膝の半月板損傷の症状と治療 – 専門医による解説
膝に痛みや違和感を覚えると、日常生活やスポーツ活動に大きな支障が出ることがあります。
「膝が引っかかる」「急に膝が動かなくなった」といった症状がある場合、膝のクッションの役割を持つ「半月板」が損傷しているかもしれません。
半月板損傷は、スポーツ選手だけでなく、年齢を重ねた方にも起こり得る身近な膝の障害の一つです。
この記事では、整形外科の専門的な観点から、膝の半月板損傷がなぜ起こるのか、どのような症状が現れるのか、そしてどのような診断と治療法があるのかを、分かりやすく丁寧に解説します。
ご自身の膝の状態を理解し、適切な対処法を知るための一助としてください。
目次
膝の半月板とは? その役割と構造
膝関節は、私たちの体重を支え、歩行や走行、ジャンプなど多彩な動きを可能にする重要な関節です。この複雑な関節の中で、半月板は非常に大切な働きを担っています。
半月板について正しく理解することは、膝の健康を守る第一歩となります。
膝の「クッション」半月板
半月板は、膝関節の大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間にある、C型(三日月型)をした軟骨様の組織です。
その名の通り、半月の形をしており、膝関節の内側と外側にそれぞれ1枚ずつ存在します。主成分はコラーゲン線維で、弾力性に富んでいます。
この弾力性により、膝にかかる衝撃を和らげる「クッション」としての役割を果たしています。
半月板の形状と位置(内側と外側)
膝には「内側半月板」と「外側半月板」があります。
内側半月板はC型が大きく、外側半月板はO型に近い形状をしています。内側半月板は関節を包む膜(関節包)や靭帯と強く付着しているため、可動性が比較的低いのが特徴です。
一方、外側半月板は付着が緩やかで、可動性が高いという違いがあります。この可動性の違いから、内側半月板の方が損傷しやすい傾向にあります。
内側半月板と外側半月板の比較
項目 | 内側半月板 | 外側半月板 |
---|---|---|
形状 | C型(大きい) | O型に近い(小さい) |
可動性 | 低い(関節包や靭帯と強く付着) | 高い(付着が緩やか) |
損傷の頻度 | 高い | 低い |
半月板が果たす重要な機能
半月板は単なるクッションではなく、膝関節の健康を維持するために複数の重要な機能を担っています。
機能1:衝撃の吸収と分散
歩いたり、走ったり、ジャンプしたりする際、膝には体重の何倍もの衝撃がかかります。
半月板は、この衝撃を吸収し、関節の特定の部分に負荷が集中しないよう分散させる役割を持ちます。この働きにより、骨の表面を覆う関節軟骨を守ります。
機能2:膝関節の安定化
大腿骨の丸い先端と、脛骨の平坦な上面は、骨の形状だけでは不安定です。
半月板がこの間に介在することで、関節の適合性が高まり、膝が前後左右にぐらつかないよう安定させる役割を果たします。
機能3:関節軟骨の保護
半月板が衝撃を分散し、関節の安定性を高めることにより、関節軟骨の摩耗を防ぎます。
もし半月板が機能しなくなると、関節軟骨に過度な負担がかかり、すり減りが早まることで、将来的に「変形性膝関節症」へと進行するリスクが高まります。
半月板損傷が起こる原因
半月板損傷は、特定の年齢層やスポーツ選手に限ったものではありません。強力な外力が加わることで起こる場合もあれば、日常生活の何気ない動作や加齢によっても発生します。
原因を理解することで、予防への意識も高まります。
スポーツ活動による外傷性損傷
若い世代に多いのが、スポーツ活動中の怪我による「外傷性損傷」です。
特に、体重がかかった状態で膝をひねる動作や、ジャンプの着地時、あるいは他者との接触(タックルなど)によって強い衝撃が膝に加わった際に発生します。
前十字靭帯(ACL)損傷など、他の膝の怪我と同時に半月板を損傷することも少なくありません。
加齢に伴う変性損傷
中高年以降では、明らかな怪我の記憶がなくても半月板損傷が起こることがあります。これを「変性損傷」と呼びます。年齢とともに半月板の柔軟性が失われ、組織がもろくなっていきます。
この状態の半月板に、日常生活での繰り返しの負担(階段の上り下り、長時間の歩行、しゃがみ込みなど)が蓄積することで、徐々に損傷が進行したり、軽微な力で断裂したりします。
損傷の原因別特徴
項目 | 外傷性損傷(若年層に多い) | 変性損傷(中高年層に多い) |
---|---|---|
主な原因 | スポーツや事故による強い外力(ひねり、衝撃) | 加齢による組織のもろさ、繰り返しの負担 |
発生の仕方 | 急激(「ブチッ」という感覚を伴うことも) | 緩徐(明らかな受傷起点がないことも) |
合併損傷 | 靭帯損傷(ACLなど)を伴うことが多い | 関節軟骨のすり減りを伴うことが多い |
日常生活でのふとした動作
特に変性が始まっている半月板では、スポーツ活動中でなくても、日常生活のふとした動作が損傷の引き金になることがあります。
重いものを持ち上げようと踏ん張った瞬間や、急に方向転換しようとした時、あるいは長時間しゃがんだ姿勢から立ち上がる時などに損傷することがあります。
損傷しやすい日常生活の動作例
- 急な方向転換や体のひねり
- 階段の急な上り下り
- 長時間しゃがんだ姿勢での作業
- 床から立ち上がる際のひねり
- 重い荷物の持ち運び
半月板損傷の主な症状
半月板を損傷すると、膝の痛みや機能障害に関連する様々な症状が現れます。
損傷の部位や大きさ、形態によって症状の出方は異なりますが、以下に示すような症状が一般的です。
膝の痛み(運動時・安静時)
最も多い症状は膝の痛みです。特に、膝を深く曲げ伸ばしした時や、ひねる動作を加えた時に、関節の隙間(関節裂隙)に一致した鋭い痛みを感じることが多いです。
損傷がひどい場合や炎症を伴う場合は、安静にしていても鈍い痛みを感じることがあります。階段の上り下りや、正座、しゃがみ込みが困難になることも特徴的です。
膝の腫れと熱感
損傷に伴い、関節内で炎症が起こると、膝全体が腫れぼったくなります。これは関節液(いわゆる「水」)が過剰に溜まる「関節水腫」と呼ばれる状態です。
腫れと同時に、膝に熱を持っているような感覚(熱感)を伴うこともあります。
引っかかり感と「ロッキング」
半月板の断裂した部分が関節の間に挟まり込むと、膝の曲げ伸ばしの際に「ゴリッ」とした引っかかり感や、何かが挟まるような感覚(キャッチング)を生じることがあります。
さらに損傷片が大きく、関節の間に完全に嵌まり込んでしまうと、膝が特定の角度から動かなくなる(伸びない、あるいは曲がらない)状態になります。
これを「ロッキング」と呼び、半月板損傷に特徴的な症状の一つです。
ロッキング症状の解説
症状名 | 状態 | 具体的な現象 |
---|---|---|
ロッキング | 断裂した半月板片が関節に挟まる | 膝が特定の角度で動かなくなる(伸びない、曲がらない) |
キャッチング | 半月板片が挟まりかける | 膝の曲げ伸ばしで引っかかる感覚 |
膝が不安定になる感覚(膝くずれ)
半月板の安定化機能が損なわれると、歩行中や方向転換時に急に膝の力が抜けるような感覚、いわゆる「膝くずれ」が起こることがあります。
これは、関節の安定性が低下しているサインであり、放置すると転倒などの二次的な怪我につながる危険性もあります。
半月板損傷の診断方法
膝の痛みの原因が半月板損傷によるものかを正確に判断するためには、専門医による詳細な診察が必要です。
問診から始まり、特徴的な身体所見、そして画像診断を組み合わせて総合的に診断します。
専門医による問診と身体所見
診断の第一歩は、患者さんの話を詳しく聞くことです。
いつから、どのような動作で痛みが出たのか、怪我のきっかけはあったか、どのような症状(痛み、腫れ、ロッキングなど)があるのかを詳細に確認します。
この情報は、外傷性損傷なのか変性損傷なのかを見極める上でも重要です。
問診で確認する主な内容
確認項目 | 質問の例 | 診断の手がかり |
---|---|---|
症状の発生時期 | 「いつから痛みますか?」 | 急性の損傷か、慢性のものか |
受傷の有無 | 「スポーツや事故で膝をひねりましたか?」 | 外傷性損傷の可能性 |
具体的な症状 | 「ロッキングや膝くずれはありますか?」 | 半月板損傷の典型的な症状の有無 |
特徴的な誘発テスト
問診に続き、医師が膝を直接触ったり動かしたりして、痛みの部位や半月板損傷の兆候を確認する「身体所見(誘発テスト)」を行います。これにはいくつかの手技があります。
マクマレー・テスト
患者さんに仰向けに寝てもらい、医師が膝を深く曲げた状態から、膝をひねりながら(内旋・外旋させながら)徐々に伸ばしていきます。
この操作で、関節の隙間に痛みやクリック音(コキッという音)が誘発される場合、半月板損傷を疑います。
アプレー圧迫テスト
患者さんにうつ伏せに寝てもらい、膝を90度に曲げた状態で、医師が足の裏から脛骨(すねの骨)を大腿骨(太ももの骨)に向かって圧迫しながら、膝を内側・外側にひねります。
この時に痛みが出れば、半月板損傷の可能性が高いと判断します。
画像診断の重要性(レントゲンとMRI)
問診や身体所見で半月板損傷が疑われた場合、画像診断でさらに詳しく状態を確認します。レントゲン(X線)検査とMRI(磁気共鳴画像)検査が主に行われます。
レントゲン検査では、半月板そのものを直接見ることはできません。
しかし、骨折の有無や、骨の変形(変形性膝関節症の兆候)を確認するために重要です。半月板損傷と似た症状を出す他の疾患を除外する目的でも行います。
半月板損傷の診断において最も有用な画像検査がMRI検査です。MRIは磁気の力を利用して体の断面を撮影する検査で、軟骨や靭帯、半月板などの軟部組織を詳細に描出できます。
半月板のどこが、どの程度、どのような形(縦断裂、横断裂、弁状断裂など)で損傷しているかを高い精度で評価することが可能です。
レントゲン検査とMRI検査の役割
検査方法 | 主な目的 | 半月板の描出 |
---|---|---|
レントゲン検査 | 骨折の有無、骨の変形の確認 | 不可 |
MRI検査 | 半月板、靭帯、軟骨など軟部組織の評価 | 可能(損傷の部位、形態、程度を詳細に評価) |
半月板損傷の治療法「保存的治療」
半月板損傷の診断がついた場合、治療方針を決定します。治療には、手術を行わない「保存的治療」と、手術を行う「手術的治療」があります。
損傷の状態や患者さんの年齢、活動レベル、症状の程度などを総合的に考慮して、最適な治療法を選択します。
保存的治療が選択される場合
損傷が比較的小さい場合、半月板の辺縁部(血流がある領域)での損傷の場合、あるいは症状が軽度でロッキングなどがない場合には、まず保存的治療を試みます。
特に、加齢による変性損傷で、膝全体の変形も伴っている場合は、保存的治療が中心となることが多いです。
安静と活動制限(RICE処置)
損傷直後や痛みが強い時期は、膝に負担をかけないことが重要です。スポーツ活動や痛みを誘発する動作(正座、しゃがみ込みなど)を一時的に中断し、膝を休ませます。
必要に応じて松葉杖を使用することもあります。急性期には、RICE処置が有効です。
RICE処置の各要素
- Rest(安静):患部を休ませる
- Icing(冷却):患部を冷やして炎症と腫れを抑える
- Compression(圧迫):弾性包帯などで適度に圧迫する
- Elevation(挙上):患部を心臓より高い位置に保つ
薬物療法(痛みと炎症の管理)
痛みが強い場合や炎症による腫れがある場合、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服薬や外用薬(湿布、塗り薬)を使用して、痛みと炎症を和らげます。
症状が強い場合には、関節内にヒアルロン酸や(まれに)ステロイドの注射を行うこともあります。
保存的治療で用いる薬の例
種類 | 形態 | 目的 |
---|---|---|
非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs) | 内服薬、外用薬(湿布・塗布剤) | 痛みと炎症を抑える |
ヒアルロン酸 | 関節内注射 | 関節の滑りを良くする、痛みを和らげる |
リハビリテーション(筋力強化と可動域訓練)
保存的治療において非常に重要なのがリハビリテーションです。
痛みが落ち着いてきたら、理学療法士の指導のもと、膝関節の柔軟性を取り戻すための可動域訓練や、膝を支える太ももの筋肉(特に大腿四頭筋)を強化する筋力トレーニングを行います。
膝周囲の筋力を高めることで、半月板への負担を減らし、関節の安定性を向上させる効果が期待できます。
半月板損傷の治療法「手術的治療」
保存的治療を一定期間行っても症状が改善しない場合や、損傷の形態が大きく日常生活やスポーツ活動への復帰が困難な場合には、手術的治療を検討します。
特にロッキング症状がある場合は、早期の手術が必要となることがあります。
手術が検討されるケース
手術を選択するかどうかは、損傷のタイプ、患者さんの年齢や活動性、症状の強さによって決まります。
保存的治療で痛みが取れない、ロッキングを繰り返す、スポーツへの本格的な復帰を強く希望する、といった場合に手術が選択されます。
手術が推奨される状態
- ロッキング症状があり、解除できない
- 保存的治療を続けても痛みや引っかかり感が改善しない
- スポーツ活動への早期復帰を希望する(特に若年者)
- 半月板が大きく断裂し、放置すると軟骨を傷めるリスクが高い
関節鏡視下手術とは
現在、半月板損傷の手術のほとんどは「関節鏡(かんせつきょう)」という内視鏡を用いて行います。
これは、膝に数ミリ程度の小さな穴(ポータル)を2〜3ヶ所開け、そこからカメラ(関節鏡)と専用の手術器具を挿入して行う低侵襲手術です。
関節鏡で関節内部をモニターに映し出しながら、損傷した半月板を処置します。傷口が小さいため、術後の痛みが少なく、回復が早いという大きな利点があります。
半月板切除術(部分切除)
損傷した半月板の断裂部分が複雑であったり、変性が強かったりして修復(縫合)が困難な場合に選択される術式です。
挟まりの原因となっている損傷部分や、不安定なささくれ立った部分のみを最小限に切除し、残った半月板の形を整えます。
引っかかり感などの症状は速やかに改善することが多いですが、半月板の機能(クッション性など)は切除した分だけ低下するため、将来的に変形性膝関節症へ進行するリスクがわずかに高まる可能性があります。
半月板縫合術(修復)
損傷の部位が半月板の辺縁部(血流が比較的豊富な領域)であり、断裂の形態が単純(縦断裂など)で、組織の状態が良い場合に選択されます。
特殊な糸や器具を用いて、断裂した半月板を縫い合わせ、組織の治癒(くっつくこと)を目指します。
半月板の機能を温存できるため、長期的な関節軟骨の保護という観点からは最も望ましい術式です。
ただし、縫合術は切除術に比べて、術後のリハビリテーションに時間がかかり、スポーツ復帰までの期間も長くなる傾向があります。
切除術と縫合術の比較
術式 | 半月板切除術(部分切除) | 半月板縫合術(修復) |
---|---|---|
目的 | 損傷部分を取り除き、症状を改善 | 損傷部分を縫合し、半月板の機能を温存 |
適応 | 修復困難な複雑な断裂、変性断裂 | 血流のある辺縁部の新鮮な断裂 |
術後リハビリ | 比較的早く進行できる | 縫合部の治癒を待つため、慎重な進行が必要 |
手術後のリハビリテーションと回復
手術的治療を選択した場合、手術そのものの成功と同じくらい、術後のリハビリテーションが重要です。
適切なリハビリテーションを行うことで、膝の機能を回復させ、再発を防ぎ、安全に日常生活やスポーツ活動へ復帰することを目指します。
回復に向けたリハビリの重要性
手術後は、一時的に膝の筋力が低下したり、関節の動く範囲(可動域)が狭くなったりします。リハビリテーションは、これらの機能を計画的に取り戻すために不可欠です。
特に半月板縫合術を行った場合は、縫合した部分が再び断裂しないよう、医師や理学療法士の指導のもと、慎重に負荷を調整しながら進める必要があります。
時期別リハビリテーションの進め方
リハビリテーションは、術後の経過時期に合わせて段階的に行います。
手術直後から初期
この時期は、手術による炎症や腫れを抑えつつ、膝が固まってしまわないように可動域訓練(最初は制限がある場合も)を開始します。
また、太ももの筋肉が痩せてしまわないよう、体重をかけない状態での筋力トレーニング(例:大腿四頭筋セッティング)も行います。
回復期
腫れや痛みが落ち着いてきたら、徐々に体重をかける訓練(部分荷重から全荷重へ)を開始します。筋力トレーニングも、より負荷の高いものへ移行していきます。
縫合術の場合は、この時期も荷重や可動域に制限が続くことがあります。
スポーツ復帰に向けて
筋力や可動域が十分に回復し、痛みもなくなってきたら、ジョギングやジャンプ、方向転換など、よりスポーツ動作に近い訓練を取り入れていきます。
競技の特性に合わせたトレーニングを行い、安全に復帰できる状態を目指します。
日常生活やスポーツへの復帰目安
回復のペースには個人差があり、また選択した術式によっても異なります。一般的な目安として参考にしてください。
手術後の回復スケジュールの目安
項目 | 半月板切除術 | 半月板縫合術 |
---|---|---|
松葉杖の使用 | 数日〜1週間程度 | 4〜6週間程度(荷重制限のため) |
日常生活復帰(デスクワークなど) | 1〜2週間 | 2〜4週間(松葉杖の期間による) |
スポーツ復帰(軽度) | 1〜2ヶ月 | 3〜4ヶ月 |
スポーツ復帰(完全) | 2〜3ヶ月 | 4〜6ヶ月以上 |
半月板損傷に関するよくある質問
最後に、膝の半月板損傷に関して、患者さんからよく寄せられる質問についてお答えします。
半月板損傷は自然に治りますか?
半月板の血流は、外側約1/3の辺縁部にしかありません。
このため、血流のある部分での小さな損傷であれば、安静や保存的治療によって症状が改善し、治癒が期待できる場合があります。
しかし、血流のない内側(2/3)での損傷や、大きな断裂は、自然に治癒することは難しいと考えられています。
ただし、症状が軽い場合は、治癒しなくても痛みなく日常生活を送れることもあります。
損傷を放置するとどうなりますか?
損傷の程度によりますが、ロッキングや引っかかり感を放置すると、断裂した半月板がさらに関節軟骨を傷つけ、すり減りを早めてしまう危険性があります。
クッション機能や安定化機能が失われた状態が続くと、将来的に変形性膝関節症への進行を早めるリスクが高まります。
症状が続く場合は、専門医に相談することが重要です。
どのようなスポーツで起こりやすいですか?
膝に「ひねり」や「ジャンプ・着地」の動作、あるいは「他者との接触」が多いスポーツで発生しやすい傾向があります。
半月板損傷が起こりやすいスポーツ
- サッカー
- バスケットボール
- ラグビー
- バレーボール
- スキー
- 柔道
予防のためにできることはありますか?
外傷性の損傷を完全に予防することは難しいですが、リスクを減らすことは可能です。
日頃から膝周りの筋力(特に大腿四頭筋やハムストリングス)を鍛え、関節の柔軟性を保つストレッチングを行うことが大切です。
また、スポーツを行う前には十分なウォーミングアップを行い、正しいフォームを習得することも怪我の予防につながります。
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