足立慶友医療コラム

膝の裏が痛い原因と治し方|曲げると痛い・歩くと痛い

2026.02.25

膝の裏が痛いと、階段の昇り降りや正座はもちろん、ただ歩くだけでも不安になるものです。曲げると痛い、伸ばすと痛い、歩くと痛いなど症状の出方は人によってさまざまですが、その原因を正しく知ることが回復への第一歩になります。

この記事では、膝裏の痛みを引き起こす代表的な疾患や日常生活でできるセルフケア、そして整形外科を受診すべきサインまで、医療ライターの視点からわかりやすく解説しています。「この痛みは何だろう」と悩んでいる方にとって、具体的な行動の手がかりとなる情報をお届けします。

膝の裏が痛い原因は1つではない|まず疑うべき代表的な疾患

膝裏の痛みは、筋肉や腱の問題から関節内部の異常まで、原因が多岐にわたります。痛みの出方や場所によって疑われる疾患が異なるため、自己判断で放置するのは避けたいところです。

ベーカー嚢腫(のうしゅ)は膝裏の腫れと痛みの代表格

膝の裏側にぷくっとした膨らみができて、曲げると圧迫感や鈍い痛みを感じるなら、ベーカー嚢腫が疑われます。関節液が膝裏の袋状の組織にたまることで生じる症状で、中高年の方に多くみられるものです。

変形性膝関節症や半月板損傷など、もともと膝に別のトラブルを抱えている方に発症しやすい傾向があります。腫れが小さいうちは気づかない場合もあるため、膝裏に違和感を覚えたら早めに整形外科で確認してもらいましょう。

半月板損傷が膝裏の痛みにつながる理由

半月板は、膝関節のクッションとして働くC字型の軟骨組織です。スポーツ中のひねり動作や、加齢による劣化が原因で損傷すると、膝の曲げ伸ばしのたびに痛みやひっかかりを感じるようになります。

損傷した半月板の破片が膝裏側を刺激することで、膝の裏に限定的な痛みが出る場合も少なくありません。「曲げると痛い」「しゃがむと膝裏がつっぱる」という訴えが多いのが特徴です。

膝裏の痛みと関連が深い疾患の比較

疾患名おもな症状好発年齢
ベーカー嚢腫膝裏の腫れ・圧迫感40代以降
半月板損傷曲げ伸ばし時の痛み・引っかかり全年齢
変形性膝関節症起動時の痛み・こわばり50代以降
膝窩筋腱炎膝裏外側の鋭い痛みランナーに多い

変形性膝関節症でも膝の裏側に痛みは出る

変形性膝関節症というと膝の内側の痛みを想像しがちですが、進行度や膝の使い方によっては裏側にまで痛みが広がるケースがあります。関節内の炎症が膝裏の組織を刺激したり、膝をかばう姿勢が裏側の筋肉に過度な負担をかけたりするためです。

レントゲンだけでは膝裏の状態がわかりにくい場合も多いので、痛みの位置を正確に医師に伝えることが大切です。

膝窩筋腱炎や腓腹筋の問題も見逃せない

膝の裏にはいくつもの筋肉や腱が集まっています。なかでも膝窩筋(しっかきん)の腱や、ふくらはぎの上部に位置する腓腹筋(ひふくきん)が炎症を起こすと、歩行時や階段の下りで膝裏に鋭い痛みが走ることがあります。

ランニングやウォーキングの急な開始・増量がきっかけになりやすく、「歩くと膝の裏が痛い」という訴えの背景に筋腱の問題が隠れているケースは珍しくありません。

膝裏を曲げると痛いときに考えられる原因と対処法

膝を深く曲げたときに膝裏がズキッと痛む場合、関節内の問題と関節周囲の筋肉・腱の問題の両方を視野に入れる必要があります。原因によって対処法が変わるため、痛みのパターンをよく観察してみてください。

「正座ができない」「しゃがめない」は膝裏の異常サイン

正座やしゃがむ動作で膝裏に強い痛みを感じるなら、膝関節内で何かが挟まっている可能性があります。半月板のめくれや遊離体(関節内の骨や軟骨のかけら)が原因で、深く曲げる動作がブロックされるのです。

無理に曲げようとすると症状が悪化する場合もあるため、痛みが続く場合は早い段階で医療機関を受診してください。

曲げたときの「つっぱり感」は筋肉の硬さが関係する

痛みというよりも「つっぱる」「張る」という感覚が強い場合は、ハムストリングスや腓腹筋の柔軟性低下が影響していることが多いです。デスクワークで長時間座り続ける方や、運動不足の方に起こりやすい傾向があります。

こうした筋肉の硬さは、適切なストレッチを継続することで徐々に緩和できます。ただし、ストレッチ中に鋭い痛みが走る場合は筋肉や腱に損傷がある恐れもあるため、無理は禁物でしょう。

曲げると痛い膝裏をこれ以上悪化させないための応急対応

急に膝裏の痛みが強くなったときは、まず安静にして患部を冷やすのが基本です。氷のうやアイスパックをタオルに包み、15分から20分程度あてましょう。冷やすことで炎症を抑え、痛みの悪化を防ぐ効果が期待できます。

痛みが引かない場合や腫れを伴う場合は、自己判断で温めたりマッサージしたりするのは控え、整形外科の受診を優先してください。

膝裏の痛みが長引くときは画像検査で原因を特定する

2週間以上にわたって曲げると膝裏が痛い状態が続くなら、MRI検査で膝内部の状態を詳しく調べることをおすすめします。レントゲンでは映らない半月板の損傷やベーカー嚢腫の有無を確認できるため、原因の特定に大きく近づけます。

「たかが膝裏の痛み」と軽視して放置すると、ほかの部位にまで負担が波及することがあるので注意が必要です。

痛み方の特徴考えられる原因推奨される対応
深く曲げると鋭く痛む半月板損傷・遊離体整形外科受診
曲げるとつっぱる筋肉の柔軟性低下ストレッチ継続
曲げると腫れが気になるベーカー嚢腫MRI検査を検討
曲げると膝がロックされる遊離体・半月板損傷早急に専門医へ

膝裏を伸ばすと痛い原因|ピンと伸ばした瞬間に走る痛みの正体

膝をまっすぐ伸ばしたときに膝裏が痛む症状には、筋肉・腱のトラブルと関節そのものの問題が混在しています。伸展時の痛みは日常動作への影響が大きいため、原因をしっかり見きわめることが回復への近道です。

ハムストリングスの付着部炎が膝裏伸展痛の多くを占める

太ももの裏側を走るハムストリングスは、膝裏の骨に付着しています。オーバーユースや急な運動負荷によってこの付着部に炎症が起きると、膝を伸ばすたびに引っ張られるような痛みを感じます。

特にランニングやサッカーなどダッシュを繰り返すスポーツに多い症状で、安静とアイシングを基本としながら、段階的にリハビリを進める方法が一般的です。

膝裏を伸ばすと痛いのは関節包の炎症が原因かもしれない

関節包(かんせつほう)とは、膝関節全体を包んでいる薄い膜のことです。この膜が炎症を起こすと、膝を完全に伸ばしきったときに膝裏へ痛みが走ります。関節リウマチや感染症が原因となるケースもあるため、腫れや熱感を伴う場合は速やかに受診してください。

膝裏伸展時の痛みと原因の対応表

症状の特徴疑われる原因ポイント
伸ばすとつっぱるように痛いハムストリングス付着部炎運動負荷の見直し
伸ばしきると膝裏全体が痛い関節包の炎症熱感や腫れに注意
伸ばすとポキッと音がして痛い遊離体や半月板異常早めの画像検査を

膝裏の神経が圧迫されている場合もある

膝の裏側には坐骨神経から分岐した腓骨神経(ひこつしんけい)や脛骨神経(けいこつしんけい)が走っています。ベーカー嚢腫の圧迫やガングリオン(良性の腫瘤)が神経を押すと、伸展時にしびれを伴う痛みが出ることがあります。

しびれや感覚の鈍さがある場合は筋肉だけの問題ではない可能性が高いので、神経に詳しい医師の診察を受けると安心です。

膝裏の伸展痛を放置すると歩行パターンが崩れる

痛みを避けるために膝を少し曲げた状態で歩く「逃避歩行」が習慣化すると、腰や股関節にまで負担が広がります。膝裏の痛みが数日で改善しない場合は、痛みの原因を調べたうえで、正しい歩き方を取り戻すリハビリを始めることが重要です。

歩くと膝の裏が痛い場合に確認してほしい3つのチェックポイント

歩行中に膝裏が痛む症状は、日常生活の質を大きく下げます。まずは以下の3つの視点から自分の状態を確認し、医療機関受診の判断材料にしてください。

歩き始めだけ膝裏が痛むのか、歩くほど痛みが増すのかを見きわめる

歩き始めの数歩だけ痛むケースと、歩くほどに痛みが強くなるケースでは、原因が異なる場合が多いです。歩き始めだけの痛みは、関節液の循環不足や筋肉のこわばりが原因であることが多く、ウォーミングアップで改善するケースもあります。

一方、歩行距離が伸びるにつれて痛みが増す場合は、半月板損傷やベーカー嚢腫、あるいは血管系のトラブルが隠れている可能性があります。距離や時間を記録しておくと、受診時に医師へ伝えやすくなります。

靴底の減り方で膝裏への負担がわかる

普段履いている靴の底をチェックしてみてください。片方だけ極端にすり減っている場合や、外側・内側に偏って減っている場合は、歩行バランスの崩れが膝裏に余計な負担をかけている可能性があります。

靴底の減り方は歩行癖を映す鏡のようなものです。インソールの調整や靴の買い替えだけで膝裏の痛みが軽減するケースもあるため、見逃さないようにしましょう。

膝裏の痛みに加えてふくらはぎの腫れや熱感がある場合は要注意

膝裏からふくらはぎにかけて腫れや熱感、赤みがある場合は、深部静脈血栓症(DVT)の可能性も否定できません。これは足の深い静脈に血のかたまりができる状態で、放置すると重篤な合併症を引き起こすリスクがあります。

長時間のデスクワークや飛行機での移動後にこうした症状が出た場合は、早急に医療機関へ連絡してください。

歩くたびに膝裏が痛いなら歩き方そのものを見直す

痛みの原因が筋肉や姿勢のアンバランスにある場合、歩き方を修正するだけで症状が和らぐことがあります。整形外科やリハビリテーション科では、理学療法士による歩行分析を受けられるので、根本的な改善を目指すなら一度相談してみるとよいでしょう。

チェック項目注意すべきサイン考えられる原因
痛みの出方歩くほど痛みが増す半月板損傷・血管系の問題
靴底の減り方左右非対称・偏った減り歩行バランスの乱れ
ふくらはぎの状態腫れ・熱感・赤み深部静脈血栓症の疑い

膝裏の痛みを自分で和らげるセルフケアとストレッチ

軽度の膝裏の痛みであれば、自宅でのセルフケアやストレッチで症状を緩和できる場合があります。ただし、強い痛みや腫れを伴うときは無理をせず、専門医に相談してからセルフケアを始めてください。

膝裏に負担をかけないハムストリングスのストレッチ

椅子に浅く座り、片足をまっすぐ前に伸ばしてかかとを床につけます。背筋を伸ばしたまま上体をゆっくり前に倒すと、太もも裏から膝裏にかけてじんわりと伸びる感覚が得られるでしょう。

反動をつけずに20秒から30秒キープし、左右交互に2セットずつ行うのが目安です。毎日続けることで筋肉の柔軟性が徐々に回復し、膝裏のつっぱり感が和らぎやすくなります。

ふくらはぎと膝裏を同時にほぐす壁押しストレッチ

壁に両手をつき、片足を後ろに引いてかかとを床につけたまま前の膝を曲げると、後ろ足のふくらはぎから膝裏にかけてしっかり伸ばせます。このとき後ろ足のつま先が外側を向かないよう、まっすぐ前に向けるのがコツです。

膝裏セルフケアの基本メニュー

ケアの種類方法目安の頻度
ハムストリングスストレッチ椅子に座って片足伸ばし毎日・左右各2セット
壁押しストレッチ壁に手をついて後ろ足伸ばし毎日・左右各20秒
アイシング氷のうをタオルで包んで当てる痛み時・15〜20分
太もも前面の筋力強化椅子座位で膝伸ばし運動1日10回×3セット

太ももの前面(大腿四頭筋)を鍛えて膝裏の負担を減らす

膝裏の痛みを予防・緩和するには、膝を支える筋肉のバランスを整えることが大切です。椅子に座った状態で片膝をゆっくり伸ばし、5秒間キープしてからゆっくり下ろす運動を繰り返してみてください。

大腿四頭筋が強化されると膝関節の安定性が高まり、膝裏側の筋肉への過度な負担が軽減されます。テレビを見ながらでもできるので、習慣化しやすいでしょう。

セルフケアを続けても改善しないときが受診のタイミング

2週間ほどセルフケアを試しても痛みが変わらない、あるいは悪化しているなら、整形外科の受診をためらわないでください。画像検査で関節内部の状態を確認し、必要に応じてリハビリテーションの処方を受けることで、回復までの道のりが明確になります。

整形外科で行う膝裏の痛みの検査と治療法

セルフケアだけでは改善しない膝裏の痛みに対して、整形外科ではさまざまな検査と治療を行います。自分の状態に合った治療法を知っておくと、受診時にスムーズに相談できるでしょう。

レントゲンとMRI検査で膝裏の痛みの原因を突き止める

まずはレントゲン撮影で骨の状態を確認し、骨折や骨棘(こつきょく)の有無を調べます。レントゲンで異常が見つからない場合でも、MRI検査を行えば半月板やベーカー嚢腫、靭帯の損傷といった軟部組織の問題を詳しく評価できます。

膝裏の痛みは骨だけの問題ではないことが多いため、MRI検査による総合的な判断が正確な診断につながります。

注射療法で膝裏の炎症と痛みをコントロールする

関節内にヒアルロン酸を注入して関節の潤滑性を高めたり、炎症が強い場合にはステロイド注射で痛みを素早く抑えたりする治療法があります。ベーカー嚢腫が大きくなって痛みや圧迫感が強い場合は、嚢腫内の液体を注射器で吸引する処置を行うこともあります。

注射療法はあくまで対症療法としての側面が強いものの、痛みを軽減することでリハビリに取り組みやすくなるという利点があります。

リハビリテーションで膝裏の痛みの再発を防ぐ

理学療法士の指導のもと、膝周囲の筋力強化や柔軟性の改善を図るリハビリは、膝裏の痛みを根本から解決するうえでとても重要です。個々の症状や生活スタイルに合わせたプログラムを組んでもらえるため、自己流のケアよりも効率的に回復を目指せます。

手術が検討されるのはどんな場合か

保存療法を十分に試しても改善が見られない場合や、半月板損傷がロッキング(膝が動かなくなる症状)を引き起こしている場合は、関節鏡手術などの外科的治療が選択肢に入ります。手術の必要性や術式は患者さんの症状・年齢・活動レベルによって異なるため、担当医とよく話し合うことが大切です。

治療法おもな対象特徴
ヒアルロン酸注射変形性膝関節症関節の潤滑性を補う
ステロイド注射強い炎症を伴う場合痛みを素早く抑える
嚢腫穿刺吸引ベーカー嚢腫腫れと圧迫感を軽減
リハビリテーションほぼ全症例再発予防と機能回復
関節鏡手術保存療法で改善しない場合低侵襲で関節内を治療

二度と膝裏の痛みに悩まされない|予防のために今日から変える生活習慣

膝裏の痛みは、治療だけでなく日常の生活習慣を見直すことで再発リスクを大幅に下げられます。毎日のちょっとした心がけが、膝を長く健やかに保つ鍵になるでしょう。

体重管理が膝裏への負担を左右する

体重が1kg増えると、歩行時に膝にかかる負荷は約3kg増加するといわれています。体重を適正範囲に維持するだけで、膝裏を含む膝関節全体の負担を大きく減らせます。

極端な食事制限ではなく、バランスの取れた食生活と適度な運動の組み合わせが理想的です。急激な減量は筋肉量の低下を招き、かえって膝を不安定にしてしまう恐れがあるので気をつけてください。

  • BMI 25以上は膝関節への負担増大の目安
  • ウォーキングや水中運動など低衝撃の有酸素運動が有効
  • 筋肉を維持しながら減量するにはタンパク質の摂取を意識する
  • 急な体重増加は膝への負荷が一気に跳ね上がる

正しい姿勢と歩き方が膝裏を守る

猫背や反り腰の姿勢は、膝関節にかかる力のバランスを崩し、膝裏の筋肉や腱に偏った負荷を与えます。立っているときは耳・肩・骨盤・くるぶしが一直線になるよう意識し、歩くときはかかとから着地してつま先で蹴り出すリズムを心がけましょう。

日常的にヒールの高い靴を履いている方は、膝が常に軽く曲がった状態になるため、膝裏への負担が増加します。通勤時だけでもフラットな靴に変えるなどの工夫が効果的です。

運動習慣を無理なく続けるための心がけ

膝裏の痛み予防に運動が大切とわかっていても、痛みへの不安から体を動かすことに消極的になる方は多いかもしれません。大切なのは「痛みの出ない範囲で継続すること」です。

水中ウォーキングや自転車こぎは膝への衝撃が少なく、膝裏に負担をかけにくい運動として広くすすめられています。週に3回、30分程度を目安にするとよいでしょう。調子が悪い日は休む柔軟さも、長く続けるコツです。

定期的な受診で膝裏の小さな異変を早期に発見する

痛みが完全になくなった後も、半年から1年に1回程度は整形外科で膝の状態を確認してもらうことをおすすめします。レントゲンやエコー検査で関節の状態を定期的にチェックしておけば、再発の兆候を早期にキャッチできます。

痛みがないときに受診するのは面倒に感じるかもしれませんが、「悪くなってから慌てる」よりも「良い状態を確認する」ほうが、長い目で見てずっと安心です。

よくある質問

膝の裏の痛みはどのくらいの期間で治る?

膝裏の痛みが治るまでの期間は原因によって大きく異なります。筋肉のこわばりや軽い炎症が原因であれば、安静とセルフケアによって1〜2週間程度で改善するケースが多いです。

一方、半月板損傷やベーカー嚢腫が原因の場合は、数か月単位の治療やリハビリが必要になることもあります。痛みが2週間以上続くようであれば、一度整形外科で原因を調べてもらうのが回復への近道です。

膝裏の痛みがあるときに運動やウォーキングを続けても大丈夫?

膝裏の痛みがあるときは、痛みの出ない範囲で体を動かすのが基本的な考え方です。軽いストレッチや水中ウォーキングなど膝への衝撃が少ない運動であれば、継続しても問題ないケースが多いでしょう。

ただし、歩くたびにズキッと痛む場合や、運動後に腫れが出る場合は、いったん運動を中止して医師に相談してください。痛みを我慢しながら無理に動くと、症状が慢性化する恐れがあります。

膝裏の痛みを放置するとどうなる?

膝裏の痛みを放置すると、痛みをかばう歩き方が習慣化し、腰や股関節、足首など他の部位にまで負担が広がる可能性があります。ベーカー嚢腫の場合は嚢腫が破裂してふくらはぎに激しい痛みと腫れが生じることもあり、放置は望ましくありません。

変形性膝関節症が背景にあるケースでは、膝の変形が進行して歩行困難になるリスクも高まります。軽い違和感のうちに対処しておくことで、将来の選択肢を広く保てるでしょう。

膝裏の痛みに湿布やサポーターは効果がある?

消炎鎮痛成分を含む湿布は、膝裏の軽い炎症や筋肉痛の緩和に一定の効果が期待できます。貼る場所は膝裏のもっとも痛みが強いポイントに合わせ、肌がかぶれやすい方は貼付時間を短めにしてください。

サポーターについては、膝関節を適度に安定させることで歩行時の痛みを軽減する働きがあります。ただし、きつく締めすぎると血流を妨げて症状を悪化させるリスクがあるため、自分に合ったサイズと圧迫力のものを選ぶことが大切です。

膝裏が痛いときは温めるのと冷やすのとどちらが正しい?

膝裏の痛みが急に出た場合や、腫れ・熱感を伴う場合は冷やすのが原則です。氷のうやアイスパックをタオルに包んで15分から20分程度あてると、炎症を抑えて痛みの悪化を防ぐ効果が期待できます。

慢性的なこわばりや血行不良が原因の場合は、入浴や蒸しタオルで温めることで筋肉がほぐれ、症状が和らぐケースがあります。迷ったときは「腫れや熱があれば冷やす、慢性的な張りやこわばりなら温める」と覚えておくとよいでしょう。判断に迷う場合は医師に相談してください。

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Author

北城 雅照

医療法人社団円徳 理事長
医師・医学博士、経営心理士

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