今回は、変形性股関節症の症状と治療方法についてお伝えしたいと思います。
目次
今回の10秒まとめ
①変形性股関節症の症状の多くは、股関節痛です。特に、歩行時に足の付け根の鼠径部痛や大腿部痛の訴えが多いです。
②左右での足の長さの差(脚長差)も特徴的な症状の一つです。
③日常生活上の問題として、股関節の動きが制限されることで、前にかがみづらくなったり、しゃがみ込むような動きができなくなります。
④変形性股関節症の治療としては、保存的治療と外科的治療があります。通常は保存的治療で経過を見ていき、症状の改善が認められなければ、外科的治療として手術療法が適応となります。
⑤保存的治療では、日常生活の習慣を見直したり、体重のコントロール、杖の使用、リハビリテーションでの筋力強化などを行うことで、股関節へかかる負担を減らし、進行を遅らせていきます。
⑥外科的治療では、人工股関節全置換術が行われます。術後翌日から、日常生活への復帰に向けてリハビリテーションを行っていきます。
変形性股関節症の症状
変形性股関節症の症状の多くは、股関節痛です。特に、歩行時に足の付け根の鼠径部痛や大腿部痛の訴えが多いです。
関節症が進行していくと、疼痛が増強し、歩く時に足がつけなくなり、また足を引きずるように歩いたりします。それに加えて左右での足の長さの差がでてきます(脚長差)。
日常生活上の問題
変形性股関節症が進行することで、股関節の動きが悪くなります。
股関節の動きが悪くなることで、以下のような日常生活動作ができなくなってきます。
・足の爪切りができない
・靴下が履きにくい
・和式トイレが使えない
・正座できない
・長時間立っていられない
・長時間連続で歩くことができない
変形性股関節症の治療
変形性股関節症の治療としては、保存的治療と外科的治療があります。
通常は保存的治療で経過を見ていき、症状の改善が認められなければ、外科的治療として手術療法が適応となります。
保存的治療
保存的治療では、変形性股関節症が進行しないために、日常生活の中での股関節の負荷を減らす生活に変えていきます。
股関節への負担を減らすために下記のような治療及び注意が必要になります。
・筋力強化および関節可動域訓練
変形性股関節症を予防する、進行を遅らせるためにも、股関節を中心とした筋力強化や関節可動域訓練はとても重要になります。
股関節の変形が進んでいくと、股関節としての機能が低下し、痛みや可動域制限、筋力低下が起こります。
痛みが出てしまうと、踏ん張れなくなったり、動かさなくなることで、さらに関節可動域が狭くなったり、筋力低下が進んでいきます。そうなると、負のサイクルが止まらなくなり、ますます股関節の負担が大きくなり、変形が進行してしまいます。それを防ぐために、筋力強化や関節可動域訓練が必要です。
お尻の筋肉や内ももの筋肉、足の付け根の筋肉を鍛えることが、股関節の負担を減らすために特に重要になります。
変形性股関節症の場合は、股関節が動きづらくなることで、膝関節や足部に負担をかけることにつながったり、反り腰や腰痛を引き起こしたりすることも多いです。
・体重コントロール
股関節は、骨盤と大腿骨のつなぎ目であり、体重の重みがかかる関節です。特に歩く時には、片足で支えなければならないため、さらに負荷が高くなります。つまり、体重が重ければ重いほど、股関節にかかる負荷が高くなります。日常生活を送っていく中で、体重が重いまま歩き続けると、変形性股関節症が進行して、痛みや可動域制限が増強していきます。体重を減らすことは、股関節への負荷を減らすことになります。なので、適正な体重管理を心がけて生活していきましょう。
・日常生活の習慣を見直す
日常生活の習慣の中で、股関節の負担のかかる習慣や動作を変えることが必要です。
以下のような習慣は、股関節に負担のかかる習慣になります。
・長距離の徒歩での移動が必要
・階段の上り下りが多い
・重いものを持ち運びする仕事
・長時間の立ち仕事
・和式のトイレしかない
上記のような習慣は、日常的に股関節へのストレスを増大させ、変形性股関節症を進行させています。そういった股関節にストレスがかかっている要因を変えていかなければ、変形性股関節症の進行を防ぐことができません。
股関節への負担を減らすために、「歩く距離を減らすこと」も手段の一つです。
「歩く距離が少ないと歩けなくなってしまう」という声もよく耳にしますが、歩き続けて関節が壊れてしまっては、元も子もありません。歩く距離を最低限に調整することも治療の一つになります。
また、仕事や家事など、変えることが難しい習慣もあります。それについては、身体の状態を説明して、職場や家族で相談して協力してもらうことも必要になります。
和式トイレや靴の脱ぎ履きで股関節を曲げるのが大変という場合は、洋式に変更したり、靴べらを使ったりして負担を減らしていきましょう。
・杖の使用
前述した通り、日常生活の中で立ったり、歩いたりすることで、股関節には体重の負荷がかかります。その負荷を減らす方法として、杖を使用します。歩く時の片脚にかかる負担を、杖を使用することで分散します。そうすることで、股関節への負荷を減らして変形性股関節症の進行を遅らせていきます。杖の使用にあたって、種類の選定や高さの調節正し、使用方法など、わからないことも多いと思いますので、専門の医療機関に聞いてみて下さい。
・筋力強化および関節可動域訓練
変形性股関節症を予防する、進行を遅らせるためにも、股関節を中心とした筋力強化や関節可動域訓練はとても重要になります。
股関節の変形が進んでいくと、股関節としての機能が低下し、痛みや可動域制限、筋力低下が起こります。
痛みが出てしまうと、踏ん張れなくなったり、動かさなくなることで、さらに関節可動域が狭くなったり、筋力低下が進んでいきます。そうなると、負のサイクルが止まらなくなり、ますます股関節の負担が大きくなり、変形が進行してしまいます。それを防ぐために、筋力強化や関節可動域訓練が必要です。
お尻の筋肉や内ももの筋肉、足の付け根の筋肉を鍛えることが、股関節の負担を減らすために特に重要になります。
変形性股関節症の場合は、股関節が動きづらくなることで、膝関節や足部に負担をかけることにつながったり、反り腰や腰痛を引き起こしたりすることも多いです。それは個人によって異なりますので、専門家に聞いてみてください。
外科的治療
変形性股関節症の進行に合わせて、手術療法が適応されます。手術方法としては、変形した股関節を人工の股関節に置き換える人工股関節置換術が行われます。
術後は、脱臼肢位に注意をしながら生活しなくてはなりません。リハビリテーションの中で生活指導を行っていき、安全に日常生活に復帰ができるようにサポートしていくことが一般的です。
しかし、当院で行う人工股関節置換術は筋肉を切らず行うため、術後翌日からベッドから離床し歩行訓練等のリハビリテーションを開始することができます。また筋肉を切らないため術後の脱臼がほとんど起こらないことも特徴として挙げられます。
手術をご検討の方は、一度当院の股関節専門外来を御受診ください。
当院のご紹介
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当院は、一般的な関節の痛みや筋肉の痛みを診る整形外科の他に、「脊椎(首・腰)」、「肩関節」、「股関節」、「膝関節」、「手」、「足」とそれぞれの専門家が集まった専門外来を用意しております。
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