足立慶友医療コラム

膝に力が入らない症状が出たときの原因と対処法

2025.05.07

歩いているときや立ち上がろうとした瞬間に、突然膝がガクンとなり、力が抜けるような感覚に襲われた経験はありませんか。

この「膝に力が入らない」症状は、日常生活に支障をきたすだけでなく、転倒のリスクも高めます。原因は加齢によるものから、怪我や病気までさまざまです。

この記事では、膝に力が入らないと感じる原因を詳しく解説し、ご自身でできる初期対応や整形外科での診断・治療、そして日常生活での予防策について分かりやすく説明します。

膝に力が入らないとは? その感覚と主な原因

膝に力が入らないという症状は、多くの人が経験する可能性のある問題です。具体的にどのような感覚なのか、そしてその背景にはどのような原因が潜んでいるのでしょうか。

突然ガクンと力が抜ける感覚

この症状の最も典型的な現れ方の一つが、予期せぬ瞬間に膝の支持力が失われ、ガクンと折れ曲がるような感覚です。

歩行中や階段の上り下り、椅子から立ち上がる際などに起こりやすく、一瞬ヒヤッとすることがあります。これは「膝折れ」とも呼ばれ、不安定感の強い兆候です。

立ち上がりや歩行時の不安定感

力が完全に抜けるほどではなくても、膝がぐらつく、頼りない感じがするといった不安定感を覚えることもあります。

体重をかけたときに膝がしっかりと支えてくれないような感覚で、歩行速度が落ちたり、手すりを使わないと不安になったりします。

膝が抜けるような感覚の正体

「膝が抜ける」「膝が笑う」といった表現も使われます。

これは、膝関節を安定させるための構造(靭帯、半月板、筋肉など)に何らかの問題が生じ、関節が正常な範囲を超えて動きすぎたり、逆に動きが悪くなったりすることで起こります。

筋肉が一時的にうまく機能しない状態とも言えます。

考えられる主な原因の概要

膝に力が入らない原因は多岐にわたります。関節自体の問題(変形性膝関節症、半月板損傷、靭帯損傷など)、膝周りの筋肉の衰え、神経系のトラブルなどが考えられます。

原因によって対処法も異なるため、まずは原因を特定することが重要です。

膝の不安定感に関連する主な構造

構造主な役割問題が生じた場合の影響
靭帯骨と骨をつなぎ、関節の動きを制御関節のぐらつき、不安定感
半月板衝撃吸収、関節の適合性を高める引っかかり感、痛み、不安定感
筋肉(大腿四頭筋など)膝の曲げ伸ばし、関節の安定化筋力低下による支持力不足、膝折れ

膝に力が入らない症状を引き起こす主な病気や怪我

膝の力が抜ける感覚は、特定の病気や怪我が原因で起こることが少なくありません。代表的なものをいくつか紹介します。

変形性膝関節症

加齢や体重の負荷などにより、膝関節の軟骨がすり減り、骨の変形や炎症が起こる病気です。進行すると、痛みだけでなく、関節の動きが悪くなったり、水が溜まったりします。

軟骨のすり減りや骨の変形が関節の不安定性を招き、膝に力が入りにくくなることがあります。

半月板損傷

膝関節の中にあるC型をした軟骨組織「半月板」が、スポーツや事故などの外傷、あるいは加齢によって損傷する状態です。

半月板はクッションの役割を果たしているため、損傷すると膝の痛み、引っかかり感、そして不安定感が生じ、力が抜ける感覚につながることがあります。

半月板損傷の主な症状

症状特徴力が抜ける感覚との関連
痛み膝を曲げ伸ばしした時や体重をかけた時痛みを避ける動作が不安定感につながる
引っかかり感膝がスムーズに動かない感覚関節の不安定性を助長
腫れ・水腫関節内に炎症が起き、水が溜まる関節の動きを妨げ、不安定に

靭帯損傷(前十字靭帯、後十字靭帯など)

スポーツ活動中のジャンプ着地時のひねりや、交通事故などで膝に強い力が加わることで、膝関節を支える靭帯が伸びたり切れたりする怪我です。

特に前十字靭帯損傷では、急な方向転換やストップ動作で「膝が抜けた」と感じることが多く、強い不安定感と痛み、腫れを伴います。靭帯が緩むことで関節が不安定になり、力が入らない感覚が生じます。

膝蓋骨不安定症(膝のお皿の問題)

膝のお皿(膝蓋骨)が正常な位置からずれやすくなっている状態です。先天的な骨の形や靭帯の緩さ、あるいは打撲などが原因となります。

膝の曲げ伸ばしの際に膝蓋骨が外れかかったり(亜脱臼)、完全に外れたり(脱臼)すると、激しい痛みとともに膝がガクッと崩れることがあります。

脱臼癖があると、日常的な動作でも力が抜ける感覚を繰り返し経験することがあります。

筋肉の衰えや神経の問題も原因に

膝関節自体の構造的な問題だけでなく、それを支える筋肉や、筋肉をコントロールする神経系の問題も、膝に力が入らない原因となりえます。

太ももの筋肉(大腿四頭筋)の筋力低下

太ももの前側にある大腿四頭筋は、膝を伸ばす働きと、体重がかかったときに膝折れを防ぐ重要な役割を担っています。

この筋肉が衰えると、膝をしっかり支えきれなくなり、立ち上がりや歩行時に力が抜けるような感覚が生じやすくなります。

特に、膝の痛みなどで長期間動かさなかった後に筋力低下が顕著になることがあります。

大腿四頭筋の役割

主な働き筋力低下の影響力が抜ける感覚との関連
膝を伸ばす立ち上がりや歩行が困難に踏ん張りが効かない
膝関節の安定化膝折れしやすくなる突然ガクンと力が抜ける
衝撃吸収膝への負担が増加痛みを誘発し、不安定に

神経系の問題による影響

腰部の脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなど、腰の神経が圧迫される病気があると、足へ向かう神経の伝達がうまくいかなくなり、太ももやふくらはぎの筋力低下、しびれなどが生じることがあります。

これが原因で膝に力が入りにくくなるケースも見られます。また、稀ですが、脳血管障害(脳梗塞など)の後遺症として麻痺が生じ、患側の膝に力が入らないこともあります。

加齢に伴う変化

年齢を重ねると、誰でも筋力は徐々に低下していきます。特に下肢の筋力低下は、歩行能力やバランス能力に影響を与え、膝の不安定感や力が抜ける感覚につながりやすくなります。

また、関節軟骨の摩耗や靭帯の柔軟性低下なども、加齢に伴い起こりやすい変化です。

運動不足が招く筋力低下

日頃から体を動かす習慣がないと、年齢に関わらず筋力は低下します。

特にデスクワーク中心の生活や、外出機会の減少は、下肢の筋肉を使わない時間を増やし、膝を支える力を弱めてしまいます。意識的に運動を取り入れることが、筋力維持には大切です。

膝に力が入らないと感じたときの初期対応

突然、膝に力が入らなくなったら、慌てずに適切な初期対応を行うことが、症状の悪化を防ぎ、回復を早めるために重要です。

まずは安静にする

痛みや不安定感を感じたら、無理に動かしたり、体重をかけ続けたりするのは避けましょう。可能であれば、椅子に座る、横になるなどして、膝への負担を減らすことが第一です。

特に、膝折れを起こした直後は、転倒による二次的な怪我を防ぐためにも、安全な場所で安静を保ちましょう。

RICE処置(安静・冷却・圧迫・挙上)の基本

怪我(靭帯損傷や半月板損傷など)が疑われる場合や、膝に熱感や腫れがある場合には、応急処置としてRICE処置が有効です。

RICE処置の要素

  • Rest(安静):患部を動かさない
  • Ice(冷却):氷嚢などで15~20分冷やす(冷やしすぎに注意)
  • Compression(圧迫):弾性包帯などで軽く圧迫する
  • Elevation(挙上):患部を心臓より高く保つ

これにより、内出血や腫れ、痛みを抑制する効果が期待できます。ただし、自己判断せず、医療機関の指示に従うことが大切です。

RICE処置のポイント

要素目的注意点
安静 (Rest)損傷の拡大防止無理に動かさない
冷却 (Ice)炎症・腫脹・痛みの軽減凍傷に注意、直接当てない
圧迫 (Compression)腫脹の抑制強く巻きすぎない(血行障害注意)
挙上 (Elevation)腫脹の軽減心臓より高く保つ

痛みが強い場合や腫れがある場合の注意点

強い痛みや明らかな腫れ、熱感、膝が動かせない(ロッキング)、見た目に関節が変形しているなどの症状がある場合は、骨折や靭帯の完全断裂、半月板の大きな損傷などが考えられます。

このような場合は、自己判断でマッサージをしたり、無理に動かしたりせず、速やかに整形外科を受診する必要があります。

いつ医療機関を受診すべきか

以下のような場合は、早めに整形外科を受診することを推奨します。

受診を推奨するケース

  • 初めて膝に力が入らない症状が出た場合
  • 症状が頻繁に起こる、または悪化している場合
  • 強い痛みや腫れ、熱感を伴う場合
  • 膝が完全に伸ばせない、曲げられない場合
  • 転倒してしまった、または転倒しそうになることが増えた場合

原因を正確に診断し、適切な治療を開始することが、症状の改善と再発防止につながります。

整形外科での診断の流れ

整形外科を受診すると、医師は問診、視診、触診、そして必要に応じて画像検査などを行い、膝に力が入らない原因を突き止めます。

問診で伝えるべきこと

診断において、患者さんからの情報は非常に重要です。以下の点をできるだけ詳しく医師に伝えましょう。

問診で伝えるべき情報

  • いつから症状があるか
  • どのような時に力が抜けるか(歩行時、階段、立ち上がりなど)
  • 力が抜ける感覚以外の症状(痛み、腫れ、引っかかり感、しびれなど)
  • 症状のきっかけ(怪我、特定の動作など)
  • これまでの病歴や怪我の経験
  • 現在行っているスポーツや仕事内容

視診と触診

医師は膝の状態を目で見て確認します(視診)。腫れや赤み、変形の有無、歩き方などを観察します。

次に、膝に直接触れて、圧痛(押すと痛む場所)、関節の緩み(不安定性)、可動域(どれくらい曲げ伸ばしできるか)、水が溜まっていないかなどを調べます(触診)。

視診・触診でのチェックポイント

項目確認内容力が抜ける原因との関連
腫脹・熱感炎症の有無関節炎、靭帯損傷、半月板損傷など
圧痛点痛みの部位の特定損傷部位の推定(靭帯、半月板など)
関節不安定性靭帯の緩み靭帯損傷、筋力低下
可動域制限関節の動きの悪さ変形性膝関節症、半月板損傷(ロッキング)

レントゲン(X線)検査

骨の状態を確認するための基本的な画像検査です。骨折の有無、骨の変形(変形性膝関節症)、関節の隙間の狭さなどを評価します。

レントゲン検査は、多くの整形外科クリニックで迅速に行うことができます。

MRI検査や超音波検査が必要な場合

レントゲン検査では骨以外の組織(軟骨、半月板、靭帯、筋肉など)の状態を詳しく見ることはできません。

これらの組織の損傷が疑われる場合、MRI検査や超音波(エコー)検査が追加で行われることがあります。

MRI検査は、靭帯断裂や半月板損傷の診断に非常に有用です。超音波検査は、関節に水が溜まっているか(水腫)や、一部の靭帯・腱の状態を手軽に評価できます。

膝に力が入らない症状への治療法

診断結果に基づき、原因に応じた治療を行います。治療法は、症状の程度や原因、患者さんの年齢や活動レベルなどを考慮して選択します。

保存療法(薬物療法、物理療法、装具療法)

手術以外の方法で症状の改善を目指す治療法です。 薬物療法では、痛みや炎症を抑えるために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の飲み薬や貼り薬、塗り薬などを使用します。

物理療法では、温熱療法(患部を温める)、電気刺激療法、低周波療法などを行い、痛みの緩和や血行改善を図ります。

装具療法では、膝関節を安定させるためのサポーターや、足底板(インソール)を使用して膝への負担を軽減します。

主な保存療法の種類

治療法主な目的対象となりやすい状態
薬物療法消炎、鎮痛変形性膝関節症、関節炎
物理療法疼痛緩和、血行促進慢性的な痛み、筋肉のこわばり
装具療法関節安定化、負担軽減靭帯損傷、変形性膝関節症、膝蓋骨不安定症

運動療法・リハビリテーションの重要性

膝に力が入らない症状の改善と再発予防において、運動療法は非常に重要です。

特に、膝を支える太ももの筋肉(大腿四頭筋)や、お尻の筋肉(殿筋群)を強化するトレーニングが中心となります。理学療法士などの専門家の指導のもと、個々の状態に合わせたプログラムを行うことが効果的です。

筋力強化だけでなく、関節の柔軟性を高めるストレッチや、バランス能力を向上させる訓練も行います。

注射療法(ヒアルロン酸、ステロイドなど)

関節内に薬剤を直接注射する治療法です。ヒアルロン酸注射は、関節の潤滑油のような役割を果たし、軟骨を保護し、痛みを和らげる効果が期待できます。主に変形性膝関節症に対して行います。

ステロイド注射は、強い抗炎症作用があり、関節の痛みや腫れを速やかに抑える効果がありますが、頻繁な使用は軟骨や腱に悪影響を与える可能性もあるため、医師の判断のもと慎重に行います。

手術療法が必要となるケース

保存療法で十分な効果が得られない場合や、靭帯の完全断裂、半月板の大きな損傷、重度の変形性膝関節症など、構造的な問題が大きい場合には、手術が検討されることがあります。

手術には、損傷した組織を修復・再建する関節鏡視下手術(内視鏡手術)や、関節を人工のものに置き換える人工膝関節置換術などがあります。

どの手術が適しているかは、病状や年齢、活動レベルによって異なります。

日常生活でできるセルフケアと予防策

治療と並行して、日常生活の中で膝への負担を減らし、筋力を維持する工夫を取り入れることが、症状の改善と再発防止につながります。

膝に負担をかけない生活習慣

日常生活のちょっとした動作が、膝への負担を蓄積させていることがあります。

例えば、正座やあぐら、横座り、深くしゃがみ込む動作は、膝関節に大きな負担をかけるため、できるだけ避けるようにしましょう。

椅子やベッドを使用する洋式の生活スタイルが推奨されます。また、階段の上り下りでは手すりを利用する、重い荷物を持つ際は膝を曲げて腰を落とすなど、動作を工夫することも大切です。

膝への負担が大きい動作例

動作負担がかかる理由代替案・工夫
正座・あぐら膝を深く曲げ、関節に圧力がかかる椅子に座る
しゃがみ込み体重が膝に集中する膝をつく、低い椅子を使う
急な方向転換膝にねじれの力が加わるゆっくり向きを変える

自宅でできる簡単な筋力トレーニング

膝周りの筋力を維持・向上させることは、膝の安定性を高め、力が抜ける感覚を防ぐために重要です。特別な器具を使わずに自宅でできる簡単なトレーニングを継続しましょう。

代表的なものに、仰向けで寝て膝を伸ばしたまま脚を上げる運動(SLR)や、椅子に座って膝を伸ばす運動などがあります。ただし、痛みがある場合は無理せず、医師や理学療法士に相談してから行いましょう。

体重管理の重要性

体重が増加すると、膝関節にかかる負担も増大します。歩行時には体重の約3~5倍、階段昇降時には約7~8倍の負荷が膝にかかると言われています。

適正体重を維持することは、変形性膝関節症の進行予防や、膝の痛み・不安定感の軽減につながる重要な要素です。バランスの取れた食事と適度な運動を心がけ、体重コントロールに取り組みましょう。

靴選びとインソールの活用

足元からの衝撃は膝にも伝わります。クッション性の高い靴や、かかとが安定する靴を選ぶことで、膝への衝撃を和らげることができます。

また、O脚やX脚、扁平足など、足のアライメント(配列)に問題がある場合は、足底板(インソール)を使用することで、膝への負担を軽減し、歩行時の安定性を高める効果が期待できます。

インソールは市販のものもありますが、個々の足に合わせて作成するオーダーメイドの方がより効果的な場合があります。

靴選びのポイント

  • 十分なクッション性があるか
  • かかと部分がしっかりしているか
  • つま先に適度な余裕があるか
  • 靴底が適度に曲がるか

よくある質問 (FAQ)

膝に力が入らない症状に関して、患者さんからよく寄せられる質問にお答えします。

膝の水を抜くと癖になりますか?

膝に水が溜まる(関節水腫)のは、関節内で炎症が起きているサインです。水を抜く処置(関節穿刺)は、一時的に痛みや腫れを和らげますが、根本的な原因である炎症が治まらない限り、水は再び溜まる可能性があります。

「癖になる」というよりは、水が溜まる原因が解決していないために繰り返す、と考えるのが適切です。原因に対する治療(薬物療法、リハビリ、生活習慣の改善など)を並行して行うことが重要です。

サポーターは着けた方が良いですか?

膝用サポーターは、膝関節の保温、圧迫による安定感の向上、動きの補助などの効果が期待できます。特に、膝に不安定感がある場合や、スポーツをする際には有用な場合があります。

ただし、サポーターに頼りすぎると、自身の筋力が低下してしまう可能性も指摘されています。長期間使用する場合は、筋力トレーニングも併せて行うことが大切です。

どのようなタイプのサポーターが適しているか、いつ使用すべきかについては、医師や理学療法士に相談しましょう。

サポーターの主な種類と目的

種類主な目的適した場面例
保温タイプ血行促進、冷え防止慢性的な痛み、冷えやすい方
圧迫タイプ安定感向上、腫れ軽減軽い不安定感、運動時
支柱付きタイプ関節の固定・安定化靭帯損傷後、強い不安定感

温めるのと冷やすのはどちらが良いですか?

一般的に、急性の怪我(捻挫、打撲、靭帯損傷など)の直後や、膝に熱感や強い腫れがある場合は「冷やす(冷却)」のが基本です。炎症を抑え、痛みや腫れを軽減する効果があります。

一方、慢性的な痛み(変形性膝関節症など)で、腫れや熱感がそれほど強くない場合は、「温める(温熱)」ことで血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎ、痛みが軽減することがあります。

どちらが良いかは状態によって異なるため、自己判断が難しい場合は医師に相談してください。

どんな運動が膝に良いですか?

膝に負担をかけずに筋力を強化できる運動が推奨されます。水中ウォーキングや水泳(クロール、背泳ぎ)は、浮力によって膝への負荷が軽減されるため、効果的です。

自転車こぎ(エアロバイク)も、サドルの高さを適切に調整すれば、膝への負担が少ない運動です。陸上での運動では、ウォーキングが手軽ですが、痛みがある場合は無理のない範囲で行いましょう。

前述したような、膝周りの筋力トレーニング(SLR、椅子での膝伸ばしなど)も重要です。ただし、ジャンプや急な方向転換を伴うスポーツは、膝への負担が大きいため、症状がある場合は避けるか、医師に相談が必要です。

膝に力が入らない症状は、原因を特定し、適切な対処を行うことで改善が期待できます。不安を感じたら、自己判断せずに、まずは整形外科にご相談ください。

以上

参考文献

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D’AMBROSI, Riccardo, et al. Anterior knee pain: state of the art. Sports Medicine-Open, 2022, 8.1: 98.

Author

北城 雅照

医療法人社団円徳 理事長
医師・医学博士、経営心理士

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