足立慶友医療コラム

腰椎圧迫骨折:高齢者の持続する腰痛

2019.10.13

高齢の方や骨粗鬆症の患者様が転倒し、腰痛を認める場合は『腰椎圧迫骨折』を疑う必要があります。

今回はその腰椎圧迫骨折についてお話をします。

今回の10秒まとめ

① 高齢な方がちょっと転んだだけなのに腰痛がよくならならない場合、腰椎圧迫骨折の可能性を考える。

② 『起き上がる時に痛いが起きてしまえば疼痛が軽減する』は骨粗鬆症による圧迫骨折の特徴的な症状。

③ 受傷直後のレントゲンでは骨折がわかりにくい場合もあるため、一般的な腰痛と判断されることも多い。

④ 腰椎の変形が進んだ後では治療に苦渋し日常生活にも支障をきたす場合が多い。

⑤ 初期の治療では、腰椎が潰れないようにコルセットの着用が有効である。

⑥ ADLを低下させないために、初期から運動療法(リハビリ)を行う必要がある。

⑦ 骨折部を早期に癒合させたり、新たな腰椎の骨折を起こさないように、骨粗鬆症の治療を積極的に行う。

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軽微な転倒でも注意が必要

腰椎圧迫骨折とは、転倒などの外傷をきっかけに背骨に生じる骨折のことです。

高齢の方や骨粗鬆症の患者様は、自宅で軽微の転倒でも圧迫骨折を受傷されることがあります。ちょっと尻餅をついただけなのに1週間経っても腰痛が改善しない場合や、初めはちょっとした痛みだったのに、徐々に痛みが強くなる場合などは、腰椎圧迫骨折を疑う必要があります。また、高度の骨粗鬆症を患っている患者様では、明らかな怪我のきっかけがないのにも関わらず腰痛を認める場合、腰椎圧迫骨折が起こっている場合があるので、注意が必要です。

寝起き時に強い腰痛を感じる時は圧迫骨折を疑う

骨粗鬆症を原因として生じる圧迫骨折は、骨粗鬆症により背骨の強度が体重を支えられない程度にまで低下してしまい、自分自身の体重で背骨が潰れてしまうことで生じます。

「明らかな怪我がないにもかかわらず突然背中に痛みが生じ、寝起きに強く痛むが起きてしまえば楽」といった症状を訴える患者様多く整形外科を受診されます。起き上がれば痛みがないことや、疼痛出現初期のレントゲン写真では骨折が分かりにくことがあるため、一般的な腰痛と判断されしばしば診断が遅れてしまうことがあります。

しかし、診断が遅れてしまい椎体の変形が進んでしまうと薬物だけで治療することが非常に困難であり、日常生活にも支障をきたすようになります。

早期診断にはレントゲンではなく、MRI検査を行う必要があります。

骨粗鬆症を患っている患者様や高齢の女性の方でいつもと異なる腰の痛みが生じた場合は、必ず整形外科特に背骨の専門医のいる医療機関(当院では脊椎脊髄外科指導医という背骨のエキスパートが診察を行っております)への受診をお勧めします。

治療①:装具療法

初期の腰椎圧迫骨折の治療は、「背骨をできる限り潰さないようにする」ことです。そのため、体幹を硬いコルセットで固定する必要があります。柔らかい腰痛用のベルトで固定する施設もあるようですが、それでは椎体の変形を予防することができません。

圧迫骨折時に生じる腰痛は、骨折部が潰れたり動いたりすることが原因と考えられております。そのため、硬性コルセットを着けることで骨折部の動きが制限され痛みがかなり軽減します。

コルセットの着用は基本的に寝ている時も含め、常に着用していただきます。ただし、体格によっては褥瘡(いわゆる床ずれ)を起こしてしまう場合もありますので、患者様に合わせた対応が必要となります。

その他日常生活での注意点については、下記の記事に詳細をまとめております。

ぜひ一度お読みください。

脊椎圧迫骨折の日常生活の注意点

治療②:運動療法

硬性コルセットを着用した後には、積極的に運動療法を行い、下肢筋力訓練や歩行訓練を行います。

圧迫骨折を患う方の多くが高齢の方です。高齢の方が圧迫骨折によって腰痛を認めると、多くの方がベッドの上で寝たきりの生活をするようになってしまいます。3週間ほどすると腰痛もやや落ち着いてきますが、高齢の方が3週間もベッドの上で生活をされると全身の筋力特に下肢の筋力が衰えてしまい、起き上がることができなくなってしまいます。

そのため、早期の運動療法による下肢筋力訓練や歩行訓練は受傷後のADL維持に非常に重要な治療です。

当院では、コルセットの完成するまでの1週間はベッドの上での下肢筋力訓練を行い、完成後には積極的に歩行訓練を行うことを推奨しております。

治療③:薬物療法

装具療法や運動療法を行なった上で、骨折の原因となっている骨粗鬆症に対する治療も行う必要があります。骨粗鬆症の治療法の中には、骨折部を早期に癒合させる効果のある治療もございます。

また、既に圧迫骨折が生じている方には、次々に新たな圧迫骨折が生じることが分かっております。複数の圧迫骨折が生じると腰が曲がってしまうため歩行が困難になり、日常生活動作も行いづらくなってしまいます。新たな骨折を予防するためにも的確な骨粗鬆症対する治療が重要となります。

骨粗鬆症に対しては以下の記事もご覧ください。

骨粗鬆症の原因について:骨粗鬆症ってどんな病気なの?

骨粗鬆症の治療薬について:骨粗鬆症の薬物治療にはどんなものがあるの?

骨粗鬆症の検査について:骨粗鬆症の薬物治療にはどんなものがあるの?

腰痛が1週間以上も続く場合は、詳しい検査が必要になりますので、一度当院までご相談ください。

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当院のご紹介

整形外科の診療に必要な『すべて』が揃った診療所

当院は、各種専門領域を持った医師の診療に加え、大学病院と同様の医療機器を有し、かつ、理学療法士・作業療法士によりリハビリテーションも積極的におこなっている診療所です。また、併設の足立慶友リハビリテーション病院では手術加療も行なっております。

そのため当院では、整形外科疾患におけるほぼ全ての治療を提供することができます。

初めての患者さまへ当院のご紹介

当院の『7つの特徴』や『ミッション』についてご案内いたします。

各部門の専門家が集まった特殊外来を設置

当院は、一般的な関節の痛みや筋肉の痛みを診る整形外科の他に、「脊椎(首・腰)」、「肩関節」、「股関節」、「膝関節」、「手」、「足」とそれぞれの専門家が集まった専門外来を用意しております。

他院で診断がつかない症状に関して、各領域の専門家が診察をいたします。

整形外科のご案内

手や足が痺れる、膝や股関節は痛い、背中が曲がってきたなどの症状でお困りの方へ。

都内最大級のリハビリ室を完備

患者様の健康を取り戻すため、当院ではリハビリテーションに力を入れております。

国家資格を有するセラピスト達が、責任を持って治療を行います。

リハビリテーション科のご案内

腰が痛い、姿勢が悪い、歩くとふらつくなどの症状でお困りの方へ。

交通事故診療に強い整形外科専門医が診察

不幸にも交通事故に遭われた患者様の多くは、「事故のことは保険屋さんに聞けば良いが、体の不調をどこに相談すれば良いのかわからない」という悩みを抱えていらっしゃいます。

当院では交通事故診療に強い整形外科専門医が治療を行います。ぜひ一度ご相談ください。

交通事故にあわれた方へ

当院は、整形外科専門医が交通事故治療を行う医療機関です。

Author

北城 雅照

医療法人社団新潮会 理事長
医師・医学博士、経営心理士

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