足立慶友医療コラム

今回は、「突然、肩が痛くなった」「急に肩が動きづらくなった」という症状を認める方が患っている可能性の高い、ともいわれる『肩関節周囲炎』いわゆる『四十肩・五十肩』についてお伝えしたいと思います。

今回の10秒まとめ

①五十肩のように肩関節に痛みと運動制限をもたらす疾患の総称を肩関節周囲炎といいます。

②肩関節周囲炎の症状は、肩の痛みと可動域制限です。特に、夜間痛(就寝時の痛み)を伴うことも多くあります。

③肩関節周囲炎は、肩の痛みの状態や肩の動きを見て診断をします。肩関節に起こる痛みは、様々な疾患との鑑別が必要なので、レントゲン撮影、MRI、超音波検査などで鑑別をして診断をします。

④肩関節周囲炎は、3つの病期に分けられ、状態に合わせて炎症期・拘縮期・回復期の3つの病期に分類され、症状も治療方針もそれぞれの時期で異なります。

⑤炎症期は、肩周囲の炎症が強く、肩の痛みがとても強い時期です。この時期は、とにかく肩の安静が最優先なので、無理に動かさないようにしましょう。

⑥拘縮期は、固まった肩関節の動きを少しずつ改善していく時期になります。リハビリの中で肩関節をどの程度動かしていいかを確認しながら、日常生活で無理をせず「痛みが出ない範囲」で動かしていきましょう。

⑦回復期は、肩関節に対して積極的な介入を行っていく時期になります。日常生活に支障が出ている動きを改善することを目標にして、肩関節の可動域の拡大、上肢の筋力強化等を行っていきましょう。

肩関節周囲炎とは

五十肩のように肩関節に痛みと運動制限をもたらす疾患の総称を肩関節周囲炎といいます。
五十肩と言われるように、50歳代を中心に起こりやすいです。

特にきっかけがないのにも関わらず、日常生活において肩の痛みが出たり、腕が上がらなくなる、手が後ろに回らないなどの症状が出てきます。そのような場合に、肩関節周囲炎が疑われます。

肩関節周囲炎の発症原因として、肩周囲の筋肉や腱、靭帯、関節包、滑液包などの組織が加齢などにより変性、炎症を起こすことが考えられていますが、多くは原因が不明です。

肩関節周囲炎の症状

症状は、肩の痛み可動域制限です。炎症期には、夜間痛(就寝時の痛み)を伴うことも多くあります。
日常生活において、以下のような症状があった場合に、肩関節周囲炎が疑われます。

・肩関節がかたまって手が挙がらない
・じっとしていても痛い
・夜、痛くて眠れない
・髪を結ぶことが痛くてしづらい
・洗濯物を干しづらい
・エプロンの紐を縛る時に痛くてできない
・背中のファスナーやボタンに手が届かない

肩関節周囲炎の診断

肩関節周囲炎は、肩の痛みの状態や肩の動きを見て診断をします。肩関節に起こる痛みは、関節包や滑液包などの炎症、上腕二頭筋腱長頭炎、石灰沈着性腱板炎、肩腱板断裂など様々な疾患があるため、レントゲン撮影、MRI、超音波検査などで判別をして診断をします。


肩関節周囲炎の病期と対応

 

肩関節周囲炎には、状態に合わせて炎症期拘縮期回復期の3つの病期に分類され、症状も治療方針もそれぞれの時期で異なります。

炎症期

肩周囲の炎症が強く、肩の痛みがとても強い時期です。安静時痛(じっとしていても痛い)夜間痛(就寝時の痛み)も伴います。炎症期では、どこが痛いのかわからないほど肩全体が痛い、どの方向でも痛みが強く、動かしてほしくないという訴えが聞かれます。

この時期は、とにかく肩の安静が最優先です。肩への積極的な介入、肩の無理な運動は、その後の回復に悪影響を及ぼすため、注意が必要です。仰向けや横向きで寝るときに、バスタオルや枕を使うことで肩の痛みが和らぐような姿勢を見つけることが重要です。

拘縮期

拘縮とは、関節が固まって動きづらくなることを意味しています。炎症期の強い痛みが肩の安静により少しずつ落ち着いてきた後に、肩を動かせなかった分、関節の拘縮が起きています。
この時期になると痛みの部位が少しずつはっきりとしてきます。また、全体的に痛くてどうしようもなかった炎症期から夜間痛が落ち着いてきたりと、痛みの質が変わってきます。
拘縮期は、固まった肩関節の動きを少しずつ改善していく時期になります。しかし、自分勝手に動かしてしまうと、再度炎症が出てしまうことがありますので注意が必要です。リハビリの中で肩関節をどの程度動かしていいかを確認しながら、日常生活で無理をせず「痛みが出ない範囲」で動かしていきましょう。

回復期

回復期は、炎症期、拘縮期を経て、肩関節に対して積極的な介入を行っていく時期になります。痛みの部位痛みを引き起こす場面がはっきりしてきます。また、夜間痛はほとんどなくなります。

この時期は、痛みの質も変化しており、肩を最終域まで動かしたときの伸張痛が主になります。そのため、日常生活に支障が出ている動きを改善することを目標にして、肩関節の可動域の拡大、上肢の筋力強化等を行っていきましょう。

肩の痛みの原因は肩関節周囲炎かもしれない

肩関節周囲炎は、病気によって症状、治療方針が異なります。
肩関節周囲炎の症状が少しでも自分に当てはまる方は、一度当院にご相談ください。

当院のご紹介

各部門の専門家が集まった専門外来を設置

当院は、一般的な関節の痛みや筋肉の痛みを診る整形外科の他に、「脊椎(首・腰)」、「肩関節」、「股関節」、「膝関節」、「手」、「足」とそれぞれの専門家が集まった専門外来を用意しております。

他院で診断がつかない症状に関して、各領域の専門家が診察をいたします。

整形外科のご案内

手や足が痺れる、膝や股関節は痛い、背中が曲がってきたなどの症状でお困りの方へ

都内最大級のリハビリ室を完備

患者様の健康を取り戻すため、当院ではリハビリテーションに力を入れております。

国家資格を有するセラピスト達が、責任を持って治療を行います。

リハビリテーション科のご案内

腰が痛い、姿勢が悪い、歩くとふらつくなどの症状でお困りの方へ

交通事故診療に強い整形外科専門医が診察

不幸にも交通事故に遭われた患者様の多くは、「事故のことは保険屋さんに聞けば良いが、体の不調をどこに相談すれば良いのかわからない」という悩みを抱えていらっしゃいます。

当院では交通事故診療に強い整形外科専門医が治療を行います。ぜひ一度ご相談ください。

交通事故にあわれた方へ

当院は、整形外科専門医が交通事故治療を行う医療機関です。

 

Author

高橋佳佑

理学療法士、ピラティスインストラクター

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