両膝のOAに悩む方へ – 進行防止と治療の選択肢
「最近、両方の膝が痛む」「立ち上がる時や歩き始めに、両膝がこわばる感じがする」といったお悩みはありませんか。
その症状は、変形性膝関節症(OA)かもしれません。特に両膝に症状が現れると、日常生活への影響も大きくなり、不安を感じる方も多いでしょう。
この記事では、両膝のOAとは何か、その原因や症状、ご自身でできる進行防止策、そして医療機関で行われる治療の選択肢について、分かりやすく解説します。
ご自身の膝の状態を正しく理解し、今後の対策を考えるための一助となれば幸いです。
目次
そもそも両膝のOA(変形性膝関節症)とは
ここでは、多くの方が悩む変形性膝関節症(OA)の基本的な知識と、特に両膝に症状が現れる理由について解説します。
膝の痛みの背景にあるものを理解することは、適切な対処への第一歩です。
変形性膝関節症の基本的な解説
変形性膝関節症は、膝関節のクッションの役割を果たす「関節軟骨」が、年齢や長年の負担によってすり減ることで発症します。
軟骨がすり減ると、骨同士が直接こすれ合うようになり、痛みや炎症を引き起こします。また、関節の縁に「骨棘(こつきょく)」と呼ばれる骨のとげができることもあります。
初期の段階では自覚症状が乏しいこともありますが、進行すると膝の変形や強い痛み、歩行困難などを招く可能性があります。
なぜ両膝が同時に痛むのか
変形性膝関節症は片方の膝だけに発症することもあれば、両膝に発症することもあります。両膝に症状が出る主な理由は、加齢や体重といった全身的な要因が大きく関わっているためです。
長年の生活習慣の中で、両膝には均等に負担がかかり続けています。
そのため、どちらか一方だけでなく、両方の膝の軟骨が同じようにすり減り、同時期に症状として現れることは珍しくありません。
また、片方の膝をかばうことで、もう一方の膝に過剰な負担がかかり、結果的に両膝の症状につながるケースもあります。
OAの進行度合いを示す分類
変形性膝関節症の進行度は、主にレントゲン画像を用いて評価します。
国際的によく用いられるのが「Kellgren-Lawrence(KL)分類」で、グレード0からグレード4までの5段階に分けられます。
グレードの数字が大きくなるほど、関節の状態が進行していることを示します。
Kellgren-Lawrence(KL)分類
| グレード | レントゲン所見の特徴 | 主な自覚症状 |
|---|---|---|
| 0 | 異常なし | 症状なし |
| 1 | 骨棘の疑いがある | 症状はほぼないか、軽いこわばり |
| 2 | 明らかな骨棘がある | 立ち上がりや歩き始めに痛みを感じる |
| 3 | 関節の隙間が狭くなっている | 階段の上り下りなどで強い痛みを感じる |
| 4 | 関節の隙間がほぼ消失し、骨が変形 | 安静時にも痛みがあり、歩行が困難 |
放置するリスクについて
両膝のOAを「年のせいだから」と放置すると、症状は徐々に進行していきます。
痛みが強まることで外出を避けるようになり、筋力が低下してさらに膝への負担が増えるという悪循環に陥ることがあります。
また、活動量が減ることで、体重増加や他の生活習慣病のリスクも高まります。
最終的には歩行が困難になり、日常生活に支障をきたす可能性もあるため、早期に適切な対策を始めることが重要です。
両膝のOAを発症する主な原因
両膝の変形性膝関節症は、単一の原因ではなく、複数の要因が複雑に絡み合って発症します。
ご自身の生活習慣や体質と照らし合わせながら、どのような要因が膝への負担につながっているのかを考えてみましょう。
加齢による関節軟骨のすり減り
最も大きな原因は加齢です。長年にわたって膝を使い続けることで、関節軟骨は少しずつ弾力性を失い、すり減っていきます。
軟骨には血管がなく、一度すり減ると自然に再生することはほとんどありません。そのため、年齢を重ねるほどOAの発症リスクは高まります。特に50歳代以降の女性に多く見られます。
体重増加による膝への負担
体重も膝への負担に直結する重要な要因です。歩行時、膝には体重の約3倍の負荷がかかるといわれています。
例えば、体重が5kg増えると、歩くだけで膝には15kgもの余分な負荷がかかる計算になります。この過剰な負荷が日常的に続くことで、軟骨のすり減りを加速させてしまいます。
両膝に均等に負荷がかかるため、体重増加は両膝OAの直接的な原因となり得ます。
OAのリスクを高める要因
| リスク要因 | 内容 | 対策のヒント |
|---|---|---|
| 加齢 | 軟骨の水分量が減少し、弾力性が低下する。 | 膝に優しい運動の継続。 |
| 肥満 | 膝関節への物理的な負荷が増大する。 | 食事管理と運動による適正体重の維持。 |
| 性別(女性) | 閉経後のホルモンバランスの変化が影響する。 | 骨密度を意識した食生活。 |
過去の怪我や膝への負担が大きい活動
過去に膝の靭帯や半月板を損傷した経験がある場合、関節の安定性が損なわれ、将来的にOAを発症しやすくなることがあります。
また、仕事やスポーツで膝の曲げ伸ばしを頻繁に行ったり、重いものを運んだりするなど、膝に大きな負担をかける活動を長年続けてきた場合も、軟骨の摩耗を早める原因となります。
遺伝的要因と性別の影響
家族にOAの人がいる場合、体質的にOAになりやすい可能性が指摘されています。これは骨の形や軟骨の質などが遺伝することと関係があると考えられています。
また、前述の通り、OAは男性よりも女性に多く見られます。
これは、女性ホルモンであるエストロゲンの減少が軟骨の健康に影響を与えることや、男性に比べて筋力が弱いことなどが関係していると考えられています。
両膝のOAでみられる特徴的な症状
両膝の変形性膝関節症の症状は、進行度によってさまざまです。初期のサインを見逃さず、ご自身の膝の状態を客観的に把握することが大切です。
ここでは、代表的な症状を段階的に解説します。
初期症状としてのこわばりや軽い痛み
OAの最も早い段階で見られる症状の一つが、朝起きた時や長時間座った後などに感じる膝のこわばりです。少し動かすと症状が和らぐことが多いのが特徴です。
また、動き始めに軽い痛みを感じることもあります。この段階では、日常生活に大きな支障がないため、見過ごされがちです。
- 朝起きた時の膝のこわばり
- 長時間の同じ姿勢からの動き始めの痛み
- 天気による膝の違和感
動作開始時の痛み(立ち上がり・歩き始め)
症状が少し進むと、「動作開始時痛」がはっきりと現れるようになります。椅子から立ち上がる瞬間、歩き始める第一歩など、関節が動き出す時にズキッとした痛みを感じます。
しかし、しばらく動いているうちに痛みが軽くなる傾向があります。これは、関節液が動くことで潤滑が良くなるためと考えられています。
症状のセルフチェック
| こんな症状はありませんか? | はい | いいえ |
|---|---|---|
| 立ち上がる時に両膝が痛む | ||
| 階段、特に下りる時に膝が痛む | ||
| 正座や深くしゃがむのがつらい | ||
| 膝が完全に伸びない、または曲がらない |
膝に水がたまる症状(関節水腫)
関節の中で炎症が強くなると、関節を包む膜(滑膜)が刺激され、関節液が過剰に分泌されることがあります。これがいわゆる「膝に水がたまる」状態(関節水腫)です。
水がたまると膝が腫れぼったくなり、重だるさや熱っぽさを感じます。また、膝の曲げ伸ばしがさらに困難になります。この症状は、安静にしていても痛みが続く原因にもなります。
進行期に見られる膝の変形(O脚)
OAがさらに進行すると、関節軟骨のすり減りが内側に偏って起こることが多く、その結果として膝が外側に開く「O脚変形」が見られるようになります。
O脚が進行すると、歩行時のバランスが取りにくくなり、見た目にも変化が現れます。両膝がO脚になると、がに股のような歩き方になることもあります。
この段階になると、安静にしていても痛みが取れにくくなります。
両膝のOAが進行するとどうなるのか
変形性膝関節症の進行は、単に痛みが強くなるだけではありません。身体的な機能の低下から精神的な側面まで、生活の質(QOL)全体に大きな影響を及ぼす可能性があります。
進行した場合に起こり得る変化を理解しておきましょう。
痛みの慢性化と強まり
初期の段階では特定の動作時にのみ感じていた痛みが、進行するにつれて持続的になります。
安静にしていてもジンジンと痛む「安静時痛」や、夜間に痛みで目が覚める「夜間痛」が現れることもあります。
痛みが常に意識されるようになると、日中の活動だけでなく、休息や睡眠の質も低下させてしまいます。
関節可動域の制限
膝関節の動きが悪くなる「関節可動域制限」も進行期の特徴です。膝が完全に伸びなくなったり(伸展制限)、正座ができないほど曲がらなくなったり(屈曲制限)します。
このことにより、靴下を履く、床の物を拾う、和式トイレを使用するといった日常の何気ない動作が困難になります。
両膝の可動域が制限されると、その影響はさらに大きくなります。
日常生活への影響(歩行困難など)
痛みの慢性化と関節可動域の制限が組み合わさることで、日常生活動作(ADL)が著しく制限されます。特に歩行能力の低下は深刻です。
長い距離を歩けなくなり、杖や手すりがないと不安定になります。
買い物や掃除、入浴といったセルフケアも難しくなり、他者の介助が必要になるケースも少なくありません。
日常生活で困難になる動作の例
| 動作 | 困難になる理由 | 生活への影響 |
|---|---|---|
| 階段の上り下り | 膝を深く曲げることによる痛み、筋力低下 | 外出の機会が減る、住居内の移動制限 |
| 長距離の歩行 | 持続的な痛み、持久力の低下 | 買い物や旅行、社会参加が難しくなる |
| しゃがみ込み | 膝の屈曲制限、立ち上がり時の痛み | 掃除や庭仕事などの家事が困難になる |
精神的な影響と生活の質の低下
身体的な制約は、精神面にも影響を与えます。
「また痛くなるのではないか」という不安や、思うように動けないことへのいらだち、好きな活動を諦めなければならない喪失感などから、気分が落ち込みやすくなります。
友人との交流や趣味の機会が減ることで社会的に孤立し、抑うつ状態に陥ることもあります。このように、両膝のOAの進行は、生活全体の質を大きく低下させる要因となります。
日常生活でできる進行防止のためのセルフケア
変形性膝関節症は、一度発症すると完治が難しい疾患ですが、進行を緩やかにし、痛みと上手に付き合っていくことは可能です。
医療機関での治療と並行して、日々の生活の中でご自身ができることに積極的に取り組みましょう。
膝に負担をかけない生活習慣
日常生活の何気ない動作を見直すことが、膝を守る第一歩です。特に、膝に直接的な負荷がかかる動作を避ける工夫が大切です。
和式の生活は膝への負担が大きいため、できる範囲で洋式の生活スタイルに切り替えることを検討しましょう。
生活動作の工夫
| 場面 | 推奨される工夫 | 避けるべき動作 |
|---|---|---|
| 床からの立ち座り | 椅子やベッドを使用する | 正座、あぐら、横座り |
| トイレ | 洋式トイレを使用する、手すりを設置する | 和式トイレでのしゃがみ込み |
| 入浴 | 浴槽内に椅子を置く、手すりを利用する | 浴槽の縁をまたぐ際の不安定な姿勢 |
適度な運動と筋力トレーニング
痛みがあるからと動かないでいると、膝周りの筋力が衰え、さらに関節が不安定になります。膝に負担の少ない運動で筋力を維持・向上させることが重要です。
特に、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛えることは、膝関節を安定させ、衝撃を吸収する助けになります。ウォーキングや水中運動なども効果的です。
自宅でできる簡単な筋力トレーニング
| 筋肉 | トレーニング方法 | ポイント |
|---|---|---|
| 大腿四頭筋 | 椅子に座り、片方の脚をゆっくりと水平まで上げて5秒静止し、ゆっくり下ろす。 | 膝を伸ばしきることを意識する。反動をつけない。 |
| お尻の筋肉 | 仰向けに寝て膝を立て、お尻をゆっくりと持ち上げて5秒静止し、ゆっくり下ろす。 | 腰を反らしすぎない。肩から膝までが一直線になるように。 |
体重管理の重要性
体重をコントロールすることは、膝の負担を減らす上で最も効果的なセルフケアの一つです。
体重を数キログラム減らすだけでも、膝への負荷は大きく軽減され、痛みの緩和につながります。
急激な減量は体に負担をかけるため、バランスの取れた食事と適度な運動を組み合わせ、時間をかけて健康的に減量することを目指しましょう。
- 痛みの軽減
- 関節機能の改善
- 薬の使用量の減少
膝を温めることの効果
膝周りを温める(温熱療法)と、血行が良くなり、筋肉の緊張がほぐれて痛みが和らぐ効果が期待できます。慢性的な痛みに悩んでいる場合に特に有効です。
入浴でゆっくりと湯船に浸かったり、蒸しタオルやカイロ、温熱パッドなどを利用したりするのも良いでしょう。
ただし、膝が赤く腫れて熱を持っているような急性の炎症期には、温めることでかえって症状が悪化する場合があるため注意が必要です。
医療機関で行われる主な治療法
セルフケアだけでは痛みのコントロールが難しい場合、医療機関での治療が必要になります。
治療法は、症状の進行度や年齢、ライフスタイルなどを総合的に考慮して選択します。大きく分けて「保存療法」と「手術療法」の二つがあります。
保存療法(運動療法・物理療法)
保存療法は、手術以外の方法で症状の緩和と機能の改善を目指す治療の総称です。変形性膝関節症の治療の基本となります。
理学療法士などの専門家の指導のもとで行う運動療法や、電気刺激や温熱などを利用する物理療法が含まれます。
主な保存療法
| 療法名 | 内容 | 期待される効果 |
|---|---|---|
| 運動療法 | 筋力トレーニング、ストレッチ、可動域訓練などを行う。 | 膝関節の安定化、痛みの軽減、機能改善。 |
| 物理療法 | 温熱、電気刺激、超音波などを用いて治療する。 | 血行促進、痛みの緩和、筋肉のこわばりの改善。 |
| 装具療法 | サポーターや足底板(インソール)を使用する。 | 膝関節の安定化、衝撃吸収、O脚の補正。 |
薬物療法(内服薬・外用薬・注射)
痛みが強い場合には、薬物療法を併用します。飲み薬、貼り薬や塗り薬、そして関節内への注射など、さまざまな種類があります。
これらの薬は、主に炎症を抑えて痛みを和らげることが目的であり、変形性膝関節症そのものを治すものではありません。専門医の診断のもと、症状に合わせて適切に使用することが重要です。
- 内服薬(消炎鎮痛薬など)
- 外用薬(湿布、塗り薬など)
- 関節内注射(ヒアルロン酸、ステロイドなど)
手術療法(関節鏡視下手術・骨切り術・人工関節置換術)
保存療法を続けても痛みが改善せず、日常生活に大きな支障が出ている場合には、手術療法が検討されます。
代表的な手術には、関節の中を掃除する「関節鏡視下手術」、脚の形を矯正する「骨切り術」、そして傷んだ関節を金属やポリエチレンなどでできた人工の関節に置き換える「人工関節置換術」があります。
代表的な手術療法
| 術式 | 主な対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| 関節鏡視下手術 | 比較的若年で、半月板損傷などを合併している場合。 | 小さな傷で済み、身体への負担が少ない。 |
| 高位脛骨骨切り術 | 比較的活動性の高い60歳代くらいまでのO脚変形のある方。 | 自分の関節を温存できる。術後のスポーツ復帰も可能。 |
| 人工膝関節置換術 | 高齢で、関節の変形が著しい方。 | 痛みの改善効果が高い。リハビリが必要。 |
自分に合った治療法を選ぶために
多くの治療選択肢の中から、ご自身にとって最善の方法を見つけるためには、いくつかの重要な点があります。
治療は医師任せにするのではなく、ご自身も主体的に関わる姿勢が大切です。
専門医との相談の重要性
まずは整形外科の専門医を受診し、正確な診断を受けることが不可欠です。レントゲンなどの検査結果に基づいて、ご自身の膝が現在どのような状態にあるのかを詳しく説明してもらいましょう。
その上で、それぞれの治療法のメリットとデメリット、期待できる効果、回復までにかかる期間などについて、十分に話し合うことが重要です。
ライフスタイルや活動レベルを考慮する
治療法の選択には、ご自身のライフスタイルや「これからどういう生活を送りたいか」という希望が大きく影響します。
「まだ仕事を続けたい」「趣味の旅行を楽しみたい」「畑仕事を続けたい」など、具体的な目標を医師に伝えることで、より個人に合った治療計画を立てることができます。
安静を基本とする生活を送っている方と、活動的な生活を望む方とでは、適した治療法が異なる場合があります。
治療の目的を明確にする
治療を受けるにあたって、何を最も優先したいのかを自分の中ではっきりさせておくことも大切です。
痛みをなくすことが最優先なのか、膝の動きを良くしたいのか、あるいはスポーツに復帰したいのか。目的によって、選ぶべき治療法は変わってきます。
- とにかく今の痛みを取りたい
- 杖なしで歩けるようになりたい
- 趣味のハイキングを再開したい
両膝のOAに関するよくある質問
最後に、両膝の変形性膝関節症について、患者さんからよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q. どのような運動がおすすめですか?
A. 膝に体重の負担がかからない運動がおすすめです。
例えば、椅子に座った状態での足の上げ下げ運動(大腿四頭筋訓練)や、プールでの水中ウォーキング、エアロバイクなどが挙げられます。
これらの運動は、膝への負担を最小限に抑えながら、効果的に筋力を強化できます。痛みを感じる場合は無理をせず、運動の強度や時間を調整してください。
Q. サポーターは使った方が良いのでしょうか?
A. 膝用のサポーターには、関節を保温する効果、安定させる効果、そして proprioception(固有受容覚)を改善し、膝の位置覚を脳に伝えやすくする効果などがあります。
これらにより、歩行時の安定感が増し、痛みが和らぐことがあります。ただし、長期間使用し続けると筋力が低下する可能性も指摘されています。
専門医や理学療法士に相談し、ご自身の状態に合ったタイプや使用場面について指導を受けるのが良いでしょう。
Q. 痛みがあるときでも動かした方が良いですか?
A. 痛みの程度によります。膝が赤く腫れて熱を持っているような強い炎症がある場合は、無理に動かさず安静にし、冷やすことが基本です。
一方で、慢性的な鈍い痛みやこわばりに対しては、むしろ適度に動かすことで血行が促進され、症状が和らぐことがあります。
痛みが強くならない範囲で、ゆっくりと膝の曲げ伸ばしなどを行うと良いでしょう。「痛みを感じたら休む」を原則に、ご自身の体と相談しながら動かすことが大切です。
Q. 食事で気をつけることはありますか?
A. 特定の食品が変形性膝関節症を直接治すという科学的な証拠はまだ十分ではありません。
しかし、関節の健康をサポートし、炎症を抑える働きが期待される栄養素をバランス良く摂取することは重要です。
抗酸化作用のあるビタミンA、C、Eを含む緑黄色野菜や果物、骨の材料となるカルシウムやビタミンD、筋肉を作るたんぱく質などを意識的に摂りましょう。
何よりも、適正体重を維持するためのカロリーコントロールが食事における最も重要なポイントです。
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