足立慶友医療コラム

今回は、扁平足についてお伝えしたいと思います。

今回の10秒まとめ

①扁平足とは、土踏まずがない、もしくは低い足の状態です。扁平足には、単純型の扁平足と外反扁平足があります。

②足のアーチ構造は、内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチと呼ばれる3つがあります。役割としては、歩行時の地面からの衝撃を軽減すること、歩行での足の蹴り出し時がスムーズなることです。

③足のアーチ構造を支える筋肉は、長母趾屈筋、長趾屈筋、前脛骨筋、後脛骨筋の4つがあります。

④足のアーチ構造が崩れてしまうと、衝撃吸収が出来なくなり身体の負担になります。また、バランス能力の低下や足の変形にもつながっていきます。そのため、足のアーチ構造は重要になります。

⑤扁平足への対処法は、インソール処方、足首や足の指の運動を行うこと、伸びる姿勢を意識すること、過度な体重増加をおさえることです。

⑥扁平足の簡単なチェック方法として、立った状態で、足の裏の内側にボールペン1本程度の隙間があるかどうかを一つの目安として、確認してみてください!

⑦扁平足は、それ自体で症状を引き起こす場合と引き起こさない場合があります。いつの間にか、他の身体の部位にストレスをかけている可能性もあるので、何か気になることがあれば、専門家にご相談ください。

扁平足とは

扁平足とは、土踏まずがない、もしくは低い足の状態です。
扁平足には、単純型の扁平足外反扁平足があります。

単純型の扁平足は、土踏まずが低くなっているだけですが、
外反扁平足では、足関節を後ろから見ると、踵骨が内側に倒れてハの字のように見えます。

足部アーチ構造

扁平足は、足部のアーチ構造異常が起こってしまった状態です。
足部アーチ構造には、内側縦アーチ外側縦アーチ横アーチと呼ばれる3つのアーチ構造があります。

足のアーチ構造は、生まれたての赤ちゃんにはなく、8~10歳ごろから成長に伴って形成されていきます。

足部アーチ構造があることで、歩行時の地面からの衝撃を軽減することができます。
また、歩行での足の蹴り出し時に、ウインドラス機構が働くことで、足の剛性が高まり、スムーズに力を伝えられます。
ウインドラス機構とは、足趾を伸展した時に、足のアーチ構造が高まることで、足部が安定する機構のことです。

足のアーチ構造を支える筋肉

足のアーチ構造は、それを支える筋肉があります。

足のアーチ構造を支える筋肉は、
長母趾屈筋長趾屈筋前脛骨筋後脛骨筋の4つがあります。

これら4つの筋肉が働くことで、足のアーチ構造の土踏まずが保たれます。
しかし、筋力低下をきたすことで、土踏まずがなくなり、扁平足になります。

扁平足になる理由

現代において、扁平足を呈している人はとても多いです。

現代の生活背景から理由を考えてみると、

・子供がゲームなど家の中で遊ぶことが多く、外で遊ぶ機会が減少したこと。
・大人では車での移動が普及し、歩くことが少なくなったこと。
・高齢になるにつれて、活動量が少なくなったこと。
・道路も整備され、地面の凸凹でバランスを取らなくてもよくなったこと。
・過剰な体重増加により、アーチ構造が潰れる力が大きくなること。

などが、挙げられます。

足を使う機会が減っており、
大人になってもアーチ構造を支える筋力がつかない
もしくは大人になってから足の筋力が低下していきます

つまり、足関節や足の指が勝手に鍛えられる環境、生活習慣がなくなってきていることが、
扁平足になってしまう原因になります。

 

扁平足がもたらす問題

足のアーチ構造が崩れてしまうと、

・地面からの衝撃が吸収できずに、身体の各関節の負担になる
・重心移動もスムーズに行えなくなる。
・バランス能力も低下してしまう。
・外反母趾など足部の変形にもつながる。

など、様々な問題があります。

つまり、扁平足になると、
地面からの衝撃を吸収する能力が低下するために、足全体の負担が大きくなります。
すると、足が疲れやすくなる、足の裏や甲が痛くなる、外反母趾が併発するなどの症状が出てきます。
外反母趾については、以下の記事を参考にしてみてください。

外反母趾について

また、足部だけでなく、歩行時に膝や股関節等にも負担がかかるようになります。
それにより、歩行や日常生活動作において、
重心移動がスムーズに行えなくなり、バランス能力も低下してしまうなど、動作での
問題も大きくなります。

さらに、扁平足になった後も、以下のような悪循環が続いていきます。

・扁平足になり、足が疲れやすくなる。
・足が疲れやすいから、歩く機会が減る。
・歩かなくなり、
さらに足の筋力低下が起こる。

それにより、ますます長距離を歩くことができなっていきます。
高齢者の場合は、これにより日常的に活動量が減ることになるので、注意が必要です。

扁平足への対処法

扁平足への対処法は、

・インソール処方
・足首、足の指の運動を行うこと!
・伸びる姿勢を意識すること!

・過度な体重増加をおさえる!

が、挙げられます。

扁平足は足のアーチ構造の異常なので、
インソールでアーチ構造をサポートしていくことができます。
それにより、足全体、その他関節への衝撃負荷を軽減していきます。
インソールについては、以下の記事を参考にしてみてください。

インソールについて

 

また、土踏まずを支える筋肉を鍛えるために、足首や足の指の運動を行っていきます。

それに加えて、

・日常生活の中で常に伸びた姿勢(エロンげーション)を意識して生活する。
・過度な体重増加をおさえる。
・アーチが潰れる方向への圧力を減らしていく。

ことも重要になります。

扁平足の簡単なチェック法

自分で扁平足かどうかチェックできる方法をお伝えします。

立った状態で、足の裏の内側に隙間があるかどうかをチェックします!
ボールペン1本入るかどうか?を一つの目安として、確認してみてください!

扁平足は、それ自体で症状を引き起こす場合と引き起こさない場合があります。そして、扁平足がいつの間にか、他の身体の部位にストレスをかけている可能性もあるので、何か気になることがあれば、専門家にご相談ください。

当院のご紹介

各部門の専門家が集まった専門外来を設置

当院は、一般的な関節の痛みや筋肉の痛みを診る整形外科の他に、「脊椎(首・腰)」、「肩関節」、「股関節」、「膝関節」、「手」、「足」とそれぞれの専門家が集まった専門外来を用意しております。

他院で診断がつかない症状に関して、各領域の専門家が診察をいたします。

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当院では交通事故診療に強い整形外科専門医が治療を行います。ぜひ一度ご相談ください。

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当院は、整形外科専門医が交通事故治療を行う医療機関です。

Author

高橋佳佑

理学療法士、ピラティスインストラクター

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