮らし方も見直したいところです。股関節への負担を減らす小さな工夫を重ねると、痛みの出にくい体に近づいていきます。
特別な道具はいりません。体重や姿勢、動き方を少し意識するだけで、関節はずいぶん楽になります。
毎日のちょっとした心がけが、ストレッチの効果をしっかり下支えします。気づいたところから一つずつ、暮らしに取り入れていきましょう。
体重管理で股関節への負担を軽くする
歩くとき、股関節には体重の数倍もの力がかかります。わずかな減量でも関節への負担は大きく減り、痛みがやわらぐきっかけになります。
厳しい食事制限は長続きしません。腹八分目を心がけ、無理なく続けられる方法を選ぶことが大切です。
体を動かす習慣そのものが、ゆるやかな体重管理にも役立ってくれます。食事と運動の両輪で、関節にやさしい体づくりを目指していきましょう。
長時間同じ姿勢を避けて、こまめに動く
同じ姿勢が続くと、股関節まわりの筋肉は固まりやすくなります。30分から1時間に一度は立ち上がり、軽く体を動かす習慣をつけましょう。
床に直接座る正座や横座りは、股関節に負担をかけやすい姿勢です。できるだけ椅子の生活に切り替えると、関節への負担がやわらぎます。
立ち上がるのがおっくうなときは、座ったまま足首を回すだけでも違います。小さな動きをこまめにはさむ意識が、こわばりの予防につながります。
痛みが続くときは整形外科で相談する
ストレッチを続けても痛みが引かない、あるいは強くなる場合は、自己判断を続けないでください。早めに整形外科を受診し、今の状態を確かめることが安心につながります。
医師に相談すれば、運動療法に加えて状態に合った保存療法も提案してもらえます。一人で抱え込まず、専門家の力を上手に借りましょう。
受診のタイミングが早いほど、選べる対処の幅も広がっていきます。気になる痛みを放置せず、信頼できる医療機関を見つけておくと安心です。
股関節をいたわる毎日の工夫
| 場面 | 負担を減らす工夫 | ひとことメモ |
|---|---|---|
| 立ち座り | 手すりや机に手を添える | 勢いをつけない |
| 歩行 | 杖やポールを活用する | 衝撃をやわらげる |
| 就寝 | 横向きで脚の間にクッション | 股関節を開きすぎない |
ストレッチを続けても痛みが引かないときの選択肢
ストレッチや運動を続けても痛みが改善しないときは、別の対応が必要なサインかもしれません。我慢を重ねるより、受診の目安を知っておくことが体を守ります。
自宅ケアで様子を見てよい痛みと、すぐ相談したい痛みを区別できれば、いざというときに迷わなくなります。
痛みのサインを知っておくことは、けっして不安をあおるためではありません。落ち着いて次の一手を選ぶための、いわば心の準備になります。
自宅ケアで様子を見てよい痛みと、受診すべき痛み
動き始めだけ痛むものの、動いているうちに楽になる痛みは、自宅ケアで様子を見られることが多いものです。ストレッチや軽い運動を続けながら、経過を観察しましょう。
一方で、安静にしていてもうずく、夜眠れないほど痛む、急に歩けなくなったといった場合は要注意です。早めの受診で原因を確かめてください。
痛みの出方や種類を日ごろから観察しておくと、変化に早く気づけます。気になる点はメモにまとめて伝えると、診察がスムーズに進みます。
受診を考えたい痛みのサイン
| 気になるサイン | 考えられる状態 | おすすめの対応 |
|---|---|---|
| 安静時もうずく | 炎症が強まっている | 早めに整形外科へ |
| 夜間痛で眠れない | 進行しているおそれ | 受診して相談する |
| 急に歩けない | 別の原因の可能性 | すぐに受診する |
整形外科で受けられる保存療法
整形外科では、運動療法のほかにも痛みを抑えるさまざまな保存療法を受けられます。薬による痛みのコントロールや、専門家による物理療法などが代表的です。
理学療法士の指導のもとで運動を行えば、自宅ストレッチの効果もより高まります。自分の状態に合った方法を、医師と一緒に組み立てていきましょう。
装具で関節を支えたり、生活動作の助言を受けたりする方法もあります。手術以外の選択肢は、思いのほか幅広く用意されています。
手術を検討する目安
痛みで眠れない、歩ける距離が極端に短くなった、日常生活が立ち行かない。こうした状態が続くなら、手術という選択肢も視野に入ってきます。
手術は最後の手段ではなく、生活を取り戻すための前向きな選択でもあります。不安な点は遠慮なく医師に質問し、納得したうえで決めることが何より大切です。
手術の時期や方法は、年齢や活動量によっても変わってきます。納得がいくまで説明を聞き、自分らしい暮らしを基準に選んでいきましょう。
よくある質問
変形性股関節症のストレッチは、毎日続けても大丈夫でしょうか?
痛みが強くない時期であれば、やさしいストレッチは毎日続けても問題ありません。むしろ少しずつでも続けるほうが、こわばりを防ぎやすくなります。
ただし、伸ばしたあとに痛みが長く残る場合は、やりすぎのサインかもしれません。回数や強さを控えめにし、体の様子を見ながら調整してください。
変形性股関節症のストレッチ中に痛みが強くなったときは、どう対応すればよいですか?
ストレッチの最中に鋭い痛みを感じたら、すぐに動きを止めてください。痛みを我慢して続けると、炎症を悪化させてしまうことがあります。
いったん休んで様子を見て、それでも痛みが引かないときは整形外科に相談しましょう。無理をしないことが、結果として回復への近道になります。
変形性股関節症の進行は、ストレッチや運動で止められますか?
残念ながら、ストレッチですり減った軟骨を元に戻すことはできません。進行そのものを完全に止めると言い切ることも、難しいのが実情です。
それでも、運動を続けた人は痛みや機能が良好に保たれ、手術までの期間が延びたという報告があります。進行を遅らせ、生活の質を守るうえで運動には大きな意味があります。
変形性股関節症の人が、避けたほうがよい動きや運動はありますか?
股関節を深く曲げる動作や、強くひねる動き、ジャンプのように衝撃の大きい運動は控えめにしたほうが無難です。正座や横座りも、負担になりやすい姿勢といえます。
反対に、水中ウォーキングや軽い自転車こぎは、関節への衝撃が少なくおすすめできます。何が向いているか迷うときは、医師や理学療法士に相談すると安心です。
変形性股関節症のストレッチは、どのくらいの期間で効果を感じられますか?
効果の現れ方には個人差がありますが、多くの研究では数週間から3か月ほど続けると、痛みや動きやすさの変化を実感しやすいとされています。
大切なのは、すぐに結果を求めず気長に続けることです。毎日の小さな積み重ねが、半年後、1年後の体を確実に支えてくれます。
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