足立慶友医療コラム

変形性関節症に対する新しい治療法ーPRP療法の特徴とメリットについてー

2020.09.30

膝関節

今回は、再生療法の一種であり、近年、変形性関節症の治療方法として注目を集めているPRP療法について紹介します。
当院でも受けることのできる治療であり、簡便な治療方法であるため、膝の痛みなどでお悩みの方は是非参考にしてみてください。

 

 

今回の10秒まとめ

① PRP療法とは、多血小板血漿療法のことである。

② PRP療法は手術療法ではなく、関節内に注射を行う治療法である。

③ PRP療法は痛みに対する効果に加え、様々な効果が認められている。

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PRP療法とはどのような治療法なのか?

PRP療法の正式名称は、多血小板血漿(platelet-rich plasma : PRP)療法です。

患者様ご自身の血液からPRPを作成し、これを治療に用います。

このPRP療法は再生療法の一種で、『これまで治らないと言われていた組織が治る可能性がある治療法』として現在注目を集めています。

変形性関節症の治療として注目を集めるPRP療法

その治らない組織として有名なものに関節軟骨があります。

この関節軟骨は損傷して生じる疾患として変形性関節症が挙げられます。

よってPRP療法は、変形性膝関節症に伴う膝の痛みに対する治療として、高い効果が期待されています。

変形性膝関節症の治療法として、代表的なものは全人工膝関節置換術(Total Knee Arthroplasty : TKA)があります。
全人工膝関節置換術については、こちらの記事を御覧ください。

人工膝関節置換術(TKA):当院でのリハビリテーションについて

しかし、中には手術に対して恐怖を抱いている方もいるのではないでしょうか。
更に内科的な合併症が原因で手術療法を積極的に行うことができない方には、手術療法は難しい治療法となります。

これらの悩みを解決する選択肢の1つとして、PRP療法が挙げられます。

PRP療法の特徴

PR療法の特徴としては以下のものが挙げられます。

  • 手術療法ではなく、関節内に注射を行う治療方法である
  • 自身の血液から作られるので安全に使用できる
  • 痛みを軽減させる効果が期待できる
  • 再生医療の一種である

PRP療法は、関節に注射を行うことで、痛みが強い変形性膝関節症などの患者さんについて変形性関節症に対する治療を行う治療法です。
注射での治療法であるため、手術などに比べ簡便であり、自身の血液から作られているため、感染症などのリスクも少ないことが特徴としてあげられます。

PRP療法はなぜ効果があるのか?

PRPの作用機序

PRPは血小板を多く含む血液を抽出して治療に利用するものです。

血小板には、700以上の生理活性物質があると言われており、多くの生体反応に深く関わっています。
傷口がかさぶたでふさがり、元通りに治る過程で血小板が活躍をしています。
PRP療法は、人間の体に備わっているこの自己治癒能力を応用した治療法です。
具体的には、血小板から排出される成長因子による組織修復作用や、サイトカインによる抗炎症作用などによる効果を期待できます。

実際にどのような効果があるのか?

変形性膝関節症患者に対するPRP療法の効果を検討した研究などが行われています。
研究結果によると、痛みの減弱、可動域(動かしやすさ)の改善、運動機能、日常生活動作の改善についての効果が認められています。
詳しい効果については、別の記事にて紹介させていただきます。

手術療法の代替療法として注目を集めるPRP療法

PRP療法のメリット

PRP療法の一番のメリットは、手術療法を行わない治療法である点です。
手術を行わないため、入院をする必要がありません。
そのため、普段の生活を続けながら治療を受けることができるのは、PRP療法の大きな魅力の1つです。

またご自身の血液を使用してPRPを作成するため、感染症のリスクがないこともメリットの1つとして考えれます。

PRP療法のデメリット

しかしながら、PRP療法のデメリットとして治療効果が完璧ではないことが挙げられます。

現在のところ、変形性膝関節症の除痛効果として60%〜70%の効果があるという報告が散見されます。

変形性膝関節症の満足度は一般的に90%程度と報告されているため、治療効果としては手術療法の方が確実といえます。

よって当院では、

① 手術加療を行うには若年であるため時期尚早である患者様

② 高齢である、または、重症な合併症があり手術が困難な患者様

に対してPRP療法を提案させていただいております。

手術療法との違い

入院をして手術を受ける場合のデメリットとして、

  • 活動量の低下
  • 術創部の炎症や痛み、感染
  • 手術による肉体的負担

があります。

麻酔や術後の炎症の関係上どうしても普段の生活に比べて活動量(歩行距離)などは低下してしまいまいます。
結果として、筋力の低下などが起こりやすく、入院中はリハビリが必須となります。

また、手術後初期は、手術部位の炎症や疼痛が強いため、それらの管理が必要となります。

そして、重症な合併症をお持ちの患者様にとって手術加療による身体への負担が強く、手術それ自体がリスクになることも考えられます。

このように、手術療法は、痛みの原因を根本から解決する事ができるというメリットがある一方、上記のようなデメリットもあります。

上記のような理由からも、なかなか手術療法へ踏み出せないという方もいらっしゃると思います。
当院では、今回の記事で紹介したPRP療法を受けることもできるので、膝の痛みで悩む方は、ぜひ一度ご来院ください。

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当院のご紹介

当院のご紹介

整形外科の診療に必要な『すべて』が揃った診療所

当院は、各種専門領域を持った医師の診療に加え、大学病院と同様の医療機器を有し、かつ、理学療法士・作業療法士によりリハビリテーションも積極的におこなっている診療所です。また、併設の足立慶友リハビリテーション病院では手術加療も行なっております。

そのため当院では、整形外科疾患におけるほぼ全ての治療を提供することができます。

初めての患者さまへ当院のご紹介

当院の『7つの特徴』や『ミッション』についてご案内いたします。

各部門の専門家が集まった特殊外来を設置

当院は、一般的な関節の痛みや筋肉の痛みを診る整形外科の他に、「脊椎(首・腰)」、「肩関節」、「股関節」、「膝関節」、「手」、「足」とそれぞれの専門家が集まった専門外来を用意しております。

他院で診断がつかない症状に関して、各領域の専門家が診察をいたします。

整形外科のご案内

手や足が痺れる、膝や股関節は痛い、背中が曲がってきたなどの症状でお困りの方へ。

都内最大級のリハビリ室を完備

患者様の健康を取り戻すため、当院ではリハビリテーションに力を入れております。

国家資格を有するセラピスト達が、責任を持って治療を行います。

リハビリテーション科のご案内

腰が痛い、姿勢が悪い、歩くとふらつくなどの症状でお困りの方へ。

交通事故診療に強い整形外科専門医が診察

不幸にも交通事故に遭われた患者様の多くは、「事故のことは保険屋さんに聞けば良いが、体の不調をどこに相談すれば良いのかわからない」という悩みを抱えていらっしゃいます。

当院では交通事故診療に強い整形外科専門医が治療を行います。ぜひ一度ご相談ください。

交通事故にあわれた方へ

当院は、整形外科専門医が交通事故治療を行う医療機関です。

Author

虎岩太朗

理学療法士

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