足立慶友医療コラム

当院の椎間板内酵素注入療法の成績:腰椎椎間板ヘルニアの切らない治療法

2021.12.01

腰背部, 下肢

当院では、腰椎椎間板ヘルニアに対して椎間板内酵素注入療法を行っております。この治療方法は、内服などの保存療法や手術療法に代わる第三の治療法として注目を集めている治療法です。

今回、同治療法の当院での治療成績について記載いたします。

今回の10秒まとめ

① 腰椎椎間板ヘルニアは、坐骨神経痛の原因の一つ。

② 腰椎椎間板ヘルニアとは、椎間板(=背骨の間にある軟骨)が後方に飛び出し神経にぶつかることで生じる。

③ もっとも良く起こるのは第4と第5腰椎の間であり、臀部〜太ももの後面〜ふくらはぎの外側および足にかけて痛みや痺れがでる。

④ 椎間板ヘルニアの約7割の患者様が、3ヶ月以内に自然に痛みが消失する。

⑤ 足が動かない、便が出ない場合には緊急手術が必要となる。

⑥ これまでの治療法には(1) 保存療法、(2) 手術療法の2通りがあった。

⑦ 神経に直接痛み止めをする神経根ブロックなどを行なっても痛みが改善しない場合も手術を検討する必要があった。

⑧ 新しい治療法として「椎間板内酵素注入療法」が2018年8月から保険適応になり、認定施設でのみ行うことが可能になった。

⑨ 椎間板内酵素注入療法は、椎間板を縮小させることで神経の圧迫を解除する方法であり、現在注目を集めている治療である。

オンライン予約はこちら

当院のご紹介

腰椎椎間板ヘルニアとは

腰椎椎間板ヘルニアについて詳しくお知りになりたい方は、下記の記事をお読みください。

こちらの記事に、椎間板内酵素注入療法についても記載しております。

腰椎椎間板ヘルニア:腰から足のしびれ・痛み

椎間板内酵素注入療法の治療成績

当院では2019年10月から2021年8月までに30人の方に本治療法を行い、30人中27人(90%)の方で痛みの改善が得られたため手術を回避することが出来ました。

痛みの改善度合いですが、痛みの程度を0から10(想像できる一番強い痛みを10とする)で患者さんに表現して貰ったところ、治療前に平均で6.1だった脚の痛みが治療後3ヶ月で1.9に、治療前に平均で3.3だった腰痛が治療後3ヶ月で1.9に減少していました。

また、1年間経過をみた9人の方では腰痛も脚の痛みも更に減少していました(下図参照)。

当院で椎間板内酵素注入療法を行った患者様とは?

本治療法を行なった方は、全員脚の痛みが生じてから3ヶ月以上経過したにもかかわらず高度痛みが持続していた方です。

このような方々は以前であれば手術が必要とされていました。しかし本治療法が導入されたことで多くの方で手術を行わずに痛みをとることが出来るようになりました。

本治療法は手術療法に伴う危険性(全身麻酔の危険性、神経損傷の危険性、手術部位にばい菌が付く危険性など)と比べるとが格段に危険性が低い治療法です。また本治療法を受けたけれども痛みが改善せず手術を受けることになったとしても、本治療法を受けたために手術が困難になるということはありません。従って手術を決断する前にまず試みるべき治療法といえます。

椎間板内酵素注入療法を検討すべき患者様とは?

本治療法は手術療法に伴う危険性(全身麻酔の危険性、神経損傷の危険性、手術部位にばい菌が付く危険性など)と比べるとが格段に危険性が低い治療法です。

また本治療法を受けたけれども痛みが改善せず手術を受けることになったとしても、本治療法を受けたために手術が困難になるということはありません。従って手術を決断する前にまず試みるべき治療法といえます。

本治療について、ご検討の際は一度当院までご相談ください。

オンライン予約はこちら

当院のご紹介

整形外科の診療に必要な設備が整った診療所

当院は、各種専門領域を持った医師の診療に加え、大学病院と同様の医療機器を有し、かつ、理学療法士・作業療法士によりリハビリテーションも積極的におこなっている診療所です。また、併設の慶友整形外科脊椎関節病院では手術加療も行なっております。

そのため当院では、整形外科疾患におけるほぼ全ての治療を提供することができます。

初めての患者さまへ当院のご紹介

当院の『7つの特徴』や『ミッション』についてご案内いたします。

各部門の専門家が集まった特殊外来を設置

当院は、一般的な関節の痛みや筋肉の痛みを診る整形外科の他に、「脊椎(首・腰)」、「肩関節」、「股関節」、「膝関節」、「手」、「足」とそれぞれの専門家が集まった専門外来を用意しております。

他院で診断がつかない症状に関して、各領域の専門家が診察をいたします。

整形外科のご案内

手や足が痺れる、膝や股関節は痛い、背中が曲がってきたなどの症状でお困りの方へ。

都内最大級のリハビリ室を完備

患者様の健康を取り戻すため、当院ではリハビリテーションに力を入れております。

国家資格を有するセラピスト達が、責任を持って治療を行います。

リハビリテーション科のご案内

腰が痛い、姿勢が悪い、歩くとふらつくなどの症状でお困りの方へ。

交通事故診療に強い整形外科専門医が診察

不幸にも交通事故に遭われた患者様の多くは、「事故のことは保険屋さんに聞けば良いが、体の不調をどこに相談すれば良いのかわからない」という悩みを抱えていらっしゃいます。

当院では交通事故診療に強い整形外科専門医が治療を行います。ぜひ一度ご相談ください。

交通事故にあわれた方へ

当院は、整形外科専門医が交通事故治療を行う医療機関です。

Author

北城 雅照

医療法人社団新潮会 理事長
医師・医学博士、経営心理士

Symptoms 症状から探す

症状から探す

Latest Column 最新のコラム

第31回JOCジュニア・オリンピック・カップ・フェンシング大会兼2024年世界ジュニア・カデ・フェンシング選手権大会選考会サポート活動報告

2024.05.02

活動報告(天皇杯 第49回日本車いすバスケットボール選手権大会)

活動報告(天皇杯 第49回日本車いすバスケットボール選手権大会)

2024.05.01

埼玉県中体連柔道練成会サポート活動報告

2023.10.24

活動報告(第27回日本ペインリハビリテーション学会学術大会)

2023.10.17

中学女子バレーボール メディカルチェック・トレーニング・ストレッチ指導 サポート活動報告

2023.10.10

Ranking よく読まれているコラム

information 診療案内