足立慶友医療コラム

くるぶしから足裏のしびれ:足根管症候群とリハビリテーションについて

2021.10.01

足部

今回は、くるぶし・足裏のしびれをきたす足根管症候群についてお伝えしていきます。
(今回、日本脊髄外科学会 足根菅症候群を参考にしております。合わせてご覧ください。)

今回の10秒まとめ

足根管症候群とは、歩いてる時や立っている時に、足裏にしびれや痛みなどの神経症状が出現する疾患です。

②足根管とは、足関節の内側に存在する、神経・血管が通る道のことです。

③足根管に負担がかかり続けると、神経が圧迫され痺れなどの症状を発症します。

④足根管症候群の症状は、しびれや痛み、何かがまとわりついているような感じ(感覚障害)などの神経症状です。

④足根管症候群は、内くるぶしの下を叩くか触ると末端の違和感(ティネル徴候)が出現します。

⑤足根管症候群の治療は、薬物療法や運動療法を行っていきます。

⑥リハビリでは、運動療法やインソール処方を行い、症状の改善を図ります。

⑦保存療法で症状が改善しない場合には、手術治療も選択されます。

⑧神経症状の痛みから運動への不快感が強くリハビリテーションが難渋する場合もあります。

足根管症候群とは

「足根管症候群」って聞いたことありますか?あまり聞いたことがない人が多いと思います。

足根管症候群とは、歩いてる時や立っている時に、足の内側から足裏にかけてしびれや痛みなどの神経症状が出現する疾患です。

足根管とは、上記の図にある内くるぶし部分の狭いトンネルのことを指します。このトンネルには、神経や血管が一緒に走っていることが分かります。

足根管症候群の原因

足根管症候群の原因は、足の内くるぶしに負担がかかり続け、神経を圧迫してしまうことによるものです。

足根管には、神経・血管が一緒に走っており神経が傷みやすい構造になっています。

原因の例を挙げると、

・足の骨折をした
・捻挫などで靭帯を損傷した
・事故や怪我による炎症
・加齢による筋力低下
・足首が固くなっている

などがあげられます。足根管症候群は、上記のように発症する原因が様々なので、筋力低下や足関節運動の異常があればその異常を優先的に解決していく必要があります。

足根管症候群の症状

足根管症候群の症状は、しびれや痛み、足を着くと何かがまとわりついているような感じ(感覚障害)などの神経症状です。

症状が出現する部位としては、足の内側から足裏に多く認められますが、他の部位にもしびれが出現することもあります。前述した通り立っている時や歩行時に症状が出現します。

逆に安静にしているときは、症状がないなど体重をかけることで悪化することが特徴的です。

足根管症候群の診断

足根管症候群の診断は、痛みやしびれの部位、受傷機転を確認し、原因や症状があるかどうかを診ていきます。

内くるぶしの下を叩くかまたは触ると、末端の違和感(ティネル徴候)が出現します。

また上記の身体所見に加えて電気診断検査で結果が認められれば,足根管症候群の診断の可能性が非常に高くなります。加えて慢性的に長期間続く足裏や踵の痛みもまた,神経の圧迫が考えられます。

上記を考慮して確定診断を行っていきます。

足根管症候群の治療

保存療法では、薬物療法や運動療法を行っていきます。

足を後ろから見た時に上の図の状態だと、内側が伸ばされるようなストレスがかかり足根菅が圧迫されます。

この状態は、内側の組織が硬くなっていたり腓骨筋群という外側の筋肉の機能不全が予想されます。

また筋力低下や可動域以外の原因と治療としては、以下のように対処することが重要と考えられます。

①浮腫みによる神経圧迫:就寝時に足を高くしたり足部の運動で浮腫みの改善を図る

②骨折後の出血や組織の癒着:周囲の組織を徒手的に動かしていく

③筋肉ではなく骨の位置関係の不良:インソール

などで対応し、症状の改善を図ります。ンソールについては以下の記事を参照ください。

インソールについて

足根管症候群の治療は、保存的治療で症状が改善しない場合、手術治療も選択されます。

手術治療では、神経を圧迫している組織を取り除くことで神経の圧迫を解除し、症状の改善をはかります。

まとめ

足根管症候群は、神経症状由来痛みから運動への不快感が強くリハビリテーションが難渋する場合もあります。
また足底の痛みから歩行量や活動範囲が低下し、肥満や瘦せ気味になる症例も経験しました
上記のような神経症状がある場合には長期間放置せずに受診することを推奨いたします。
当院では、足の外科外来を解説しております。
足関節周囲の疼痛や不安定性を認める方は、一度当院までご相談ください。

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Author

竹内 雄登

理学療法士・ピラティスインストラクター・住環境福祉コーディネーター

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