足立慶友医療コラム

変形性膝関節症の治療法:人工膝関節置換術を受けるまで

2021.02.15

下肢, 膝関節

当院の医療コラムでは、変形性膝関節症について多くの記事にて紹介してきました。

今までの記事でも紹介してきたとおり、変形性膝関節症は多くの方が抱える疾患です。

変形性膝関節症の治療法として、人工膝関節置換術は多くの患者様に適応される治療法です。

今回は、人工膝関節置換術についてと、当院にて人工膝関節置換術の手術を受けるまでの流れをご紹介します。

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今回の10秒まとめ

① 人工膝関節置換術は、傷んだ膝の代わりに膝そのものの機能を再現させるために、傷んだ骨を人工物と取り替える手術療法である。

② 手術を受ける場合、入院までの準備として、禁煙・リハビリテーション・歯科治療の完了・体調管理・退院後の生活の想定が重要である。

③ 基本的には手術前日に入院し、手術翌日からリハビリテーションを行い、歩行動作などの練習を行っていく。

人工膝関節置換術とは

人工膝関節置換術は、変形性膝関節症の治療法の一つです。

また、変形性膝関節症では、膝の軟骨がすり減ることにより、膝の痛みが強くなる・膝の変形が強くなる、といった症状があります。

変形性膝関節症について詳しくお尻になりたい方は、下記の記事をご覧ください。

変形性膝関節症とは:その治療法・進行予防について

 

人工膝関節置換術は、傷んだ膝の代わりに膝そのものの機能を再現させるために、傷んだ骨を人工物と取り替える手術です。

こちらは手術を受ける前の膝関節のレントゲン画像になります。

 

膝関節の隙間が減少しており、以前ご紹介したKL-分類ではグレードIIIに分類されます。

人工膝関節置換術を行ったあとのレントゲン画像がこちらです。

 

手術後にはっきりと白く映っている部分が人工関節である金属です。

太もも側の骨と、すね側の骨のぶつかり合う部分を削り取り、コンポーネントと呼ばれる金属を入れます。

また、軟骨の代わりにクッションの役割を果たすポリエチレン製のインサートが間に入ることで、スムーズな関節運動が可能となります。

膝蓋骨(膝のお皿の骨)の裏側にも、コンポーネントが入るため、痛みなく膝関節の運動が可能となります。

変形性膝関節症の画像所見については、こちらの記事で詳しく紹介しているので、興味がある方はご覧ください。

膝のレントゲン画像からわかる変形性膝関節症のKL分類について

 

人工膝関節置換術を受けるまで

それでは、人工膝関節置換術を受けるまでの一般的な流れを紹介します。

状況により、手術を受けるまでの流れに変更が生じる場合があります。

また、患者様が不安なく手術を受けられるよう、疑問点はしっかりと担当医師と確認をし、納得された上で手術に臨むようにしましょう。

手術4週間前〜

手術4週間前から行うべき内容は以下の5つです。

 

禁煙

喫煙は体内酸素を少なくし、肺機能を低下させる働きがあります。術後の回復のために少なくとも本数を減らす努力をしましょう。

 

継続的なリハビリテーション

担当医師・理学療法士の指示に従い、筋力強化・ストレッチなどを行いましょう。

術前の筋力強化は、術後の回復にも影響します。

 

歯科治療の完了

歯科医師に、人工膝関節置換術を受ける旨を伝え、むし歯などの治療を終えるようにしてください。

手術後の歯科治療は、感染症を起こす要因にも繋がります。

十分注意するようにしましょう。

 

体調管理

体調が思わしくない場合には、手術に望むことは勧められません。

手術・入院生活を期に、生活習慣の改善も目指しましょう。

 

退院後の生活を想定する

上記の4つに加えて、入院が始まる前に退院後の生活を想像してみましょう。

そのうえで、退院後のご自身が生活しやすいように、生活環境を整えておくことをおすすめします。

人工膝関節置換術を受けることにより、正座が困難となります。

また、膝が深く曲がる動作も、難易度が高まる可能性があるので、食卓などはテーブルにする、正座をする必要がないように椅子を用意しておく、などの対策が可能です。

入院前に準備を整えておくと、退院時に安心して退院することが出来ます。

手術前日(入院日)

当院では一般的に、手術前日に入院をしていただきます。

手術前日には、以下のことを行います。

  • 脚の除毛(必要に応じて)
  • 浣腸(必要に応じて)
  • 入浴・シャワー・洗髪
  • 爪切り(マニキュアを塗られている方は取っておきましょう)
  • 薬の服用(下剤、抗不安薬など:医師の判断に基づきます)
  • 点滴(医師の判断に基づきます)
  • リハビリテーション(術前の身体の状態・歩きの様子などを確認させていただきます)

 

また、飲食に関しては、定められた時間以降取ることが出来ません。

担当医師や担当看護師の指示に従うようにしてください。

手術当日

手術当日は、準備が整い次第、看護師が手術室にお連れします。

麻酔を行い、手術を行います。

手術直後は、まだ麻酔が効いた状態で、手術当日はベッドの上に安静にして過ごしていただきます。

手術箇所に血を貯めないようにするためのチューブや、尿を出すための管が取り付けられています。

点滴は、通常手術翌日まで継続します。

手術後初回の入浴・シャワーに関しては担当医師や看護師の指示に従ってください。

ご家族の方は、手術中は当院5階受付にてお待ちいただき、手術後に担当医師から手術結果に関しての説明が行われます。

手術後のリハビリテーション

手術翌日からリハビリテーションが開始します。

術後は手術部位の腫れや痛みが強い状態ですので、痛みに合わせて、徐々に運動量を増やしていきます。

入院中の主なリハビリテーション・入院中の過ごし方などについては、以下の記事でも詳細に取り扱っております。

人工膝関節置換術(TKA):当院でのリハビリテーションについて

まとめ

今回は、人工膝関節置換術を受けるまでの流れについてご紹介させていただきました。

当院でもよく行われる手術であるため、膝の痛みを抱える患者さんは、この記事やその他の変形性膝関節症に関する記事も参考に、医師と治療方法について相談をしてみてください。

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当院のご紹介

整形外科の診療に必要な『すべて』が揃った診療所

当院は、各種専門領域を持った医師の診療に加え、大学病院と同様の医療機器を有し、かつ、理学療法士・作業療法士によりリハビリテーションも積極的におこなっている診療所です。また、併設の足立慶友リハビリテーション病院では手術加療も行なっております。

そのため当院では、整形外科疾患におけるほぼ全ての治療を提供することができます。

初めての患者さまへ当院のご紹介

当院の『7つの特徴』や『ミッション』についてご案内いたします。

各部門の専門家が集まった特殊外来を設置

当院は、一般的な関節の痛みや筋肉の痛みを診る整形外科の他に、「脊椎(首・腰)」、「肩関節」、「股関節」、「膝関節」、「手」、「足」とそれぞれの専門家が集まった専門外来を用意しております。

他院で診断がつかない症状に関して、各領域の専門家が診察をいたします。

整形外科のご案内

手や足が痺れる、膝や股関節は痛い、背中が曲がってきたなどの症状でお困りの方へ。

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患者様の健康を取り戻すため、当院ではリハビリテーションに力を入れております。

国家資格を有するセラピスト達が、責任を持って治療を行います。

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当院では交通事故診療に強い整形外科専門医が治療を行います。ぜひ一度ご相談ください。

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当院は、整形外科専門医が交通事故治療を行う医療機関です。

Author

虎岩太朗

理学療法士

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