全国障害者スポーツ大会 帯同報告
2022年10月28日〜11月1日の5日間に渡り、千葉県選手団のアーチェリー監督として選手のサポートを行ってきました。今回はそこに至るまでの経緯と帯同の活動内容、そして当院スポーツのサポート体制についてお伝えしたいと思います。
目次
今回の10秒まとめ
① 今回のサポートまでの経緯
② サポート活動の具体的な内容
③ 全国障害者スポーツ大会の様子
④当院のスポーツサポート体制
⑤アスリートサポートシステムのご案内
1.今回のサポートまでの経緯
◉障害者のスポーツ大会をサポートするきっかけ
自分自身が障がい者スポーツを支援するきっかけは、千葉県理学療法士協会が障がい者スポーツ大会のコンディショニングブースの運営に携わったことでした。
普段、整形外科領域でアスリートに対してリハビリテーションしながらスポーツ復帰のためにお手伝いをしているのですが、身体に障害を有する方々にもこの経験は活かせるのではないかと以前から思っていました。
そんな折に、最初にサポートさせていただいた選手は太ももの切断をされていた陸上選手でした。これまでの知識や経験を生かし指導させていただいたのですが、切断された脚に対してストレッチをどうしたら良いのか、そんな思いを抱えながらコンディショニング指導を行っていました。
その選手に対して競技直前に行うコンディショニングとして『本当に正しい良いものを提供出来たのか?』すっきりしない想いを抱えたまま送り出してしまったことを今でも覚えています。
このままではいけないなと思い、そこから障がい者スポーツ大会に何度も参加したり、障がい者スポーツの理解をより深めるために日本パラスポーツ協会(HP:日本パラスポーツ協会)公認の障がい者スポーツの指導者になるために”中級障がい者スポーツ指導員”の養成講習会に参加して4日間に渡り講義と実技の講習を受けました。
また切断された患者さんのリハビリを提供している病院にリハビリ見学しに行ったり、切断された方々によって設立された陸上チームに見学したりといろいろ学びを深めていきました。
◉協議会で理事を務めるまで
そうした活動を行う中で障がい者スポーツを取り巻く環境にも興味を持ち、大会のボランティア活動などを行っている千葉障がい者スポーツ指導者協議会(HP:https://chibapara15.jimdofree.com)のブロック会議に出席しました。千葉の西側の地区で理学療法士として障がい者スポーツを行っている方々に少しでも貢献できることがあればとの想いで参加したのですが、その熱い想いが伝わったのか理事の方々や指導員として活躍されてきた方々からの推薦もあり、西部エリアをまとめる西部ブロック長に任命されることになりました。そして千葉障がい者スポーツ指導者協議会の理事として任を務めることになりました。
◉全国障がい者スポーツ大会を参加するまで
そして理事として西部ブロックをまとめている中で千葉県障がい者スポーツ協会より、2019年の「いきいき茨城ゆめ大会」の千葉県選手団のアーチェリー競技の監督の依頼があり、選手とともに準備を進めて参りましたが、台風の影響で茨城の大会は全日程中止となってしまいました。そしてその後、2020年の1月からの日本で新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、2年連続して大会は中止を余儀なくされました。本大会は大会の中止が相次ぐ中で実に4年ぶりの全国障害者スポーツ大会で、「いちご一会とちぎ大会(HP;https://www.tochigikokutai2022.jp/taikai/)」の開催となりました。
2.サポート活動の具体的な内容
◉大会までのサポート
千葉県選手団の構成は大きく身体障害と知的障害に分かれており、総監督のもと各監督に分かれてサポートを行いました。
自身がサポートしたのは身体障害のアーチェリー競技のサポートでした。選手をサポートする側の職種は多岐に渡り、競技を行うコーチの方、特別支援学校の先生、そして自分自身のように理学療法士として働くスタッフも数名、選手団として関わっていました。
サポーターと選手は夏に千葉県スポーツ科学センターで顔合わせを行い、その後は各競技ごとに強化練習会を行い、本番の大会に向けて準備を進めていきました。自分が担当するアーチェリーは3回の強化練習会を行う中で選手の身体機能の評価を行ってコンディショニングのアドバイスをしたりアーチェリーの構えの安定性の向上のためのシューズ選びのアドバイスを行いました。
◉大会時のサポート
大会期間中は選手が最大限のパフォーマンスを発揮してもらえるようにホテルから会場の移動のサポートを行ったり、食事など生活面でのサポート、またコンディショニングとしてストレッチの提供を行いました。選手が抱える身体の悩みなども5日間、生活を共にすることで気付ける面もあり、それらを含めてアドバイス出来たのではないかと思っています。
選手自身の結果は惜しくも2位で、もう一歩の結果でしたが、選手と同年代かつ同じ障害を持つ選手との出会いは少ないようで、この大会を通して自身の障がいについて話し合える仲間との出会いがあったり、同年代の選手に負けて悔しい想いをしたことで次の目標を立てるきっかけを得られたり、世界で活躍するリオ・東京のパラリンピアンの上山選手との交流の機会もあり、選手自身そして自分自身も多くの学びを得る時間となりました。
◉千葉県選手団の結果
千葉県選手団としてはメダルの獲得数は金メダル55個、銀メダル29個、銅メダル14個となり、千葉県の成績は東京都、栃木県、大阪府に続き、全体で4位でした。
3.全国障害者スポーツ大会の様子
◉アーチェリー会場
アーチェリーはいくつかの競技種目があり、それぞれ分かれて競技が行われました。
◉閉会式会場(カンセキスタジアムとちぎ)
閉会式は各都道府県と指定都市からの参加があり、多くの選手・役員、ボランティアスタッフがいる中で取り行われました。
4.当院のスポーツサポート体制
足立慶友整形外科/慶友整形外科脊椎関節病院ではスポーツの怪我に対する手術やその後のリハビリテーションを提供しております。またスポーツ外来(HP:https://clinic.adachikeiyu.com/news/4719)も2021年12月より開始されています。
外来では野球班を設立して投球障害に対する取り組みを強化しています。さらに当院のマスコットキャラのゴリラマークでおなじみの認高喜笑助くん(みとめだかきしょうすけくん)と同じゴリラマークを持つ下町ゴリラズ(HP:https://shitamachi-gorillas.tokyo)というアメリカンフットボールのチームサポートを行っており、医師・トレーナースタッフが試合時のサポートを行っています。
また個人の活動とはなりますが、車椅子バスケットボールやバレエ、ゴルフのサポートを行うスタッフも在籍しており、今後強化していければと思っています。
5.アスリートサポートシステムのご案内
2023年の1月からはスポーツを行う中で前十字靭帯断裂や半月板損傷を患い、手術をされた方に対してスポーツ復帰に向けたリハビリテーションをより一層強化する取り組みとしてアスリートサポートシステム(仮)を導入していく予定となっています。順次、準備体制を整えています。
詳しい情報に関しては今後ホームページや公式LINEなどにて発信していければと思いますので、お待ちください。
今後の当院のスポーツ支援の取り組みにも、ぜひご期待ください。地域の方々に貢献できるよう鋭意努めて参ります。
当院のご紹介
整形外科の診療に必要な設備が整った診療所
当院は、各種専門領域を持った医師の診療に加え、大学病院と同様の医療機器を有し、かつ、理学療法士・作業療法士によりリハビリテーションも積極的におこなっている診療所です。また、併設の慶友整形外科脊椎関節病院では手術加療も行なっております。
そのため当院では、整形外科疾患におけるほぼ全ての治療を提供することができます。
当院の『7つの特徴』や『ミッション』についてご案内いたします。
各部門の専門家が集まった特殊外来を設置
当院は、一般的な関節の痛みや筋肉の痛みを診る整形外科の他に、「脊椎(首・腰)」、「肩関節」、「股関節」、「膝関節」、「手」、「足」とそれぞれの専門家が集まった専門外来を用意しております。
他院で診断がつかない症状に関して、各領域の専門家が診察をいたします。
手や足が痺れる、膝や股関節は痛い、背中が曲がってきたなどの症状でお困りの方へ。
都内最大級のリハビリ室を完備
患者様の健康を取り戻すため、当院ではリハビリテーションに力を入れております。
国家資格を有するセラピスト達が、責任を持って治療を行います。
腰が痛い、姿勢が悪い、歩くとふらつくなどの症状でお困りの方へ。
交通事故診療に強い整形外科専門医が診察
不幸にも交通事故に遭われた患者様の多くは、「事故のことは保険屋さんに聞けば良いが、体の不調をどこに相談すれば良いのかわからない」という悩みを抱えていらっしゃいます。
当院では交通事故診療に強い整形外科専門医が治療を行います。ぜひ一度ご相談ください。
当院は、整形外科専門医が交通事故治療を行う医療機関です。