足立慶友医療コラム

サーフィンの競技人口は、世界では3,500万人、日本国内を見ると200万人とされており競技人口は年々増加していると言われています。

しかしサーフィンに関する研究や怪我の報告は多いとは言えません。

今回はサーフィンと慢性疾患に関するお話をしていきます。

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今回の10秒まとめ

サーファーの怪我の部位は、腰部と肩の2つの関節に集中している。

②サーフィン中に波に乗っている時間は、競技時間の5%ほどと言われている。

③ 水泳のクロール様に腕を使って漕ぐパドリング動作が肩に過負荷となることが多い。

④サーフィン後に筋疲労を感じながらクールダウンをしない人が大多数の68%である。

腰部疾患には、筋筋膜性腰痛症(筋膜由来の腰痛)や腰部ヘルニアが多いと報告されている。

肩関節疾患には、肩関節不安定症(反復性脱臼)や腱板断裂が多いと報告されている。

サーファーに多い慢性疾患は?

慢性疾患とは、2~3ヵ月以上痛みが続いたり、一度治っても再び繰り返すような疾患を示します

日本で現在プレーするサーファー約62名の対象者のうち、94%が何らかの怪我の経験があったそうです。

そして痛みの部位では腰部が58%肩が23%と2つの関節に集中していました。

これはサーフィンの競技特性が関係していると考えられます。

サーフィンの競技特性とは?

サーフィンの競技特性は、断続的なスポーツであることです。

サーフィンは波に乗っている時間は4-5%程度と言われています。数字にするとかなり少ないように見えます。

それ以外の約50%はサーフボード上で静止しており、残りはパドリング動作が約40-50%を占めます。

パドリングとは、上記の写真のように水泳のクロール様に腕を使ってサーフボードを漕ぐ動作のことを言います。
ニュージーランドのサーファー疾患の研究でも長時間のパドリングが、最も報告されている傷害動作の原因と報告されてました。

サーファーに多い腰部疾患とは?

腰部疾患には、筋筋膜性腰痛症(筋膜由来の腰痛)や腰部ヘルニアが多いとされています。

筋筋膜性とは、筋肉や筋膜が原因とされています。

基本的には、発症後2.3日で痛みのピークを認め、その後改善するため放置される方もみかけられます。

疼痛の原因は、背部の筋の柔軟性の低下が挙げられます。

腰痛について(腰部の筋肉・筋膜由来の腰痛)については以下をご覧ください。

腰痛について(腰部の筋肉・筋膜由来の腰痛)

サーファーに多い肩関節疾患とは?

パドリング動作が肩関節に高い運動負荷がかかる上、肩関節の使いすぎ(Overuse)になりやすいとされています。

サーフィンによる肩関節疾患には、肩関節不安定症(反復性脱臼)や腱板断裂が多かったとの報告があります。

腱板断裂は年齢ともに発生する確率も上昇します。幅広い年代で楽しめるからこそ、肩関節には注意が必要となります。

肩関節障害を減らすためには、肩甲骨の可動性を向上しパドリング時に肩から肩甲骨全体を動かすことで、肩関節にかかる負担を減らすことが挙げられます。

また、肩関節不安定症(反復性脱臼)や腱板断裂については以下の記事をご覧ください。

反復性肩関節脱臼について

腱板断裂とは 原因・診断・治療について

大多数がクールダウンをしていないのも原因の一つか?

怪我を経験した62名の対象者のうち73%の人が怪我予防の筋力練習・柔軟に関心を持っていました。

しかし、筋疲労を感じながらクールダウンをしない人が大多数の68%であることもわかりました。

サーフボードなどの手入れなどに気持ちが行くのも分かりますが、自分の身体にも目を向けていきましょう。

まとめ

今回は、サーフィンに関する慢性疾患について記載させていただきました。

また当院には、スポーツ専門外来や脊椎専門外来もございます。十分にお話を聞き診察を行った上で最も最適な治療をお勧めさせて頂きます。

スポーツ時に腰部・肩関節に関する事でお困りの方は、ぜひご相談下さい。

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整形外科の診療に必要な『すべて』が揃った診療所

当院は、各種専門領域を持った医師の診療に加え、大学病院と同様の医療機器を有し、かつ、理学療法士・作業療法士によりリハビリテーションも積極的におこなっている診療所です。また、併設の慶友整形外科脊椎関節病院では手術加療も行なっております。

そのため当院では、整形外科疾患におけるほぼ全ての治療を提供することができます。

初めての患者さまへ当院のご紹介

当院の『7つの特徴』や『ミッション』についてご案内いたします。

各部門の専門家が集まった特殊外来を設置

当院は、一般的な関節の痛みや筋肉の痛みを診る整形外科の他に、「脊椎(首・腰)」、「肩関節」、「股関節」、「膝関節」、「手」、「足」とそれぞれの専門家が集まった専門外来を用意しております。

他院で診断がつかない症状に関して、各領域の専門家が診察をいたします。

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不幸にも交通事故に遭われた患者様の多くは、「事故のことは保険屋さんに聞けば良いが、体の不調をどこに相談すれば良いのかわからない」という悩みを抱えていらっしゃいます。

当院では交通事故診療に強い整形外科専門医が治療を行います。ぜひ一度ご相談ください。

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当院は、整形外科専門医が交通事故治療を行う医療機関です。

Author

竹内 雄登

理学療法士・ピラティスインストラクター・住環境福祉コーディネーター

Author

北城 雅照

医療法人社団新潮会 理事長
医師・医学博士、経営心理士

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