交通事故の後に首の痛み、いわゆる『むちうち』、を訴え受診される患者様が多くいらっしゃいます。
むちうちとは、一般的に首の痛みを表す総称とされています。
一説によるとむちうちの語源は、「Whiplash injury of the neck "ムチ紐による首の怪我"」という言葉であると言われています。
むちうち症は医学的には正式な傷病名はなく、一般的に「頸椎捻挫」「外傷性頸部症候群」などと診断されます。
今回は、主に自動車事故による外力、スポーツなどの『外傷によって引き起こされる、頚部周囲の疼痛の病態』についてまとめました。
目次
今回の10秒まとめ
① 事故やスポーツ事故によって首に過剰な運動によって、首の筋肉に損傷が起こり、これが『むちうち』の原因です。
② 首・頭の痛み・自律神経症状・ 上半身の筋力低下・指先の麻痺などが起こります。
③ 受傷後には、特に頭痛を合併しやすいと言われています。
④ 治療は、基本は保存療法(手術をしない選択)が多くなります。
⑤ リハビリでは、緊張している筋肉を緩め、痛みの出ない範囲で首を少しずつ動かしていくような運動を行っていきます。
受傷から症状発生のメカニズム
軽い衝撃が首に加わった時に、クッションの役割をしてくれるのは首の筋肉になります。
しかし追突事故やスポーツ時の衝突などで急激な力が体に加わると、頭や首に大きな運動起きます。
この過剰な運動によって、力学的ストレスがかかります。
過剰な運動を首の筋肉が受け止めることができず、筋肉に損傷が起こります。
この筋肉の損傷によって、下記の症状を起こします。これが俗に言う『むちうち症』です。
頸椎捻挫・外傷性頚部症候群の症状
① 痛み
頸部・肩・肩甲骨・腕付近の痛み
② 自律神経症状
頭痛・聴力低下・耳鳴り・眩暈・疲労感・吐き気
③ 上半身の筋力低下・指先の麻痺
だるさ・脱力感
加えて痛覚過敏を引き起こし痛みを感じやすくなるのも特徴になります。
年齢を重ねるほど、軟部組織の修復が遅くなるため回復も遅くなる傾向にあります。
合併しやすい頭痛の症状
受傷後には、特に頭痛を合併しやすいと言われています。
事故の数日後に発症するケースもある為、放置せず受診するようにしましょう。
症状が6ヶ月以上続いたものを慢性化と定義します。
この慢性化例の約70%が頭痛を合併したとも報告されています。
治療方法は?
ワンポイントアドバイス
就寝時の枕は、タオル1枚単位で調節すると頭痛が軽減される場合があります。
リハビリ時の仰向けで痛い場合や家で寝ている時に痛む場合は、調節してみましょう。
リハビリでは何をするの?
リハビリでは、緊張している首や肩甲骨周囲の筋肉を緩め、痛みの出ない範囲で首を少しずつ動かしていくような運動を行っていきます。
スマホのしすぎで首が痛い?それはヘッドフォワードかもしれません
当院には、脊椎脊髄外科指導医がおります。充分にお話を聞き診察を行った上で最も適切な治療法をお薦めさせて頂きます。
首でお悩みの方は、是非ご相談ください。
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そのため当院では、整形外科疾患におけるほぼ全ての治療を提供することができます。
当院の『7つの特徴』や『ミッション』についてご案内いたします。
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当院は、一般的な関節の痛みや筋肉の痛みを診る整形外科の他に、「脊椎(首・腰)」、「肩関節」、「股関節」、「膝関節」、「手」、「足」とそれぞれの専門家が集まった専門外来を用意しております。
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当院では交通事故診療に強い整形外科専門医が治療を行います。ぜひ一度ご相談ください。
当院は、整形外科専門医が交通事故治療を行う医療機関です。