膝を打撲した後の経過|痛みと腫れの対処法
日常生活やスポーツ中に、思いがけず膝を強く打ってしまうことは誰にでも起こり得ます。
直後から現れる鋭い痛みや、時間の経過とともに出てくる腫れ、そして内出血(あざ)に、「このまま放置して大丈夫だろうか」「何か特別な処置は必要なのか」と不安になる方も多いでしょう。
この記事では、膝を打撲した後の一般的な症状の経過を追いながら、ご自身でできる痛みや腫れへの対処法を詳しく解説します。
また、単なる打撲ではなく、医療機関の受診を検討すべき危険なサインについても触れていきます。適切な知識を持つことで、冷静に対処し、回復を早める一助となる情報を提供します。
目次
膝の打撲とは?まず知っておきたい基本
膝を打った際に起こる「打撲」について、その基本的な状態や膝の構造的な特徴を理解することは、適切な対処への第一歩です。
ここでは、打撲が体内でどのような変化を引き起こすのかを解説します。
そもそも打撲とはどのような状態か
打撲とは、転倒や衝突などによって体外から鈍的な力が加わり、皮膚には目立った傷がないものの、その下の軟部組織(皮下組織、筋肉、血管など)が損傷した状態を指します。
一般的に「打ち身」とも呼ばれます。強い衝撃によって皮下の毛細血管が破れて内出血を起こし、それが痛みや腫れ、あざ(青あざ)の主な原因となります。
多くの場合、骨に異常はなく、時間とともに自然に回復に向かいます。
膝の構造と打撲しやすい理由
膝関節は、体の中でも特に複雑で重要な役割を担う関節です。大腿骨(太ももの骨)、脛骨(すねの骨)、そして膝蓋骨(膝のお皿)という3つの骨で構成されています。
これらの骨の周りを靭帯や筋肉が補強し、関節の表面は軟骨で覆われています。
膝は体の表面に近い位置にあり、特に膝蓋骨の周辺は脂肪や筋肉といった衝撃を吸収する組織が少ないため、外部からの衝撃が骨や関節に直接伝わりやすく、打撲を起こしやすい部位といえます。
打撲によって起こる体内の変化
膝を強打すると、皮下の組織ではいくつかの変化が連続して起こります。まず、衝撃で毛細血管が損傷し、血液が周辺組織に漏れ出します。これが内出血です。
漏れ出た血液や損傷した細胞から出る体液によって患部が腫れあがり(腫脹)、周辺の神経を圧迫して痛みを引き起こします。
また、体は損傷した組織を修復するために炎症反応を起こします。この反応により、患部に熱感を持つこともあります。これらの反応は、体の正常な治癒の始まりを示しています。
打撲による主な体内反応
| 体内反応 | 概要 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 血管の損傷 | 衝撃により皮下の毛細血管が破れる。 | 内出血(あざ) |
| 体液の滲出 | 損傷部位に血液成分や組織液が溜まる。 | 腫れ(腫脹) |
| 炎症反応 | 損傷した組織を修復しようとする体の防御反応。 | 痛み、熱感、発赤 |
膝を打撲した直後に行うべき応急処置
膝を打撲した直後の数分、数時間の対応が、その後の痛みや腫れの程度、そして回復までの期間に大きく影響します。
ここでは、基本となる応急処置「RICE処置」を中心に、ご自身でできる初期対応を具体的に解説します。
RICE処置の具体的な手順
RICE(ライス)処置は、打撲や捻挫などの怪我の応急処置の基本です。安静(Rest)、冷却(Icing)、圧迫(Compression)、挙上(Elevation)の4つの処置の頭文字をとったものです。
これらの処置を適切に行うことで、内出血や腫れ、痛みを最小限に抑える効果が期待できます。
RICE処置の各項目の目的と方法
| 項目 | 目的 | 具体的な方法 |
|---|---|---|
| Rest (安静) | 患部の損傷拡大を防ぐ | 膝に体重をかけず、楽な姿勢で休む。 |
| Icing (冷却) | 血管を収縮させ、内出血と腫れを抑える | 氷のうなどで15〜20分冷やし、時間を空けて繰り返す。 |
| Compression (圧迫) | 内出血と腫れを抑制する | 弾性包帯やタオルで、患部を軽く圧迫する。 |
| Elevation (挙上) | 重力を利用して腫れを軽減する | クッションや台を使い、患部を心臓より高く上げる。 |
冷やす際の注意点と適切な時間
冷却は非常に重要ですが、やり方を間違えると凍傷などのリスクもあります。氷を直接肌に当てるのは避け、必ずタオルや布で包んでから患部に当ててください。
冷却時間は1回15分から20分を目安とし、感覚がなくなってきたら一度中断します。そして、再び痛みが出てきたら冷やす、というサイクルを繰り返します。
この処置は、受傷後24時間から72時間程度続けるのが一般的です。シップ薬にも冷感タイプがありますが、深部を冷やす効果は氷に劣るため、初期は氷による冷却が推奨されます。
やってはいけないNG行動
良かれと思ってやった行動が、かえって症状を悪化させてしまうことがあります。特に受傷直後の急性期には、以下の行動は避けるようにしましょう。
打撲直後の禁止事項
- 患部を温める(入浴、カイロなど)
- アルコールを摂取する
- 無理に動かしたりマッサージをしたりする
これらの行動は血行を促進し、内出血や腫れを助長する可能性があります。痛みがあるうちは、基本的に温めず、安静を保つことが重要です。
打撲後の症状の経過と注意点
膝を打撲した後の症状は、時間の経過とともに変化していきます。
急性期、亜急性期、慢性期という3つの段階に分けて、それぞれの時期に見られる典型的な症状の経過と、内出血(あざ)の色が変化する理由について解説します。
急性期(受傷直後〜72時間)の症状
受傷直後から約3日間は「急性期」と呼ばれ、炎症反応が最も強く現れる時期です。この時期は、ズキズキとした強い痛み、患部の熱感、そして急速に広がる腫れが特徴です。
打った直後は赤紫色だった患部が、時間とともに青紫色に変わっていきます。動かさなくても痛みが強い場合や、膝を少し曲げ伸ばしするだけでも激痛が走ることがあります。
この時期は、前述したRICE処置を徹底し、炎症をできるだけ抑えることが最も重要です。
亜急性期(受傷後3日〜2週間)の変化
受傷後3日を過ぎると、徐々に炎症が落ち着き始め、「亜急性期」に入ります。ズキズキとした痛みは和らぎ、動かした時だけ痛む「動作時痛」が中心になります。
腫れも少しずつ引いてきますが、まだ膝周りが重だるい感覚は残ります。内出血の色は青紫色から緑色、そして黄色へと変化していきます。
この時期からは、痛みのない範囲で少しずつ膝を動かし始めることが、関節が硬くなるのを防ぐ上で大切になります。
慢性期(受傷後2週間以降)に見られる症状
受傷後2週間を過ぎると「慢性期」となります。日常生活での強い痛みはほとんどなくなり、腫れもかなり引いてきます。内出血も黄色から薄茶色になり、やがて消えていきます。
しかし、走ったり、階段を駆け上がったりするなど、膝に負担のかかる動作をした際に痛みや違和感が残ることがあります。
また、打撲の強さによっては、筋肉にしこり(筋硬結)が残ることもあります。この時期は、軽い運動やストレッチで機能回復を目指します。
症状の時期別変化
| 時期 | 期間の目安 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 急性期 | 受傷後〜72時間 | 強い痛み、腫れ、熱感、赤〜青紫色の内出血 |
| 亜急性期 | 3日〜2週間 | 動作時痛、腫れの軽減、緑〜黄色の内出血 |
| 慢性期 | 2週間以降 | 軽い痛みや違和感、しこり、内出血の消失 |
内出血(あざ)の色が変わる理由
打撲後にできるあざの色が変化するのは、皮下に漏れ出た血液が分解されていく過程を反映しているためです。
血液中の赤い色素であるヘモグロビンが、時間の経過とともに体内の酵素によって分解され、異なる色素に変化します。この色素の変化が、あざの色の変化として私たちの目に映ります。
これは体が正常に治癒している証拠であり、心配する必要はありません。
あざの色の変化と分解物質
| あざの色 | 主な分解物質 | 時期の目安 |
|---|---|---|
| 赤紫色 | ヘモグロビン(血液そのもの) | 受傷直後 |
| 青紫色 | デオキシヘモグロビン(酸素を失った血液) | 数時間〜数日後 |
| 緑色 | ビリベルジン | 5日〜10日後 |
| 黄色・茶色 | ビリルビン | 10日〜2週間後 |
痛みと腫れを管理するためのセルフケア
急性期を過ぎても続く痛みや腫れに対しては、適切なセルフケアを行うことで、不快な症状を和らげ、回復を促すことができます。
安静の保ち方から市販薬の活用、入浴のタイミングまで、具体的なケアの方法を紹介します。
患部を安静に保つ工夫
痛みが強い時期は、膝に負担をかけないことが基本です。日常生活では、できるだけ体重をかけないように意識しましょう。
杖を使ったり、手すりのある場所を選んで歩いたりするのも有効です。長時間立ちっぱなしになる作業や、長距離の歩行は避けてください。
仕事や家事などでどうしても動く必要がある場合は、こまめに休憩を挟み、膝を休ませる時間を作ることが大切です。
腫れを軽減するための挙上
腫れは、患部に体液が溜まることで生じます。この体液の排出を促すために、患部を心臓より高い位置に保つ「挙上」が効果的です。
特に、座っている時や横になっている時に意識して行いましょう。
効果的な挙上の方法
- 椅子に座っている時:別の椅子や台の上に足を乗せる
- 仰向けで寝る時:膝の下にクッションやたたんだ布団を数枚重ねて入れる
- 横向きで寝る時:抱き枕などを使い、上の脚を乗せて高く保つ
市販の湿布薬や塗り薬の選び方
市販の湿布薬や塗り薬は、痛みを和らげるのに役立ちます。これらの薬には、主に炎症を抑える「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」が含まれています。
急性期で熱感がある場合は冷感タイプ、慢性期で血行を良くしたい場合は温感タイプを選ぶのが一般的ですが、基本的にはご自身が心地よいと感じる方を使用して問題ありません。
ただし、皮膚がかぶれやすい方は、使用時間や使用枚数を守り、異常を感じたらすぐに使用を中止してください。
市販の外用薬の種類
| 種類 | 特徴 | 使用の目安 |
|---|---|---|
| 冷感湿布 | メントールなどを含み、冷たい感覚を与える。 | 急性期の熱感や強い痛みがある時。 |
| 温感湿布 | トウガラシ成分などを含み、温かい感覚を与える。 | 慢性期の鈍い痛みやこわばりがある時。 |
| 塗り薬(ゲル・クリーム) | 関節など凹凸のある場所にも使いやすい。 | 湿布でかぶれやすい人や、広範囲に使いたい時。 |
入浴はいつから可能か
急性期の入浴は、体を温めて血行を良くするため、痛みや腫れを悪化させる可能性があります。受傷後2〜3日は、シャワーで済ませるのが無難です。
ズキズキとした痛みが落ち着き、熱感がなくなってきたら、ぬるめのお湯で短時間の入浴から再開しましょう。温めることで筋肉の緊張がほぐれ、痛みが和らぐこともあります。
ただし、入浴後に再び痛みが強くなるようであれば、まだ温めるタイミングが早い可能性がありますので、様子を見ながら調整してください。
膝の打撲で考えられる合併症と重篤な怪我のサイン
ほとんどの膝の打撲は時間とともに回復しますが、中には単なる打撲ではなく、骨や靭帯など、より深刻な損傷を伴っている場合があります。
見過ごすと後遺症につながる可能性もあるため、重篤な怪我のサインを知っておくことは非常に重要です。
単なる打撲ではない可能性
「たかが打ち身」と考えていても、実は内部でより大きな問題が起きていることがあります。特に、非常に強い衝撃を受けた場合や、転倒の仕方が悪かった場合には注意が必要です。
打撲と似た症状で始まるものの、実際には骨折や靭帯損傷などが隠れているケースも少なくありません。通常の打撲とは異なる症状がないか、注意深く観察しましょう。
骨折やひびの疑い
膝を打撲した際に、膝蓋骨(お皿)や脛骨、大腿骨の関節に近い部分で骨折や骨にひび(骨挫傷)が入ることがあります。これらを疑うべきサインには以下のようなものがあります。
骨の損傷を疑うサイン
- 明らかに膝が変形している
- 体重を全くかけることができないほどの激痛
- 膝を動かすとゴリゴリ、ギシギシといった異常な音がする
- 特定の一点を押すと、飛び上がるほどの強い痛み(限局性圧痛)がある
これらの症状が一つでも当てはまる場合は、自己判断せず、速やかに医療機関を受診する必要があります。
靭帯損傷や半月板損傷のサイン
膝関節には、関節を安定させるための靭帯(前十字靭帯、後十字靭帯など)や、衝撃を吸収するクッションの役割を持つ半月板が存在します。
打撲の際に膝をひねるような力が加わると、これらの組織が損傷することがあります。
靭帯・半月板損傷を疑うサイン
| 症状 | 概要 |
|---|---|
| 膝の不安定感(ぐらつき) | 歩行中や方向転換時に膝が抜けるような感覚がある。 |
| 引っかかり感(ロッキング) | 膝の曲げ伸ばしの途中で急に動かなくなり、少し動かすと元に戻る。 |
| 関節内での出血(関節血腫) | 受傷後、数時間で膝全体がパンパンに腫れあがる。 |
これらの症状は、放置すると将来的に変形性膝関節症のリスクを高める可能性があるため、専門医による正確な診断が重要です。
コンパートメント症候群などの緊急性が高い状態
非常に稀ですが、注意すべき状態としてコンパートメント症候群があります。
これは、打撲による内出血や腫れによって、筋肉を包む筋膜内の圧力が異常に高まり、血行障害を引き起こす危険な状態です。
すねの前側で起こることが多いですが、膝周りでも起こり得ます。
コンパートメント症候群の主な症状
- 時間とともに異常に強くなる、焼け付くような痛み
- 膝から下の感覚が鈍くなる、しびれる
- 足の指が動かしにくい、力が入らない
- 皮膚がパンパンに張り、蒼白になる
この状態は緊急の処置をしないと、筋肉や神経が壊死してしまう可能性があります。疑わしい場合は、夜間や休日であっても救急外来を受診してください。
医療機関を受診するタイミングの判断基準
膝を打った後、「このくらいで病院に行くのは大げさだろうか」と迷うことがあるかもしれません。
しかし、適切なタイミングで受診することは、重篤な怪我の見逃しを防ぎ、早期回復につながります。ここでは、受診の判断基準や何科にかかればよいかなどを解説します。
すぐに病院へ行くべき症状
前章で解説した重篤な怪我のサインが見られる場合は、迷わず医療機関を受診してください。改めて、緊急性の高い症状をまとめます。
これらの症状は、単なる打撲ではない可能性が高いことを示しています。
受診を急ぐべき症状チェックリスト
| チェック項目 | 詳細 |
|---|---|
| 明らかな変形 | 膝の形がいつもと違う、お皿の位置がおかしい。 |
| 歩行不能なほどの激痛 | 全く体重をかけられない、立つことすらできない。 |
| 急速で高度な腫れ | 数時間のうちに膝がパンパンに腫れあがった。 |
| 感覚異常や運動麻痺 | 膝から下のしびれ、足首や足指が動かせない。 |
数日様子を見ても良い場合
上記のような緊急性の高い症状がなく、以下の条件に当てはまる場合は、セルフケアをしながら2〜3日様子を見ることも可能です。
- 少し痛むが、体重をかけて歩くことができる
- 膝の曲げ伸ばしがある程度できる
- 腫れや内出血が常識の範囲内である
ただし、数日経っても痛みが全く引かない、あるいは徐々に悪化してくる場合は、打撲以外の問題が隠れている可能性も考えられるため、医療機関の受診を検討しましょう。
何科を受診すればよいか
膝の痛みや怪我を専門に診るのは「整形外科」です。レントゲンやMRIなどの画像検査を用いて、骨、関節、靭帯、筋肉などの状態を正確に診断します。
近くに整形外科がない場合は、まずかかりつけの内科や外科で相談することも可能ですが、最終的には専門医のいる整形外科への受診が望ましいです。
特にスポーツでの怪我の場合は、スポーツ整形外科を標榜するクリニックや病院も選択肢となります。
医師に伝えるべき情報
診察をスムーズに進め、正確な診断につなげるためには、医師に的確な情報を伝えることが大切です。受診する前に、以下の点を整理しておくと良いでしょう。
診察時に伝えるべきポイント
| 項目 | 伝える内容の例 |
|---|---|
| いつ、どこで、どうしたか | 「昨日、階段で転んで、コンクリートの角に膝の正面を打ちました」 |
| どのような症状があるか | 「歩くとズキッと痛みます。膝がパンパンに腫れて熱を持っています」 |
| 症状の経過 | 「打った直後より、今朝の方が痛みが強くなっています」 |
| 応急処置の内容 | 「すぐに氷で20分ほど冷やしました」 |
回復をサポートするリハビリテーションと日常生活の工夫
痛みが和らいできた亜急性期から慢性期にかけては、回復を後押しするためのリハビリテーションが重要になります。
関節が硬くなったり、筋力が低下したりするのを防ぎ、再発しにくい状態を目指します。ただし、自己判断で無理に行わず、必ず痛みのない範囲で行うことが原則です。
痛みが落ち着いてからの関節可動域訓練
急性期に膝を動かさずにいると、関節が硬くなってしまうことがあります(関節拘縮)。これを防ぐため、痛みが和らいできたら、ゆっくりと膝の曲げ伸ばし運動を始めましょう。
これを関節可動域訓練と呼びます。
椅子に座った状態で、ゆっくりと床にかかとをつけたまま膝を曲げるところまで曲げ、次にゆっくりと伸ばせる範囲まで伸ばします。
決して無理に深く曲げたり、強く伸ばしたりせず、「少し突っ張るけれど痛くはない」という範囲で止め、その状態を数秒間保持します。
これを10回程度、1日数セット行うことから始めてみましょう。
膝周りの筋力を維持・向上させる運動
膝の痛みが続くと、無意識に患部をかばうため、膝を支える太ももの筋肉(特に大腿四頭筋)が衰えやすくなります。筋力が低下すると膝への負担が増え、痛みが長引く原因にもなります。
痛みのない範囲でできる簡単な筋力トレーニングを取り入れましょう。
自宅でできる簡単な膝周りの運動
代表的な運動が「SLR(Straight Leg Raising:下肢伸展挙上)」です。仰向けに寝て、片方の膝は立てます。
痛い方の脚はまっすぐ伸ばしたまま、床から10cmほどゆっくりと持ち上げ、5秒間静止してからゆっくりと下ろします。この運動を10回1セットとして、1日数回行います。
太ももの前の筋肉に力が入っていることを意識しながら行うのがポイントです。
再発予防のための注意点
一度打撲した場所は、組織が完全には元に戻らず、再度の衝撃に弱くなることがあります。日常生活やスポーツの場面では、膝を守る意識を持つことが大切です。
スポーツをする際は、適切なウォーミングアップとクールダウンを欠かさず行いましょう。
また、必要に応じて膝用のサポーターやパッドを使用することも、衝撃を緩和し、再発を予防する上で有効です。バランス能力を高めるトレーニングも、転倒予防につながります。
膝の打撲に関するよくある質問
ここでは、膝を打撲された方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q. 膝に水が溜まっているようです。抜く必要はありますか?
A. 膝に溜まる水(関節液)は、打撲による炎症反応の結果として増えることがあります。水が溜まること自体が悪いわけではなく、体の防御反応の一つです。
量が多すぎて膝の曲げ伸ばしが困難であったり、痛みが非常に強かったりする場合には、注射で水を抜く処置を行うことがあります。この処置により、症状が劇的に楽になることもあります。
ただし、水を抜くかどうかは、炎症の程度や症状を総合的に判断して医師が決定します。自己判断で放置せず、まずは整形外科で相談してください。
Q. サポーターは着けた方が良いですか?
A. サポーターには、膝を適度に圧迫して腫れを抑える効果や、関節のぐらつきを抑えて安定させる効果、そして保温効果などがあります。
痛みが強く、歩くのが不安定な時期にサポーターを着けることで、安心感が得られ、活動しやすくなるメリットがあります。
ただし、締め付けが強すぎると血行が悪くなるため注意が必要です。また、長期間頼りすぎると、膝周りの筋力がかえって低下してしまう可能性もあります。
痛みが強い時期の補助として一時的に使用し、症状が改善してきたら徐々に外していくのが良いでしょう。
Q. 運動の再開はいつからできますか?
A. 運動の再開時期は、打撲の重症度や行うスポーツの種類によって大きく異なります。一般的な目安としては、まず日常生活で痛みなく歩けるようになることが第一条件です。
次に、軽いジョギングや膝の曲げ伸ばしをしても痛みが出ないかを確認します。問題がなければ、徐々にスポーツの基本的な動きを取り入れていきます。
全力でのプレーや、相手と接触するような激しいスポーツへの復帰は、ジャンプやダッシュ、急な方向転換などの動作をしても全く痛みや違和感がなくなってからにしましょう。
焦りは禁物です。不安な場合は、医師や理学療法士に相談し、指示を仰ぐのが最も安全です。
Q. 温めるのと冷やすのはどちらが良いですか?
A. これはタイミングによって異なります。原則として、受傷直後から数日間(急性期)の、ズキズキと痛み、熱を持っている時期は「冷やす」のが正解です。
冷却により血管を収縮させ、炎症と腫れを抑えます。一方、痛みが落ち着き、慢性的な鈍い痛みやこわばりが残る時期(慢性期)には、「温める」方が効果的な場合があります。
温めることで血行が良くなり、筋肉の緊張がほぐれ、痛みの原因物質の排出を促します。急性期に温めると炎症を悪化させるので、この使い分けは間違えないようにしてください。
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