足立慶友医療コラム

腰部脊柱管狭窄症の術後リハビリテーション【外来リハ編】

2021.01.28

腰背部



今回は、脊柱管狭窄症に対し手術を受けられた患者様の退院後のリハビリテーションについてまとめました。

特に、今後手術を検討されている患者様や手術を受ける予定のある患者様に読んで頂ければ幸いです。

今回の10秒まとめ

①当院では主に腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症に対して手術加療を行なっております。

②腰部脊柱管狭窄症に対する手術治療の長期成績(4~5年)は、患者の70~80%において良好である。

③脊柱管狭窄症術後の腰椎コルセットは、基本手術日から3か月間の着用である

④骨の癒合が遅い場合・骨粗鬆症などある場合や、退院後に腰を捻ったりなどで腰椎コルセットを3か月以降も着用するケースもあります。

⑤3カ月後からコルセットに頼らなくても生活できるように小さなステップを踏んでいきましょう。

⑥ コルセット着用下では、腰が安定した状態になりますが、その分の体幹の筋力を使わなくても腰部を安定させてくれるため、背中やお腹周りの筋力低下が生じます。

手術後退院した後は、定期的に外来リハビリを継続し、筋力の改善や歩行の安定性を高めていきましょう。

オンライン予約はこちら

当院のご紹介

腰部脊柱管狭窄症とは

腰部脊柱管狭窄症とは、脊髄の通り道を確保している脊柱に変形が生じ、その通り道が狭くなり脊髄を圧迫している状態をいいます。症状としては、腰痛や下肢痛、しびれ、筋力低下、長時間歩くことができないなどが出現します。当院では主に腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症に対して手術加療を行なっております。

(腰部脊柱管狭窄症に関しては下記の記事をご覧ください。)

腰部脊柱管狭窄症とは、原因・症状・治療法について

手術治療の治療成績

腰部脊柱管狭窄症に対する手術治療の長期成績(4年以上)は以下のようになっています。

腰部脊柱管狭窄症に対する手術治療の長期成績は、4~5年の経過では総じて患者の70~80%において良好であるが、それ以上は長期になると低下する場合もあります。

また腰部脊柱管狭窄症の術後患者は、安静時の下肢のしびれや軽度の感覚障害は残存する場合もあります。

術後のコルセットについて

脊柱管狭窄症術後の腰椎コルセットは、基本手術日から3か月間の着用になります。

コルセット着用下では、腰が安定した状態になります。しかしその分の体幹の筋力を使わくても腰部を安定させてくれるため、背中やお腹周りの筋力低下が生じます。

また骨の癒合が遅い場合・骨粗鬆症などある場合や、退院後に腰を捻ったりすると腰椎コルセットを3か月以降も着用するケースもあります。そのようなケースになると更に筋力低下が起こることも予想されます。

外来リハでお腹の筋力低下を最小限に抑え、維持できるようにセルフエクササイズを継続していきましょう。

コルセットが外れたけど痛みがある場合

定期的に診察があり、3カ月程度でドクターから腰椎コルセットを外す指示が出たとします。

上記にも記載した通り、安定性が低下している場合もありますので少し怖いかもしれません。

数日して痛みが増強した場合の対処方は以下になります。

✔ 5分、10分ずつなど徐々に外す時間を伸ばす。

✔ 特定の動作だけ外す(作業していない時は外す。家事の時には付ける)

✔ 特定の場面だけ外す(自宅時は外す。外出や歩くときは付ける)

最終的にコルセットに頼らなくても生活できるように小さなステップを踏んでいきましょう。

筋力低下しやすい筋力とは?

基本的にお腹周りの筋肉は、姿勢を維持してくれたり持久性の高い線維で構成されています。

コルセット着用機関によって腹横筋・腹斜筋・多裂筋などの筋力が低下しやすいとされています。

またトレーニングとして四つ這いが有効になりますので、自宅でも行っていきましょう。

腹横筋

胸から骨盤にかけてついている筋肉の為、腰以外の安定にも重要な筋肉になります。

コルセットの様にお腹を覆ってくれる為、腹横筋が働かないと腰痛を引き起こしやすくなります。

時間を見つけて四つ這いや座位で腹式呼吸を行いましょう。

腹斜筋群(内腹斜筋・外腹斜筋)

文字通り、斜めについているお腹の筋肉になります。

体を捻る筋肉になりますが、腰の術後は過度に捻ることが禁止されるため筋力が低下しやすいです。

筋力が低下すると、寝返りや起き上がるのが難しくなります。

多裂筋

腰痛患者の多裂筋は萎縮しやすいと言われています。

トレーニング方法として、四つ這いがあります。下記のようなポーズを取り、体幹の安定性を高めましょう。

きつい場合や腰部に痛みが出る場合は、片手だけもしくは片足だけ上げるようにしてみましょう。

※足は上げ過ぎると腰が反りやすくなるため、足は遠くに伸ばすような意識で行いましょう。

手術を行い退院した後は、定期的に外来リハビリを継続し、筋力の改善や歩行の安定性を高めていきます。

また当院には、脊椎脊髄外科指導医がおります。充分にお話を聞き、診察を行った上で、最も適切な治療法をお薦めさせて頂きます。腰痛や下肢の痺れなどでお悩みの方は、是非ご相談ください。

オンライン予約はこちら

当院のご紹介

整形外科の診療に必要な設備が整った診療所

当院は、各種専門領域を持った医師の診療に加え、大学病院と同様の医療機器を有し、かつ、理学療法士・作業療法士によりリハビリテーションも積極的におこなっている診療所です。また、併設の慶友整形外科脊椎関節病院では手術加療も行なっております。

そのため当院では、整形外科疾患におけるほぼ全ての治療を提供することができます。

初めての患者さまへ当院のご紹介

当院の『7つの特徴』や『ミッション』についてご案内いたします。

各部門の専門家が集まった特殊外来を設置

当院は、一般的な関節の痛みや筋肉の痛みを診る整形外科の他に、「脊椎(首・腰)」、「肩関節」、「股関節」、「膝関節」、「手」、「足」とそれぞれの専門家が集まった専門外来を用意しております。

他院で診断がつかない症状に関して、各領域の専門家が診察をいたします。

整形外科のご案内

手や足が痺れる、膝や股関節は痛い、背中が曲がってきたなどの症状でお困りの方へ。

都内最大級のリハビリ室を完備

患者様の健康を取り戻すため、当院ではリハビリテーションに力を入れております。

国家資格を有するセラピスト達が、責任を持って治療を行います。

リハビリテーション科のご案内

腰が痛い、姿勢が悪い、歩くとふらつくなどの症状でお困りの方へ。

交通事故診療に強い整形外科専門医が診察

不幸にも交通事故に遭われた患者様の多くは、「事故のことは保険屋さんに聞けば良いが、体の不調をどこに相談すれば良いのかわからない」という悩みを抱えていらっしゃいます。

当院では交通事故診療に強い整形外科専門医が治療を行います。ぜひ一度ご相談ください。

交通事故にあわれた方へ

当院は、整形外科専門医が交通事故治療を行う医療機関です。

Author

竹内 雄登

理学療法士・ピラティスインストラクター・住環境福祉コーディネーター

Symptoms 症状から探す

症状から探す

Latest Column 最新のコラム

第31回JOCジュニア・オリンピック・カップ・フェンシング大会兼2024年世界ジュニア・カデ・フェンシング選手権大会選考会サポート活動報告

2024.05.02

活動報告(天皇杯 第49回日本車いすバスケットボール選手権大会)

活動報告(天皇杯 第49回日本車いすバスケットボール選手権大会)

2024.05.01

埼玉県中体連柔道練成会サポート活動報告

2023.10.24

活動報告(第27回日本ペインリハビリテーション学会学術大会)

2023.10.17

中学女子バレーボール メディカルチェック・トレーニング・ストレッチ指導 サポート活動報告

2023.10.10

Ranking よく読まれているコラム

information 診療案内