足立慶友医療コラム

坐骨神経痛はどのような症状が出るのか|原因と治療法

2025.02.06

ふだんあまり意識されない神経のトラブルによって生じる痛みは、生活の質に大きく影響します。特に、腰や脚に強い痛みが出る症状として知られるのが坐骨神経痛です。

腰から下肢にかけての神経の通り道が圧迫されたり刺激を受けたりすると、さまざまな部位に強い違和感や痛みが生じます。

慢性的に痛むケースも多く、立ち上がるだけでもつらいと感じる方が少なくありません。

この記事では坐骨神経痛とは何か、代表的な原因や治療法、具体的な予防策などをまとめました。脊椎を含む背骨の健康を守るうえでも、早めの対応が大切です。

坐骨神経痛とは何か

腰から下肢にかけて走る神経が圧迫や刺激を受けると、脚やお尻に痛みやしびれを感じるケースがあります。

これを総称して「坐骨神経痛」と呼ぶことが多いです。日常生活のさまざまな場面で痛みや違和感を感じるようになるため、症状が進むと歩行や座位の維持が難しくなることもあります。

坐骨神経痛とは

腰部から大腿の後ろ側、さらに足先まで伸びる神経の総称が「坐骨神経」で、体の中でも特に太く長い神経です。

この神経が何らかのきっかけで圧迫や炎症を起こすと、腰だけでなくお尻や足にも痛みやしびれが及ぶ状態になります。

腰の神経痛と混同されることも多いですが、実際にはもう少し症状の範囲が広い特徴があります。

症状の特徴

坐骨神経痛症状は、お尻から太ももの裏、さらにふくらはぎや足先までの広い範囲で痛みやしびれを感じやすいです。

鋭い電気が走るような痛みを訴える方もいれば、鈍い重だるさを抱える方もいて、症状の出方には個人差があります。しびれと痛みが同時に起こる場合や片足だけに強く起こる場合もあります。

座っているときや長時間立っているときに症状が出やすいことも特徴の1つです。

一般的な患者の傾向

坐骨神経痛症状で悩む方は、中高年が多いイメージがありますが、腰を酷使する運動を長年行う若年者にも起こります。

重い荷物を持ち上げる仕事を続けている方や、体重が増加して腰に負担がかかりやすい方も注意が必要です。

特に脊椎から足先にかけて負担がかかりやすい姿勢や動作を繰り返すと症状が悪化する恐れがあります。

坐骨神経痛に多い生活場面と負担の一覧

生活場面腰や神経への主な負担
重い物を持ち上げる急激な負荷や無理な姿勢による神経圧迫
長時間の運転同じ姿勢の継続による腰やお尻周辺の疲労
デスクワーク前傾姿勢や座りっぱなしでの血行不良
過度な運動筋肉の疲労や炎症による神経への刺激
肥満傾向体重増加による脊椎への過剰な負担

症状が進行すると、自然治癒が期待しにくい場合もあるため、早めの対応が大切です。

坐骨神経痛症状のメカニズム

坐骨神経痛の背後には、神経そのものが刺激を受けやすい構造的なメカニズムがあります。腰部での圧迫や炎症だけでなく、筋肉の過緊張など複合的な要因が関与する場合が多く見られます。

神経痛として発症しても、その周囲にある筋肉や血流の状態によって痛みが増幅しやすくなることが特徴です。

どのように神経が刺激を受けるのか

腰椎や仙骨部分の歪みや椎間板の変性などによって神経の通り道が狭くなると、神経を圧迫しやすくなります。加えて、炎症が起こると痛みの原因物質が放出され、神経を取り囲む組織の状態が悪化します。

痛みそのものは脳で認識するものですが、神経が圧迫されることで誤作動的な痛み信号が生じると考える方が多いです。

痛みの伝わり方

腰椎や仙骨付近で刺激を受けた情報は、坐骨神経に沿って下肢まで伝わります。そのため腰より下の部位に痛みが広がる場合があります。

神経は感覚情報を脳へ伝える通り道なので、圧迫や炎症が起こった部位とは別のところに痛みやしびれが起こることも珍しくありません。

痛みを増幅させる要因の一覧

要因具体例
血流不良長時間の同一姿勢による筋緊張や血行不良
筋肉の過緊張過度な運動や姿勢不良で筋肉が硬直しやすい
ストレスや疲労自律神経の乱れや睡眠不足が痛みの知覚を敏感にする
体重増加脊椎にかかる負荷の増大
不適切なストレッチや運動無理な動作で神経や筋肉をさらに痛める可能性

炎症を抑えると同時に、血流や筋肉の状態を整えることが症状緩和のためには重要です。

筋肉との関連

坐骨神経痛は神経だけでなく、周囲の筋肉や筋膜の状態とも密接に関係します。腰やお尻、太もも裏などの筋肉が過剰に緊張すると神経に触れて痛みを誘発するケースがあります。

また、筋肉が硬くなると血流が悪くなり、神経や組織へ十分な酸素や栄養が行き渡りにくくなります。

筋肉の柔軟性が失われると神経痛を感じやすくなるため、筋膜リリースやマッサージなどで改善を図る場合があります。

主な原因とリスク要因

坐骨神経痛を引き起こす原因は1つに限定されず、複数のリスクが重なるケースが多いです。

腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症といった脊椎の疾患、あるいは無理な動作や姿勢が誘因になることもあります。

普段の生活習慣とも密接に関係しているため、原因を特定するには総合的な判断が必要です。

椎間板ヘルニアとの関係

腰椎椎間板ヘルニアは、背骨のクッションである椎間板の中身(髄核)が飛び出して神経を圧迫する状態です。

飛び出した椎間板が坐骨神経の通り道を狭めると、強い腰痛に加えて脚へ広がる痛みやしびれを誘発しやすくなります。

ヘルニアが原因の場合、レントゲンやMRIなどで明確に異常が確認できることが多いです。

脊柱管狭窄症との関係

高齢者を中心に見られやすいのが脊柱管狭窄症です。脊柱管は脊椎の中にある神経の通り道で、加齢や変形性変化によって管の幅が狭くなりやすいといわれています。

狭くなった管の中で神経が圧迫され、坐骨神経痛のような症状が下肢に出る場合があります。

腰部脊柱管狭窄症の場合、長時間歩き続けると足が痺れて歩けなくなる「間欠性跛行」を伴うことも多いです。

生活習慣や姿勢の影響

デスクワークで長時間座り続けると、腰やお尻への負担が増し、坐骨神経を圧迫しやすくなります。

また、猫背や骨盤の歪みなど、不良姿勢も神経痛を招きやすい要因です。運動不足や体重増加により、脊椎に負荷がかかる状態が続くことも悪化のきっかけになります。

原因とリスク要因の一覧

原因・リスク特徴
腰椎椎間板ヘルニア髄核の突出による神経圧迫で強い痛みを感じやすい
脊柱管狭窄症管が狭くなって下肢の神経を圧迫し、歩行困難を伴う
加齢や変性による脊椎の変化骨や椎間板が変形し、神経を刺激しやすくなる
長時間の座位や無理な姿勢血行不良や骨盤の歪みを助長し、痛みを起こしやすい
運動不足や肥満腰回りや脊椎への負荷が増大し、痛みやしびれに繋がる

複数の要因が重なって症状の増悪を招くことも多いため、日常生活の改善がポイントになります。

●以下のような点を普段から意識する方は少なくありません。

  • 腰に負担がかからない椅子や机の高さを調整する
  • 長時間同じ姿勢を続けないよう動きを入れる
  • 適度な運動を取り入れて筋力の低下を防ぐ
  • 体重を適正範囲に維持するための食生活を心がける

上記のような予防的アプローチによって、坐骨神経痛発症のリスクを下げることができます。

坐骨神経痛症状のセルフチェック方法

坐骨神経痛は、日常で感じる違和感や軽い痛みを放置すると、次第に悪化しやすい特徴があります。早期段階で自身の症状を把握し、早めに病院受診する判断をすることが大切です。

ある程度の目安を知っておくと、緊急性の有無を判断しやすくなります。

こんなときに疑う

お尻から太もも裏、ふくらはぎ、足先にかけて張りや痛みが続く場合は、坐骨神経痛を疑うサインかもしれません。特に以下のような感覚が続くときは注意が必要です。

  • 立ち上がるとき、または長く座っているときに鋭い痛みが走る
  • ウォーキング中に脚の裏側がジンジンとしびれる
  • 腰をひねったり曲げたりしたときに痛みが強まる
  • お尻に重だるさや違和感を常に抱えている

痛みが増幅してくると歩行にも支障が出るようになるため、早めのセルフチェックが重要です。

痛みの感じ方と頻度の一覧

項目具体的な状態
立ち上がり時の痛み腰やお尻から太ももにかけて電撃的な痛みを感じる
座り続けた後の違和感お尻にじわじわと重だるい痛みが継続する
歩行時のしびれふくらはぎから足先にかけてビリビリした感覚が走る
体をひねった際の急な痛み筋肉や神経が突っ張るように感じ、一時的に動けなくなる
安静時の軽いしびれ何もしなくても足先やお尻にしびれがある

こうした症状が続く場合、症状の進行を抑えるために早めの医療機関受診が望ましいです。

病院受診の目安

軽度の坐骨神経痛なら、セルフケアや運動療法で症状が改善するケースもあります。

しかし、痛みが強かったり、しびれが増してきたり、安静時でも痛みがひかない場合は専門家の診察を受ける必要があります。

激しい痛みで歩行が困難になったり、足先に力が入らなくなったりした場合は、整形外科を中心に早急な受診が望ましいです。

生活で気をつけたい点

坐骨神経痛を疑う方は、普段の動作や姿勢に少し気を配るだけでも症状の進行を抑える可能性があります。

椅子に腰掛けるときは深く座り、腰が沈み込まないように心がけると良いでしょう。また、腰回りを冷やさないよう防寒対策を行うことや、お風呂でしっかり体を温めることも有効な場合があります。

体を温めると血行が良くなり、筋肉の硬さがやわらぐ方もいます。

●腰やお尻に違和感を覚えたときの対処として多い行動例

  • 軽い体操やストレッチで血行を促進
  • 入浴で腰回りを温める
  • クッションや骨盤サポートを活用して負担を軽減
  • マッサージや指圧で硬くなった部分をほぐす

症状が軽いうちにこれらを実践することで、痛みが本格化する前にケアできるかもしれません。

診断の流れと検査方法

坐骨神経痛は症状だけでなく、その原因となる疾患や身体的特徴を把握する必要があります。

医療機関を受診すると、まず医師が患者の訴えを詳細に聞き取り、徒手検査や画像検査などを組み合わせて総合的に診断します。

正確な原因を特定できれば、より適切な治療方針を立てやすくなります。

医師の問診と視診

診察では、いつから痛みが始まったか、どのような姿勢や動作で悪化するか、痛みやしびれの範囲などを詳しく質問します。

また、患者の歩き方や体のバランス、筋力の低下などを確認する視診も行います。これによって、おおよその原因疾患の見当をつける方が多いです。

問診でよく尋ねる内容一覧

質問目的
痛みやしびれの始まった時期急性的な発症か、慢性的に進行したのかを見極める
痛みを感じる部位神経のどの部分が圧迫・刺激されているかを推測する
増悪・軽減する姿勢や動作日常動作のどこに問題があるか、運動療法の方向性を探る
過去の腰痛や怪我の有無既往症や手術歴など、坐骨神経痛の引き金となる要因を把握する
生活習慣や仕事の内容デスクワークや重労働など、痛みの根本原因を探る

問診時に痛みの程度や種類を的確に伝えることが診断の精度を高めるコツです。

画像検査の種類

坐骨神経痛の診断にはレントゲンやMRI、CTなどの画像検査を活用する場合があります。

レントゲンは骨の変形を把握するのに役立ち、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の程度を推測しやすくなります。

MRIは軟部組織や神経根の周囲の状態を詳細に見ることが可能なので、神経の圧迫部位を明確にしたいときに有効です。

CTは骨の断面画像を確認できるため、骨の形状に起因する問題を調べる際に選択することがあります。

神経学的検査について

医師や理学療法士が行う徒手検査の中には、筋力や感覚の異常を確認する方法があります。

例えばSLRテスト(Straight Leg Raise Test)は仰向けに寝た状態で片脚を上げ、どの角度で痛みやしびれが出るかを見るテストです。

筋力が低下していたり、感覚が鈍くなっている部分がある場合は神経が圧迫されている可能性が高まります。

●診断時に行う検査の例

  • SLRテスト
  • ブラガードテスト
  • 反射の検査(アキレス腱反射など)
  • 触覚や痛覚の分布確認

検査で得られた結果を総合し、坐骨神経痛の原因疾患や重症度を見極めます。

治療法の種類

坐骨神経痛の治療法は、原因や症状の程度によって異なります。腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、診断結果を踏まえて最適な方法を探っていくことが重要です。

大まかには保存療法と手術療法に分けられ、さらにリハビリテーションを組み合わせる場合があります。

保存療法

痛みや炎症を抑える薬物療法、筋肉のこりや緊張をやわらげる理学療法、コルセットの使用、神経ブロック注射などが該当します。

手術を行わずにできる範囲のアプローチで、症状をコントロールしやすくします。初期段階であれば保存療法だけで痛みが改善する例も珍しくありません。

日常生活の動作指導や運動療法も大きな役割を果たします。

保存療法の主な方法一覧

方法特徴
薬物療法消炎鎮痛薬、筋弛緩薬で痛みや筋緊張を抑える
理学療法物理療法(温熱療法、電気療法など)で血行を良くし回復を促す
コルセット腰や骨盤を支えて負担を軽減する
神経ブロック注射神経周囲に局所麻酔薬を注入し、痛みの伝達を一時的に遮断する
生活指導・運動療法姿勢や動作の修正、適度な運動で再発防止と回復を図る

保存療法の多くは継続的なケアが必要です。症状の強さや頻度を見ながら、医師や理学療法士と相談して進めると良いでしょう。

手術療法

保存療法では症状が改善しない場合や、重度の脊椎疾患が原因で神経の圧迫が著しい場合に手術を選択することがあります。

手術では圧迫の原因となっている椎間板や骨の一部を切除したり、脊椎を安定させるための固定術を行ったりします。

大きな負担を伴う可能性があるため、患者の症状や希望を慎重に検討したうえで決定することが多いです。

リハビリテーション

手術の有無にかかわらず、リハビリテーションは坐骨神経痛症状の回復を助けるうえで重要です。

理学療法士の指導のもと、筋力強化や柔軟性向上を目的とした運動を実施します。バランスよく筋肉を使うことで、再び神経が圧迫されないように体幹をサポートできます。

術後のリハビリの場合、痛みの度合いや傷口の状態を見ながら無理のない範囲で進めることが大切です。

日常生活での対策と予防

坐骨神経痛は、普段の姿勢や生活習慣を少し見直すだけでも悪化を防ぐ可能性があります。

腰椎や脊椎周辺に負担をかけにくい工夫や、筋肉を柔軟に保つ習慣を身につけることによって、日常生活の質を向上させることができます。

普段の姿勢のチェック

姿勢が悪いと、脊椎や腰回りの筋肉に余計な負担がかかります。立っているときは頭からかかとまでが一直線になるよう意識すると良いでしょう。

座るときは浅く腰掛けず、背もたれにしっかりもたれるとともに、骨盤が立った状態を保つと腰への負担が軽減します。

PC作業などで画面をのぞき込む場合は、モニターの高さを調整して前かがみにならないようにすることが多いです。

姿勢改善のポイント一覧

項目具体的な改善方法
立位姿勢耳・肩・腰・膝・足首が一直線になるよう意識する
座位姿勢骨盤を立て、腰にクッションを入れて背すじをサポートする
デスク環境モニターを目線の高さに合わせ、肘を支えるアームレストを使う
歩行フォームかかとから足を接地し、推進力を生むイメージでスムーズに歩く

日常的に姿勢を見直す習慣をつけると、腰やお尻への負担を減らすことができます。

運動やストレッチ

ウォーキングや軽いジョギングなど、腰に過度な負担をかけない有酸素運動が勧められる場合があります。

体幹や下肢の筋力を強化すれば、坐骨神経痛症状の悪化を食い止める可能性が高まります。ストレッチでは太ももの裏やお尻の筋肉をやわらかく保つことを意識すると良いでしょう。

筋肉の緊張がやわらぐと神経への圧迫が減りやすくなります。

●多くの方が取り入れている運動例

  • ウォーキング:30分程度の散歩を日課にする
  • 軽いスクワット:太もも裏とお尻の筋力を強化
  • お尻のストレッチ:仰向けになって片膝を胸に引き寄せる動作
  • ヨガやピラティス:体幹を安定させるエクササイズ

筋力と柔軟性をバランスよく養うことで、神経痛の緩和や再発予防に役立ちます。

症状が悪化しやすいケース

長時間の同じ姿勢や急に重い物を持ち上げる動作などは、痛みを悪化させやすいです。また、不適切な寝具を使っている場合も、朝起きたときに腰やお尻に痛みを感じる方が多いです。

枕の高さやマットレスの硬さが合っていないと、脊椎が無理に曲がる姿勢で寝ることになり、神経圧迫が進む恐れがあります。

病院における治療とリハビリの流れ

坐骨神経痛が進んでしまった場合は、整形外科などの専門的な医療機関で診察を受けることが大切です。

原因特定から治療方針の決定、リハビリテーションまで、一連のプロセスを把握しておくと安心です。

診察から治療計画まで

医師の問診と視診、さらに画像検査や神経学的検査などの結果を踏まえて、原因となっている部位や疾患を特定します。

患者の生活習慣や職業なども考慮し、保存療法や手術療法の適用を決めます。保存療法で様子を見る場合は、投薬や理学療法、コルセットの使用、生活習慣の改善指導などを行う場合が多いです。

リハビリテーションのポイント

リハビリテーションは、理学療法士や作業療法士とともに行う運動療法が中心になります。筋力や柔軟性を高めつつ、日常動作で痛みを起こしにくいフォームを身につけることを重視します。

腰回りの安定性を強化することで、神経圧迫のリスクを軽減できます。

リハビリテーションで意識する要素一覧

要素具体的な取り組み
筋力強化体幹トレーニングで腰周辺を支える筋肉を活性化
柔軟性向上ストレッチや筋膜リリースで硬い筋肉をほぐす
バランストレーニング転倒防止と体幹の安定性向上
正しい動作学習腰への負担を減らす姿勢や歩き方を習得
日常生活指導仕事環境や家庭内での作業方法を個別に調整

定期的な通院で身体の状態を確認しながら少しずつ運動量を増やす方が多いです。

メンテナンスと再発予防

症状が改善しても、再発を防ぐためにメンテナンスを続ける必要があります。理学療法士の指導をもとに続けられる運動やストレッチを自宅でも継続すると良いでしょう。

痛みが再び強くなる兆候があれば、早めに主治医に相談することで大きな悪化を防げる可能性が高いです。

●メンテナンスで実施することの例

  • 週に数回のストレッチ習慣
  • 軽度の筋トレや有酸素運動
  • 適度にウォーキングコースを変えるなどの工夫
  • 痛みを感じたら体を休ませ、医師に相談

同じような動作で痛みが再発するパターンもあるため、原因を再度見直して対策を取り続けることが大切です。

クリニックでのサポート体制

当クリニックでは、整形外科医を中心に理学療法士や看護師が連携し、患者一人ひとりに合った治療やリハビリ計画を提案します。

薬物療法や注射治療に加えて、生活習慣の改善指導や運動療法プログラムなど、多角的な視点から痛みの根本原因にアプローチします。

脊椎に負担をかけにくい動作指導や、回復後の再発予防策のアドバイスにも力を入れています。

以上

参考文献

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Author

北城 雅照

医療法人社団円徳 理事長
医師・医学博士、経営心理士

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