地域包括ケア病棟について-回復期リハビリテーション病棟の違い
2020年10月1月から、当院に併設された慶友整形外科脊椎関節病院にて地域包括ケア病床が12床オープンとなりました。
慶友整形外科脊椎関節病院の地域包括ケア病床の特徴は、『リハビリテーションに特化した地域包括ケア病床』です。
今回、地域包括ケア病棟(病床)についてや対象となる患者様について解説いたします。
また、似たような機能を持つ回復期リハビリテーション 病棟のと違いについても解説いたします。
目次
今回の10秒まとめ
① 地域包括ケア病棟(病床)とは、地域包括ケアシステムを支えるために新設された病棟(病床)機能です。
② 地域包括ケア病棟(病床)に入院となる患者様は、ポストアキュートやサブアキュートの状況にある患者様です。
③ ポストアキュートは患者様とは、急性期治療を終えて、自宅や施設に帰るにはもう少し治療が必要な患者様です。
⑤ サブアキュートな患者様とは、大病院での集中治療は必要ないが、自宅や施設で治療するには不安がある患者様です。
⑥ ポストアキュートの患者様を受け入れることができる病棟には、回復期リハビリテーション病棟というものもあります。
⑦ 回復期リハビリテーション病棟には特定の状態にある患者様しか入院ができません。
⑧ 地域包括ケア病棟(病床)にはどのような患者様でも入院可能です。
⑨ 地域包括ケア病棟(病床)の問題点として、適切な量のリハビリテーションが提供されない可能性があります。
⑩ 慶友整形外科脊椎関節病院の地域包括ケア病床は、『リハビリテーションに特化』しています。
地域包括ケア病棟(病床)とは?
地域包括ケア病棟(病床)とは、「急性期治療を経過した患者及び在宅において療養を行っている患者等の受け入れ並びに患者の在宅復帰支援等を行う機能を有し、地域包括ケアシステムを支える」として平成26年度診療報酬改定で新設された病棟(病床)機能です。
つまり地域包括ケア病棟(病床)とは、
『自宅や施設から急性期病院で入院加療を行い、幸い急性期治療は終了したが、そのまま自宅や施設に戻るには不安のある患者様』や『自宅や施設で体調を崩され入院治療が必要な患者様』に対して、入院加療を行いつつ、在宅復帰に向けて診療、看護、リハビリを行なうことを目的とした病棟(病床)
です。
ちなみに病棟と病床の違いですが、
病床:一つひとつの入院ベッド
病棟:病床が集まったもの
です。
地域包括ケア病棟(病床)は、病棟という括りに拘らずに、ひとつの病院の中でいくつかのベッドを地域包括ケア病床として申請することができるのが特徴のひとつでもあります。
入院対象となる患者様とは?
地域包括ケア病棟(病床)の入院対象となる患者様は以下のような方々です。
・急性期治療は終わったが、自宅への復帰のため引き続き経過観察や治療が必要な患者様
・自宅への復帰や社会復帰にむけて、リハビリテーション加療が必要な患者様
・自宅や施設で生活中に体調不良を認め、集中治療の必要はないが入院治療が必要な患者様
・レスパイト(介護をする人の事情で短期的に入院すること)が必要な患者様
つまり、『急性期治療を終えて、自宅や施設に帰るにはもう少し治療が必要なポストアキュートは患者様』や『大病院での集中治療は必要ないが、自宅や施設で治療するには不安があるサブアキュートな患者様』が地域包括ケア病棟(病床)の入院対応となる患者様です。
特にサブアキュートな患者様な患者様の例として、脊椎圧迫骨折の患者様です。
高齢の方で、持続する腰痛を認める場合はこの圧迫骨折を疑う必要があります。
圧迫骨折については下記の記事をご確認ください。
腰椎圧迫骨折:高齢者の持続する腰痛
また、自宅で治療を行っている患者様で、一時期的にご家族のサポートを得られない状況がある患者様も入院適応(=レスパイト入院)となります。
回復期リハビリテーション病棟との違い
地域包括ケア病棟(病床)と同様にサブアキュート(急性期治療を終了し、自宅や施設に帰るには追加で治療が必要な状態)の患者様に対して、自宅や施設に帰るために継続して入院治療を提供できる回復期リハビリテーション病棟というものがあります。
地域包括ケア病棟(病床)と回復期リハビリテーション病棟は上記のように目指す目的が一緒ですが、大きな違いがあります。
それは『回復期リハビリテーション病棟に入院できる患者様の状態には制限がある』ということです。
回復期リハビリテーション病棟に入院可能な患者様とは、脳血管疾患、多肢の骨折・大腿骨骨折・骨盤骨折・脊椎の骨折、人工関節置換術後、胸腹部手術などの急性期治療を終えて症状が安定した患者様に対し追加でリハビリテーションが必要な患者様です。
逆に、上記の状況に当てはまらない患者様は回復期リハビリテーション病棟に入院することができません。このような患者様で追加治療が必要な場合、地域包括ケア病棟(病床)へ入院することとなります。
つまり、地域包括ケア病棟(病床)であれば、ポストアキュートやサブアキュートの状況にある患者様であれば、どなたでも入院治療が可能です。
地域包括ケア病棟(病床)の問題点
ポストアキュートやサブアキュートの状況にある患者様が自宅や施設に帰れるように、治療やリハビリテーションを提供する地域包括ケア病床ですが、問題もあります。それは、多くの地域包括ケアでリハビリテーションの提供が1日40分程度になってしまうということです。
これは制度上の問題です。制度上は1人の患者様に対して40分以上提供することが地域包括ケアのルールとなっております。
しかし、40分以上リハビリテーションを提供することが病院経営上のメリットがありません。そのため多くの病院で40分以上のリハビリテーションが提供されていないという現実的な問題があります。
足立慶友地域包括ケア病床の特徴
慶友整形外科脊椎関節病院の地域包括ケア病床は『リハビリテーションに特化した地域包括ケア』を掲げております。
また、慶友整形外科脊椎関節病院では手術治療に積極的に取り組んでおります。この手術治療の効果を最大限に引き出すためにも、リハビリテーションが重要であると考えているからです。
そのため、必要な患者様に必要な量のリハビリテーションが提供できるように病院経営の最適化を行っております。
ポストアキュートやサブアキュートの状況にある患者様やそのご家族の方は、ぜひ一度、慶友整形外科脊椎関節病院にご連絡ください。
入院のご案内
当院のご紹介
整形外科の診療に必要な設備が整った診療所
当院は、各種専門領域を持った医師の診療に加え、大学病院と同様の医療機器を有し、かつ、理学療法士・作業療法士によりリハビリテーションも積極的におこなっている診療所です。また、併設の慶友整形外科脊椎関節病院では手術加療も行なっております。
そのため当院では、整形外科疾患におけるほぼ全ての治療を提供することができます。
当院の『7つの特徴』や『ミッション』についてご案内いたします。
各部門の専門家が集まった特殊外来を設置
当院は、一般的な関節の痛みや筋肉の痛みを診る整形外科の他に、「脊椎(首・腰)」、「肩関節」、「股関節」、「膝関節」、「手」、「足」とそれぞれの専門家が集まった専門外来を用意しております。
他院で診断がつかない症状に関して、各領域の専門家が診察をいたします。
手や足が痺れる、膝や股関節は痛い、背中が曲がってきたなどの症状でお困りの方へ。
都内最大級のリハビリ室を完備
患者様の健康を取り戻すため、当院ではリハビリテーションに力を入れております。
国家資格を有するセラピスト達が、責任を持って治療を行います。
腰が痛い、姿勢が悪い、歩くとふらつくなどの症状でお困りの方へ。
交通事故診療に強い整形外科専門医が診察
不幸にも交通事故に遭われた患者様の多くは、「事故のことは保険屋さんに聞けば良いが、体の不調をどこに相談すれば良いのかわからない」という悩みを抱えていらっしゃいます。
当院では交通事故診療に強い整形外科専門医が治療を行います。ぜひ一度ご相談ください。
当院は、整形外科専門医が交通事故治療を行う医療機関です。