股関節の症状から考えられる病気と治療法
股関節に痛みや違和感を覚えると、「何か悪い病気ではないか」と不安になるものです。股関節は、歩く、立つ、座るといった日常の基本的な動作を支える重要な関節です。
この部分に問題が生じると、生活の質(QOL)に大きく影響します。
この記事では、股関節の痛みの原因となる症状、考えられる病気、そしてどのような治療法があるのかを、専門的な知見に基づきながら分かりやすく解説します。
ご自身の症状を理解し、適切な対応を考えるための一助としてください。
目次
股関節の痛み あなたの症状は?
股関節の痛みといっても、その現れ方は人それぞれです。
痛む場所、タイミング、伴う症状などを詳しく観察することが、原因を探る第一歩となります。まずはご自身の症状を整理してみましょう。
痛む場所(付け根、お尻側、太もも)
痛みを最も強く感じる場所はどこでしょうか。
一般的に「股関節」と呼ばれる脚の付け根(鼠径部)が痛む場合もあれば、お尻の側や太ももの前面、あるいは膝の近くまで痛みが放散することもあります。
痛む場所によって、原因となっている部位が異なる可能性を考慮します。
痛むタイミング(歩き始め、安静時、夜間)
痛みが出るタイミングも重要です。
例えば、座った状態から立ち上がって歩き出す「初動時」に痛むのか、長時間歩くと痛むのか、あるいは何もしていない「安静時」や夜寝ている「夜間」に痛むのか。
症状のパターンは、病気の種類を推測する手がかりになります。
伴う症状(動かしにくい、音が鳴る、腫れ)
痛み以外に、股関節の「動かしにくさ(可動域制限)」を感じることもあります。靴下を履く動作や、あぐらをかく姿勢が難しくなるのは代表的な例です。
また、動かした時に「ポキポキ」「ゴリゴリ」といった音が鳴る(関節内でのひっかかり)、関節の周辺が腫れている、熱を持っているといった症状も、診断の助けとなります。
痛みの種類(ズキズキ、ジンジン、鈍い痛み)
痛みの質も多様です。「ズキズキ」する鋭い痛み、「ジンジン」としびれるような痛み、「ドン」と重い鈍い痛みなど、感じ方は様々です。
痛みの強さや持続時間と合わせて、ご自身の感覚を把握しておくことが大切です。
症状のセルフチェック
| チェック項目 | 当てはまる症状の例 | 考えられる状態 |
|---|---|---|
| 痛む場所 | 脚の付け根(鼠径部) | 股関節そのものの問題 |
| 痛む場所 | お尻、太ももの外側 | 股関節、または腰の問題 |
| 痛むタイミング | 歩き始め、立ち上がり時 | 関節の動き始めの負担 |
| 痛むタイミング | 安静時、夜間 | 炎症が強い可能性 |
| 伴う症状 | 靴下が履きにくい | 股関節の可動域制限 |
股関節の痛みで考えられる主な病気
股関節の痛みを引き起こす病気は一つではありません。年齢や性別、生活習慣によってもリスクは異なります。
ここでは、股関節の痛みの原因として頻繁に見られる代表的な病気を紹介します。
変形性股関節症
股関節の病気の中で最も多いとされるのが「変形性股関節症」です。
これは、股関節の軟骨がすり減ったり、骨が変形したりすることで痛みや機能障害が起こる病気です。特に中年以降の女性に多く見られます。
変形性股関節症の進行
初期の段階では、立ち上がりや歩き始めに軽い痛みを感じる程度ですが、進行するにつれて軟骨のすり減りが進み、痛みが強くなります。
さらに進行すると、安静時にも痛むようになり、関節の動く範囲が狭まることで日常生活に大きな支障をきたします。
大腿骨寛骨臼インピンジメント (FAI)
FAI(Femoroacetabular Impingement)は、股関節を形成する大腿骨(太ももの骨)の骨頭や、骨盤側の受け皿(寛骨臼)の形状にわずかな異常があり、特定の動きで骨同士が衝突(インピンジメント)して痛みを引き起こす状態です。
比較的若い世代や、スポーツを活発に行う人に見られることがあります。
股関節唇損傷
股関節の受け皿の縁には、「関節唇」という軟骨組織があり、関節を安定させる役割を担っています。
この関節唇が、FAIによる衝突や、外傷、繰り返しの動作によって損傷すると、股関節の深い部分に鋭い痛みや「ひっかかり感」が生じます。FAIと合併して起こることも多いです。
大腿骨頭壊死症
大腿骨の先端にある丸い部分(大腿骨頭)への血流が悪くなることで、骨の組織が壊死(死んでしまう)する病気です。
原因がはっきりしない特発性のものが多いですが、ステロイド薬の多量使用やアルコールの多飲が関連するともいわれます。
骨が壊死して潰れる(圧潰)と、急激な痛みと共に股関節機能が低下します。
主な股関節疾患の比較
| 病名 | 主な症状 | 特徴 |
|---|---|---|
| 変形性股関節症 | 動作開始時の痛み、可動域制限 | 中年以降の女性に多い。徐々に進行。 |
| FAI | 特定の動きでの痛み、ひっかかり感 | 若年層、スポーツ愛好家に多い。 |
| 股関節唇損傷 | 深い部分の鋭い痛み、ひっかかり感 | FAIや外傷に伴うことがある。 |
| 大腿骨頭壊死症 | 安静時痛、急激な痛み(圧潰時) | 血流障害による骨の壊死。 |
【年代別】特に注意したい股関節の病気
股関節の病気は、どの年代でも起こる可能性がありますが、年代によってかかりやすい病気や、注意すべき点が異なります。
ご自身の年代と照らし合わせて確認してみましょう。
若年層(10代〜30代)の注意点
この年代では、スポーツ活動や日常生活での活発な動きが原因となるケースが目立ちます。
前述のFAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)や股関節唇損傷は、若年層の股関節痛の原因として重要です。
また、生まれつき股関節の形状に特徴がある場合(臼蓋形成不全など)に、負担がかかりやすいこともあります。
中年層(40代〜50代)で増える傾向
40代以降、特に女性では「変形性股関節症」の発症が増加し始めます。
初期症状は「なんとなく違和感がある」「長時間歩くと疲れる」といった軽いものであることが多く、見過ごされがちです。
しかし、この時期から適切なケアを始めることが、将来の進行を防ぐ上で大切です。
高齢者(60代以上)に多い症状
60代以上では、変形性股関節症が進行して症状が強くなる方が増えます。
また、骨粗しょう症を背景とした「大腿骨近位部骨折(転倒による骨折)」のリスクも高まります。骨折は急激な痛みを伴い、歩行が困難になるため、迅速な対応が必要です。
大腿骨頭壊死症も、発症から時間が経過して症状が明らかになるケースがあります。
年代別に見る股関節の注意点
| 年代 | 注意すべき主な病気 | 背景・特徴 |
|---|---|---|
| 若年層 (10-30代) | FAI、股関節唇損傷 | スポーツ活動、先天的な骨形状 |
| 中年層 (40-50代) | 変形性股関節症(初期) | 加齢、性差(女性に多い) |
| 高齢者 (60代以上) | 変形性股関節症(進行)、大腿骨近位部骨折 | 進行、骨粗しょう症、転倒リスク |
股関節以外の原因による痛み(関連痛)
「股関節が痛い」と感じていても、実際には股関節そのものではなく、別の場所に原因がある場合があります。これを「関連痛」と呼びます。
腰や骨盤、さらには内科的な問題が隠れていることもあります。
腰椎(背骨)が原因の場合
腰の骨(腰椎)の問題で神経が圧迫されると、その神経が支配する領域であるお尻や太もも、脚の付け根に痛みやしびれが出ることがあります。
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症
代表的なものに「腰椎椎間板ヘルニア」や「腰部脊柱管狭窄症」があります。
これらの病気では、股関節を動かしても痛みはあまり変わらず、むしろ腰を反らしたり、長時間立っていたりすると症状が悪化する傾向が見られます。
骨盤の歪みや筋肉の問題
股関節周辺には多くの筋肉が付着しています。
お尻の筋肉(中殿筋など)や、骨盤周りの筋肉が過度に緊張したり、炎症を起こしたりすると(筋筋膜性疼痛)、股関節の痛みとして感じることがあります。
また、骨盤の関節(仙腸関節)の問題が原因となることもあります。
内科的な問題が隠れているケース
非常に稀ですが、婦人科系の疾患や、鼠径ヘルニア(脱腸)、血管の問題などが、股関節周辺の痛みとして現れることもあります。
整形外科的な検査で異常が見つからない場合に、これらの可能性を考慮することがあります。
関連痛の主な原因
| 原因 | 主な疾患例 | 痛みの特徴 |
|---|---|---|
| 腰椎(背骨) | 腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症 | お尻や太ももへの放散痛、しびれ |
| 筋肉・骨盤 | 筋筋膜性疼痛、仙腸関節障害 | 圧痛(押すと痛む)、動作時痛 |
| その他 | 鼠径ヘルニア、内科的疾患 | 股関節の動きとは連動しにくい痛み |
病院での診察と検査の流れ
股関節の痛みが続く場合、自己判断で放置せず、専門の医療機関を受診することが重要です。
病院では、痛みの原因を正確に突き止めるために、段階的に診察と検査を進めます。
まずは何科を受診すべきか
股関節の痛みや脚の付け根の痛みは、まず「整形外科」を受診することを推奨します。
整形外科は、骨、関節、筋肉、神経といった運動器の専門家であり、股関節疾患の診断と治療を専門としています。
問診で伝えるべきこと
診察では、医師があなたの症状について詳しく尋ねます(問診)。正確な診断のために、以下の点を整理しておくとスムーズです。
この情報が、医師が原因を推測する上で大きな助けとなります。
問診で伝えるポイント
- いつから痛むか
- どこが一番痛むか
- どのような時に痛むか(動いた時、安静時など)
- 痛み以外の症状(動かしにくい、音が鳴るなど)
- 過去のケガや病気、現在治療中の病気
主な検査方法(レントゲン、MRIなど)
問診や身体所見(股関節の動きや圧痛の確認)の後、必要に応じて画像検査を行います。
最も基本となるのは「レントゲン(X線)検査」で、骨の変形やすり減り具合、骨折の有無などを確認します。
レントゲンだけでは分かりにくい軟骨や関節唇、筋肉、あるいは大腿骨頭壊死の初期段階などを詳しく調べるためには、「MRI検査」が非常に有用です。
場合により「CT検査」や「超音波(エコー)検査」を行うこともあります。
画像検査の種類と特徴
| 検査方法 | 主にわかること | 特徴 |
|---|---|---|
| レントゲン (X線) | 骨の変形、関節の隙間、骨折 | 基本的な検査。短時間で撮影可能。 |
| MRI | 軟骨、関節唇、筋肉、骨壊死 | 放射線被曝がなく、軟部組織の描出に優れる。 |
| CT | 骨の立体的な形状、微細な骨折 | レントゲンより骨の詳細な情報が得られる。 |
診断までの一般的な流れ
医療機関では、これらの問診、身体所見、画像検査の結果を総合的に評価して、痛みの原因が何であるかを診断します。
股関節そのものの問題なのか、あるいは腰など他の場所から来ている痛みなのかを見極め、診断に基づいて治療方針を決定します。
股関節疾患の主な治療法(保存療法)
股関節の病気と診断された場合、治療は大きく「保存療法」と「手術療法」に分けられます。多くの場合、まずは身体への負担が少ない保存療法から開始します。
保存療法の目的は、痛みを和らげ、股関節の機能を維持・改善することです。
日常生活の改善と安静
股関節への負担を減らすことが基本です。痛みが強い時期は、長時間の歩行やスポーツ活動を控えて安静を保つことが必要な場合があります。
また、体重の管理(減量)も、股関節にかかる負担を軽減するために非常に重要です。
日常生活での工夫
- 杖を使用する
- 重いものを持たない
- 床での生活(正座、あぐら)を避け、椅子やベッドを使う
- 和式トイレを避け、洋式トイレを使用する
運動療法(リハビリテーション)
痛みの軽減と機能改善のために、運動療法(リハビリテーション)は中心的な役割を果たします。
股関節周囲の筋肉(特にお尻の筋肉)を鍛えることで関節を安定させ、またストレッチで関節の柔軟性を保ちます。理学療法士などの専門家の指導のもと、正しい方法で行うことが大切です。
薬物療法(内服薬・外用薬)
痛みが強い場合や、炎症を伴う場合には、薬物療法を行います。一般的には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の飲み薬や貼り薬、塗り薬を使用して、痛みと炎症を抑えます。
これらの使用により、運動療法が行いやすくなる効果も期待できます。
主な保存療法の概要
| 治療法 | 目的 | 具体例 |
|---|---|---|
| 生活指導・安静 | 股関節への負担軽減 | 体重管理、杖の使用、動作の工夫 |
| 運動療法 | 筋力強化、可動域維持 | 股関節周囲の筋力トレーニング、ストレッチ |
| 薬物療法 | 疼痛緩和、炎症抑制 | 非ステロイド性抗炎症薬(内服、外用) |
物理療法・装具療法
医療機関によっては、温熱療法(ホットパックなど)や電気治療といった物理療法を、運動療法や薬物療法と組み合わせて行うことがあります。
これらは血流を改善し、筋肉の緊張を和らげることを目的とします。また、靴のインソール(足底装具)を作成し、歩行時の衝撃を和らげる方法もあります。
股関節疾患の主な治療法(手術療法)
保存療法を長期間続けても痛みが改善しない場合や、病気が進行して日常生活に大きな支障が出ている場合、あるいは特定の病気(大腿骨頭壊死での圧潰など)では、手術療法を検討します。
手術の目的は、痛みの根本的な原因を取り除き、股関節の機能を取り戻すことです。
手術を検討するタイミング
手術を受けるかどうかは、現在の痛みの強さ、日常生活での困りごと、年齢、活動レベル、そしてレントゲンなどでの病気の進行度を総合的に判断して決定します。
「痛みのためにやりたいことができない」「夜も痛くて眠れない」といった、生活の質(QOL)が著しく低下している状態が、一つの目安となります。
関節鏡視下手術(股関節鏡)
比較的小さな切開から内視鏡(関節鏡)を挿入し、関節内部の状態をモニターで見ながら行う手術です。FAIや股関節唇損傷など、比較的若い世代の病気に対して行われることが多いです。
損傷した関節唇の修復や、衝突の原因となる骨の異常な部分を削る処置を行います。身体への負担が比較的少ないのが特徴です。
骨切り術(骨の形を変える手術)
主に変形性股関節症の初期から進行期で、比較的若く、ご自身の関節を温存したい場合に選択される手術です。
骨盤側や大腿骨側の骨を切って、関節の形を変える(被りを良くするなど)ことで、体重がかかる面積を広げ、軟骨への負担を減らします。
代表的なものに「寛骨臼回転骨切り術(RAO)」などがあります。
人工股関節置換術
変形性股関節症や大腿骨頭壊死症が進行し、軟骨のすり減りや骨の変形が著しい場合に、最も確実な除痛と機能回復が期待できる手術です。
損傷した股関節を、金属やセラミック、ポリエチレンなどでできた人工の関節に置き換えます。近年、手術手技や人工関節の耐久性は大きく向上しています。
代表的な手術方法
| 手術名 | 主な対象疾患 | 概要 |
|---|---|---|
| 関節鏡視下手術 | FAI、股関節唇損傷 | 内視鏡を使用し、損傷部位の修復や骨の研磨を行う。 |
| 骨切り術 | 変形性股関節症(初期~進行期) | 骨の形を変えて関節の適合性を改善し、関節を温存する。 |
| 人工股関節置換術 | 変形性股関節症(末期)、大腿骨頭壊死症 | 損傷した関節を人工の関節に置き換える。 |
股関節の症状に関するよくある質問
股関節の痛みに関して、多くの方が抱く疑問や不安についてお答えします。
股関節が痛い時、自分でできる応急処置は?
急に強い痛みが出た場合(ケガなど)は、まず安静にし、患部を冷やす(アイシング)ことが推奨されます。ただし、これは一時的な処置です。
痛みが続く場合は、必ず医療機関を受診してください。慢性的な痛みで、動かすと楽になる場合は、温める方が良いこともあります。
自己判断せず、症状に応じて対応することが重要です。
ストレッチや運動はしても良いですか?
痛みが強い時期に、無理にストレッチや運動を行うと症状を悪化させる可能性があります。まずは安静を優先してください。
痛みが落ち着いてきた段階での運動療法(筋力強化やストレッチ)は、機能の回復に非常に重要です。ただし、どのような運動をどの程度行うべきかは、病状によって異なります。
必ず医師や理学療法士の指導のもとで行うようにしてください。
痛みが良くなったり悪くなったりします。放置しても大丈夫?
症状に波があるからといって、放置することは推奨できません。
特に変形性股関節症などの進行性の病気の場合、症状が軽い時期があっても、関節の状態は徐々に悪化している可能性があります。
症状が軽いうちに診断を受け、適切な対策(生活指導や運動療法)を始めることが、将来的な進行を遅らせるために大切です。
診断までに時間はかかりますか?
一般的な整形外科の診察では、問診、身体所見、レントゲン検査までを初診の日に行うことが多いです。これらの情報で、ある程度の診断(変形性股関節症の進行度など)は可能です。
さらに詳しい検査(MRIなど)が必要と判断された場合は、後日改めて検査の予約を取る流れが一般的です。
原因が特定しにくい場合や、関連痛が疑われる場合は、診断までに複数の検査や診察が必要になることもあります。
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