足立慶友医療コラム

股関節の熱感を伴う症状と考えられる原因

2025.11.16

ふとした瞬間に、股関節のあたりが「熱い」と感じたことはありませんか?

痛みとまではいかなくても、ジンジン、ポカポカするような違和感に、「何か悪いことでも起きているのでは」と不安になるかもしれません。

股関節の熱感は、体が発している何らかのサインである可能性があります。

この記事では、股関節に熱感が生じる原因、それがどのような状態を示しているのか、そして自宅でできる初期対処法や医療機関を受診する目安について詳しく解説します。

この記事を読むことで、ご自身の症状への理解が深まり、不安が和らぐことでしょう。

股関節が熱いと感じる症状の正体

股関節周辺に「熱感」を覚える場合、それは多くの場合、その部分で何らかの炎症が起きている可能性を示しています。

人間の体は、組織が損傷したり、異常な状態になったりすると、それを修復しようとして「炎症反応」を起こします。この炎症反応の兆候の一つが、熱っぽさ、すなわち熱感です。

熱感とはどのような感覚か

熱感とは、文字通り「熱を持っている」と感じる感覚です。触ってみると実際にその部分が他の皮膚の表面よりも温かく感じられることが多いです。

しかし、中には表面的な温度は変わらないのに、股関節の奥深くがジンジンする、あるいはポカポカすると表現する人もいます。

この感覚は、血流が局所的に増加していることや、炎症を引き起こす物質が放出されていることと関連しています。

痛みや腫れも同時に起こる?

熱感は単独で現れることもありますが、炎症の他の兆候と共に現れることが一般的です。

炎症の主な兆候には、「発赤(赤くなる)」「腫脹(腫れる)」「疼痛(痛む)」「機能障害(動かしにくい)」そして「熱感」があります。

したがって、股関節が熱いと感じる時、同時にズキズキとした痛み、動かした時の痛み、股関節周辺の腫れぼったさ、または歩きにくさや動かせる範囲の制限などを感じることがあります。

これらの症状が伴う場合、より積極的に原因を探る必要があります。

熱感と痛み・腫れの関連性

症状主な原因考えられる状態
熱感のみ軽度の炎症、血流増加炎症の初期段階、筋肉疲労など
熱感 + 痛み中等度の炎症、組織の損傷関節炎、腱炎、滑液包炎など
熱感 + 痛み + 腫れ重度の炎症、感染症、関節内の水腫急速に進行する関節炎、感染症の疑い

熱感と「冷え」が混在することも

少し複雑ですが、股関節の奥は熱い感じがするのに、表面のお尻や太ももは「冷え」を感じる、というケースもあります。

これは、股関節の深い部分で炎症が起きて熱を持っている一方で、その周囲の筋肉が緊張して硬くなり、表面への血流が悪くなることで「冷え」として感じられると考えられます。

また、自律神経のバランスが崩れることによって、温度感覚に異常が生じている可能性も否定できません。

股関節の熱感を引き起こす主な炎症性の原因

股関節の熱感の多くは「炎症」が原因であると述べました。

では、具体的にどのような病気や状態が股関節に炎症を引き起こすのでしょうか。ここでは、代表的な炎症性の原因を解説します。

関節炎(変形性股関節症、関節リウマチなど)

股関節の熱感を伴う場合、まず考えられるのが関節炎です。関節炎にもいくつかの種類があります。

変形性股関節症

加齢や体重の負荷、あるいは生まれつきの骨の形状(臼蓋形成不全など)によって、股関節の軟骨がすり減り、骨が変形していく状態です。

初期は動かし始めの痛みや違和感が主ですが、進行して軟骨の摩耗が進むと、関節内で炎症が起きます。この炎症(滑膜炎)が原因で、関節液が過剰に分泌されて水が溜まったり、熱感や持続的な痛みが生じたりします。

特に、いつもより長く歩いたり、負担をかけたりした後に熱っぽさを感じやすくなります。

関節リウマチ

免疫システムの異常により、自分自身の関節を攻撃してしまう病気(自己免疫疾患)です。

股関節だけでなく、手や足の指など複数の関節が腫れ、痛み、熱感を持つことが特徴です。朝起きた時に関節がこわばる「朝のこわばり」も代表的な症状です。

股関節に症状が出た場合、強い炎症を伴うため、熱感や痛みをはっきりと感じることが多いです。

主な関節炎と熱感の特徴

疾患名主な原因熱感の特徴
変形性股関節症軟骨のすり減り、加齢、負荷負担をかけた後に熱っぽくなる。持続的ではないことが多い。
関節リウマチ免疫の異常(自己免疫)強い炎症を伴い、持続的な熱感や腫れが見られる。

滑液包炎(かつえきほうえん)

股関節の周囲には、筋肉や腱が骨とこすれる部分の摩擦を減らすための「滑液包」という袋状の組織があります。この滑液包が、繰り返しの摩擦や圧迫によって炎症を起こすのが滑液包炎です。

股関節では、特に太ももの外側(大転子)にある滑液包で炎症が起きやすいです(大転子滑液包炎)。

この場合、股関節の外側を押すと痛んだり、熱感を持ったり、痛い方を下にして横になると眠れなかったりすることがあります。

腱炎や付着部炎

股関節を動かすための筋肉の「腱」や、その腱が骨に付着する部分(付着部)で炎症が起きることもあります。スポーツ選手や、急に激しい運動を始めた人によく見られます。

例えば、股関節を曲げる筋肉(腸腰筋)の腱炎や、お尻の筋肉(中殿筋など)の付着部炎などです。炎症が起きている部分は、熱感を持ち、動かしたり押したりすると痛みます。

感染症(化膿性股関節炎)

頻度は稀ですが、非常に緊急性が高い原因として、細菌が関節内に入り込んで炎症を起こす「化膿性股関節炎」があります。

この場合、股関節の熱感や激しい痛み、腫れに加えて、高熱(38度以上)が出ることが特徴です。関節が急速に破壊されてしまうため、疑わしい場合はすぐに医療機関を受診する必要があります。

炎症以外で股関節周辺に熱を感じる要因

熱感は炎症のサインであることが多いですが、中にははっきりとした炎症ではないものの、熱いと感じるケースもあります。

神経の問題や血流、筋肉の状態が関係している可能性があります。

神経の圧迫や障害

股関節の感覚は、腰から出ている神経(腰神経)によって支配されています。

そのため、腰椎(腰の骨)で神経が圧迫される「腰椎椎間板ヘルニア」や「脊柱管狭窄症」などがあると、実際には股関節に問題がなくても、股関節やお尻、太ももに痛みやしびれ、そして熱感(異常知覚)として感じることがあります。

この場合、熱感だけでなく、電気が走るような痛みや、感覚が鈍くなるなどの症状を伴うことが多いです。

血流の問題

何らかの理由で股関節周辺の血流が一時的に悪くなり、その後に血流が再開する際に熱感として感じられることがあります。

また、非常に稀ですが、動脈や静脈の問題(血管炎など)が背景にある可能性もゼロではありません。

ただし、血流の問題が熱感の主原因となるケースは、炎症や神経性のものと比べると少ないと考えられます。

筋肉の過度な疲労

激しい運動や長時間の労働などで股関節周囲の筋肉(お尻や太ももの筋肉)を酷使すると、筋肉が微細な損傷を起こし、修復のために血流が増加します。

この状態を「筋肉が熱を持っている」と表現することがあります。これは病的な炎症とは少し異なり、いわゆる「筋肉痛」の回復過程で見られる現象に近いものです。

この場合の熱感は、通常、休息によって数日以内に改善します。

炎症以外で熱感を感じる要因

要因概要熱感以外の主な症状例
神経の圧迫(腰椎など)腰の神経が圧迫され、関連する領域(股関節)に異常感覚が出る。しびれ、電気が走る痛み、感覚鈍麻、足に力が入らない。
筋肉の過度な疲労筋肉の酷使による修復過程で、血流が増加し熱っぽく感じる。筋肉痛、だるさ、動かした時の筋肉の張り。

股関節に熱感が出やすい人の特徴と生活習慣

股関節に熱感や痛みといったトラブルが生じる背景には、日々の生活習慣や体の使い方が大きく影響していることがあります。

特定の動作や環境が、股関節への負担を増やしているかもしれません。

長時間の立ち仕事や座り仕事

意外に思われるかもしれませんが、長時間同じ姿勢を続けることは股関節にとって負担となります。立ち仕事では、体重が持続的に股関節にかかり続けます。

一方、長時間のデスクワークなどで座りっぱなしだと、股関節を曲げた状態が続くため、股関節の前側にある筋肉(腸腰筋など)が硬くなりやすく、血流も悪くなりがちです。

この状態から急に立ち上がったり動いたりすると、硬くなった組織に負担がかかり、炎症や痛みのきっかけになることがあります。

激しいスポーツや運動

ランニング、ジャンプ、急な方向転換などを伴うスポーツは、股関節に直接的な衝撃やねじれの力を加えます。

十分なウォーミングアップやクールダウンを怠ったり、自分の筋力や柔軟性以上の負荷をかけ続けたりすると、前述した腱炎や滑液包炎などを引き起こし、熱感の原因となります。

股関節に負担をかける動作の例

  • 急なダッシュやストップ
  • 繰り返しのジャンプ
  • 深くしゃがみ込む動作
  • あぐらや横座り

体重の増加と股関節への負担

股関節は、歩行時には体重の3〜4倍、階段の上り下りではそれ以上の負荷がかかると言われています。体重が増加すると、その分だけ股関節(特に軟骨)への負担は増大します。

この持続的な過剰負荷が、変形性股関節症の進行を早めたり、炎症を引き起こしやすくしたりする要因の一つとなります。

日常の姿勢や歩き方の癖

猫背、反り腰、内股、O脚・X脚、あるいは片足に重心をかけて立つ癖など、日常の無意識な姿勢や歩き方が股関節への負担を偏らせていることがあります。

例えば、反り腰の人は股関節の前側に負担が集中しやすく、骨盤が左右に傾いている人は片方の股関節に過剰なストレスがかかります。

姿勢の癖と股関節への影響

悪い姿勢の例股関節への主な影響対策のヒント
反り腰股関節の前側(付け根)が圧迫されやすい。お腹に力を入れ、骨盤を立てる意識。
猫背骨盤が後ろに倒れ、お尻の筋肉が硬くなりやすい。胸を開き、肩甲骨を寄せる意識。
片足重心片方の股関節に持続的な負荷がかかる。両足に均等に体重をかける意識。

股関節に熱い感覚を覚えた時の応急処置

股関節に熱感や痛みを感じた時、病院に行くべきか迷うかもしれません。まずは慌てずに、ご自身でできる応急処置(セルフケア)を試みることが大切です。

ただし、これらの対処は一時的なものであり、症状が続く場合は医療機関の受診を検討してください。

まずは安静にする

熱感や痛みは、体が「これ以上負担をかけないで」と発しているサインです。まずは、股関節に負担をかける動作(長時間の歩行、階段の上り下り、スポーツなど)を控えることが第一です。

可能であれば、横になったり、椅子に座って休んだりして、股関節を休ませましょう。

熱感がある場合のアイシング

熱感は炎症の兆候であるため、基本的には「冷やす」ことが推奨されます。

アイシング(冷却)には、炎症を鎮め、痛みを和らげる効果が期待できます。ただし、冷やしすぎには注意が必要です。

アイシングの基本的な方法

項目内容注意点
準備するもの氷嚢(ひょうのう)や、ビニール袋に氷と少量の水を入れたもの。凍傷を防ぐため、氷を直接肌に当てない。
方法タオルや手ぬぐいの上から、熱感や痛みがある部分に当てる。強く圧迫しすぎない。
時間と頻度1回15分から20分程度を目安に、感覚がなくなるまで冷やす。1日に数回行う。20分以上連続して冷やし続けない。

温めるべきか冷やすべきかの判断

熱感がある場合は、前述の通りアイシング(冷却)が基本です。

熱を持っている(炎症が起きている)時に温めると、血管が拡張してさらに炎症が強まり、痛みや熱感が悪化する可能性があります。

一方で、熱感はなく、慢性的な鈍い痛みやこわばりが続く場合(変形性股関節症の慢性期など)は、温める(温熱療法)方が効果的なこともあります。

温めることで血流が良くなり、筋肉の緊張がほぐれ、痛みが和らぐことが期待できます。

温める場合と冷やす場合の比較

対処法適した時期(症状)主な目的
冷やす(アイシング)急性期(熱感、腫れ、ズキズキする痛みが強い時)炎症を鎮める、痛みを緩和する。
温める(温熱)慢性期(熱感や腫れがなく、鈍い痛みやこわばりが続く時)血流を促進する、筋肉の緊張をほぐす。

市販薬(湿布や塗り薬)の使用

炎症を抑える成分(非ステロイド性抗炎症薬:NSAIDsなど)が含まれた湿布や塗り薬を使用するのも一つの方法です。これらは、局所的に炎症を抑え、痛みを和らげる助けになります。

ただし、肌が弱い人はかぶれに注意し、長期間の使用は避けましょう。

また、これらはあくまで症状を一時的に和らげるものであり、原因そのものを治すものではないことを理解しておく必要があります。

危険なサイン?すぐに医療機関を受診すべき症状

股関節の熱感の多くは、安静やセルフケアで様子を見ることができますが、中には早急に医療機関での診断と治療が必要な危険な状態が隠れていることもあります。

以下の症状が見られる場合は、様子を見ずにできるだけ早く整形外科などの専門医を受診してください。

激しい痛みや高熱を伴う場合

股関節の熱感とともに、耐え難いほどの激しい痛み、安静にしていてもズキズキと痛む場合、そして38度以上の高熱が出ている場合は、前述した「化膿性股関節炎」などの重篤な感染症が強く疑われます。

これは緊急を要する状態であり、すぐに適切な治療(抗菌薬の投与や、場合によっては手術)を開始しないと、関節が破壊され、重大な後遺症が残る可能性があります。

急に歩けなくなった場合

熱感や痛みと共に、急に足に力が入らなくなった、体重をかけることができなくなり歩けなくなった、という場合も注意が必要です。

感染症のほか、急性の関節炎、あるいは大腿骨頭(太ももの骨の股関節側の先端)への血流が途絶える「大腿骨頭壊死症」の初期、または骨折(特に高齢者の場合は軽微な転倒でも起こり得る「大腿骨頚部骨折」)などの可能性も考えられます。

すぐに受診が必要な症状

  • 38度以上の高熱
  • 安静にしていても続く激しい痛み
  • 急に体重がかけられなくなった
  • 股関節が赤く腫れ上がっている

熱感が何日も続く、または悪化する場合

激しい症状ではなくても、安静にしてアイシングなどのセルフケアを行っても、熱感や痛みが3〜4日以上続く場合、あるいは徐々に症状が強くなってきている場合も、医療機関を受診しましょう。

変形性股関節症や関節リウマチ、滑液包炎などが進行している可能性があります。早期に診断を受け、適切な対応を始めることが、症状の悪化を防ぐために重要です。

症状の経過と受診の目安

症状の経過熱感・痛みの程度推奨される対応
急激に発症激しい痛み、高熱、腫れすぐに受診(救急外来も検討)
数日〜1週間前から安静にしても改善しない、悪化傾向早めに受診
数日前から(軽度)動くと痛むが、安静で改善するセルフケアで2〜3日様子見。改善なければ受診。

医療機関ではどのような検査が行われるか

股関節の熱感や痛みで医療機関(主に整形外科)を受診すると、原因を特定するためにいくつかの検査を行います。

どのような目的で検査が行われるのかを知っておくと、安心して受診できるでしょう。

医師による問診と視診・触診

まずは医師による問診が行われます。

「いつから、どのような時に熱感や痛みを感じるか」「他にどのような症状があるか」「過去にかかった病気や、現在治療中の病気はないか」「スポーツや仕事の内容」などを詳しく伝えます。

その後、視診で股関節周辺の腫れや赤みがないか、左右の足の長さに違いがないかなどを確認します。触診では、熱感がある場所、押して痛む場所(圧痛点)を特定します。

また、医師が患者の足を動かして、股関節の可動域(どのくらい動くか)や、特定の動きで痛みが出ないかなどを調べます。

レントゲン(X線)検査

股関節の検査で最も基本となる画像検査です。主に骨の状態を調べます。

レントゲンでは、変形性股関節症に見られるような骨の変形(骨棘:こつきょく)や、関節の隙間(軟骨の厚み)が狭くなっていないか、骨折や脱臼がないかなどを確認します。

また、臼蓋形成不全のような生まれつきの骨の形状もわかります。

MRIや超音波(エコー)検査

レントゲンでは骨しか映りませんが、MRIや超音波(エコー)検査では、軟骨や筋肉、腱、滑液包といった軟部組織の状態を詳しく調べることができます。

MRI検査

磁気を使って体の断面を撮影する検査です。炎症が起きている部分(滑膜炎や滑液包炎)、関節に水が溜まっていないか(関節水腫)、腱の損傷、軟骨のすり減り具合、さらには大腿骨頭壊死症の早期発見など、レントゲンではわからない多くの情報を得ることができます。

超音波(エコー)検査

体に超音波を当てて、その反響を画像化する検査です。MRIよりも手軽に行え、リアルタイムで筋肉や腱の動きを確認しながら評価できるのが利点です。

滑液包炎や腱炎の診断、関節に水が溜まっているかどうかの確認などに有用です。

血液検査

関節リウマチや他の膠原病(自己免疫疾患)が疑われる場合には、血液検査で炎症反応(CRPや赤沈)の数値や、リウマトイド因子などの自己抗体の有無を調べます。

また、化膿性股関節炎などの感染症が疑われる場合にも、白血球数やCRPなどの炎症マーカーが非常に高くなるため、診断の助けとなります。

主な検査とその目的

検査名主な目的わかることの例
問診・触診症状の全体像の把握、原因の推定痛む場所、可動域の制限、腫れ・熱感の有無
レントゲン(X線)骨の形状、変形、骨折の有無の確認変形性股関節症の進行度、臼蓋形成不全、骨折
MRI・超音波(エコー)軟骨、筋肉、腱、滑液包などの状態の確認炎症、水腫、腱の損傷、軟骨の状態、大腿骨頭壊死症
血液検査全身性の炎症、感染症、自己免疫疾患の有無の確認炎症反応(CRP)、リウマトイド因子(関節リウマチ)

よくある質問

股関節が熱い時、お風呂で温めても良いですか?

股関節に明らかな熱感や腫れがある場合(急性期)は、炎症が悪化する可能性があるため、湯船で温めるのは避けた方が賢明です。

シャワー程度で済ませるか、入浴後にもし熱感が強まるようならアイシングをすると良いでしょう。

熱感がなく、慢性的な鈍い痛みやこわばりを感じる場合は、温めることで血行が良くなり症状が和らぐこともあります。

どの診療科を受診すれば良いですか?

股関節の熱感、痛み、違和感がある場合は、まず「整形外科」を受診することを推奨します。整形外科は骨、関節、筋肉、神経などの運動器全般を専門としています。

問診や画像検査などを通じて、原因を診断してくれます。もし関節リウマチなどが強く疑われる場合は、リウマチ科と連携して治療を進めることもあります。

熱感は自然に治りますか?

原因によります。例えば、スポーツや運動による一時的な筋肉疲労や軽い炎症であれば、安静やアイシングによって数日で自然に熱感が治まることはよくあります。

しかし、変形性股関節症や関節リウマチ、滑液包炎などが原因である場合、根本的な原因が解決しない限り、症状を繰り返したり、悪化したりする可能性があります。

熱感が続く場合は、自己判断せずに一度医療機関で原因を調べてもらうことが大切です。

ストレッチやマッサージは効果がありますか?

熱感や強い痛みがある(炎症が起きている)時に、無理にストレッチをしたり、強くマッサージしたりするのは逆効果です。炎症を助長してしまう可能性があります。

まずは安静と冷却を優先してください。

熱感が治まり、慢性的なこわばりや筋肉の張りを感じる段階になれば、股関節周辺の筋肉(お尻や太もも)をゆっくりとほぐすような軽いストレッチは、血流改善や柔軟性の維持に役立つ場合があります。

ただし、痛みを感じるほど強く行うのは避けましょう。

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Author

北城 雅照

医療法人社団円徳 理事長
医師・医学博士、経営心理士

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