足立慶友医療コラム

腰痛について(腰部の筋肉・筋膜由来の腰痛)

2019.12.24

腰背部

整形外科を受診される多くの方を悩ませる『腰痛』。その原因は多岐に渡りますが、今回は筋肉原性の腰痛についてまとめました。

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今回の10秒まとめ

① 「下肢の痺れ・痛みを伴う」、「安静時痛を認める」、「入眠中に痛みで目が覚める」、「今まで感じたことのない痛み」のRed fragsを認めた場合は、筋肉原性の腰痛ではなく、他の疾患の可能性を考える。

② 腰痛を訴えが「腰部」なのか「臀部」なのか診察で判断する。

③ 座位では臀部周囲の筋緊張が低下するため、座位で痛みが続く場合は「腰部」、座位で痛みがなくなる場合は「臀部」と判断する。

④ 疼痛の部位を指差してもらうことも「腰部」か「臀部」かを見分けるのに有効である。

⑤ それぞれの筋肉の特徴を理解することで、どの筋肉に障害があるか判断する。

⑥ 治療は、急性期・亜急性期とその時期に応じた治療を行う必要がある。

注意が必要は腰痛の特徴

多くの患者様が悩まされる『腰痛』。しかし、その80%は原因が不明と言われています。

その腰痛の中には『注意が必要な腰痛』というものがあります。

注意が必要な腰痛の特徴は以下の4つです。

 

① 下肢の痺れ・痛みを伴う:神経障害・血流障害を疑う症状

② 安静時痛や入眠中に痛みで目が覚める:腹腔内臓器疾患由来の関連痛の可能を疑う症状

③ 今まで感じたことのない猛烈な痛み:椎体圧迫骨折、大血管損傷や尿菅結石を疑う症状

上記のような症状を認めた場合は緊急対応が必要な疾患の可能性もあるため注意が必要です。

高齢の方で転倒後の腰痛や、特にきっかけがないのに腰痛を認める場合は、圧迫骨折を考える必要があります。

圧迫骨折に関しては下記の記事をお読みください。

腰椎圧迫骨折:高齢者の持続する腰痛

また、腰痛に加え下肢の痺れや痛みを認める場合、神経障害、とくに坐骨神経の障害を考える必要があります。

坐骨神経痛に関しては下記の記事をお読みください。

お尻や太もも裏のしびれや痛み:坐骨神経痛の原因・診断・治療

しかし、上記のような症状を認める腰痛は比較的稀であり、多くの腰痛は筋肉原性の腰痛です。

筋肉原性の腰痛の特徴

筋肉原性の腰痛の特徴には以下のようなものが挙げられます。

 

① 発症のきっかけや時期が比較的はっきりしている

② 体動に伴う疼痛

③ 安静時に痛みを認めない

④ 発症後2.3日で痛みのピークを認め、その後改善する

 

上記のような特徴を認める場合は筋肉原性の腰痛を疑います。

腰痛の原因となる腰部の筋肉

腰痛の訴える方で腰部の筋肉原性の腰痛の場合、次の5つの筋肉・筋膜が原因と考えられます。

① 多裂筋

② 最長筋

③ 腸肋筋

④ 腰方形筋

⑤ 胸腰筋膜

①〜④の筋肉の表面を覆うように存在する筋膜

それぞれの筋由来の痛みの特徴

① 多裂筋

1)起始:仙骨背面、後仙腸靱帯、腰椎の乳様突起、胸椎の横突起、C4-7の頚椎関節突起

2)停止:2-4個上の椎骨の棘突起

3)働き:腰部の伸展運動・同側への側屈運動・対側への体幹回旋運動

4)障害時の症状の特徴:腰部伸展時痛、疼痛側と反対側へ回旋時に疼痛誘発

② 最長筋

1)起始:仙骨・腸骨稜・脊椎の横突起

2)停止:脊椎の横突起・頭骨の乳様突起

3)働き:腰部の伸展運動・同側への側屈および回旋運動

4)障害時の症状の特徴:多裂筋よりやや外側に腰部伸展時痛、疼痛誘発時に頚部後屈にて疼痛減弱

③ 腸肋筋

1)起始:仙骨・腸骨稜・胸腰筋膜

2)停止:下位肋骨角下縁

3)働き:腰部の伸展運動・同側への側屈および回旋運動

4)障害時の症状の特徴:多裂筋よりやや外側に腰部伸展時痛

④ 腰方形筋

1)起始:腸骨稜

2)停止:L1~4腰椎の肋骨突起・第12肋骨下縁

3)働き:同側への側屈運動・呼吸に連動し運動

4)障害時の症状の特徴:側屈運動で疼痛増悪も回旋運動では疼痛の訴え少ない

⑤ 胸腰筋膜

1)起始・停止:最長筋・腸肋筋の筋膜

2)働き:腰部の伸展・体幹の安定性に関与・腰椎の屈曲制限

3)障害時の症状の特徴:体幹進展時に疼痛・腰背部表層の強張り

治療法

急性期(受傷後3~5日以内)

1)薬物療法:抗炎症作用を持つ除痛薬を使用し、疼痛の原因となっている炎症を抑えることを主に行います。

2)装具療法:疼痛を誘発させる動きを制限するために、体幹の動きを制限するような固定帯を用いる場合もあります。

3)エコーガイド下筋膜リリース:現在、筋肉を包んでいる筋膜にある侵害受容器に痛み刺激が加わることが疼痛の原因の一つと考られております。

 

亜急性期(受傷後5日〜3週間程度)

急性期を超えた後は、再度痛みが生じないような体を作っていくことが大切です。

そのために運動量療法、いわゆるリハビリテーションを行なっていく必要があります。

また、自宅で対応可能なエクササイズとして以下のようなものを推奨しております。

腰痛を和らげる背骨エクササイズ①

腰痛を繰り返す方は、一度当院にご相談ください。

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当院のご紹介

整形外科の診療に必要な『すべて』が揃った診療所

当院は、各種専門領域を持った医師の診療に加え、大学病院と同様の医療機器を有し、かつ、理学療法士・作業療法士によりリハビリテーションも積極的におこなっている診療所です。また、併設の足立慶友リハビリテーション病院では手術加療も行なっております。

そのため当院では、整形外科疾患におけるほぼ全ての治療を提供することができます。

初めての患者さまへ当院のご紹介

当院の『7つの特徴』や『ミッション』についてご案内いたします。

各部門の専門家が集まった特殊外来を設置

当院は、一般的な関節の痛みや筋肉の痛みを診る整形外科の他に、「脊椎(首・腰)」、「肩関節」、「股関節」、「膝関節」、「手」、「足」とそれぞれの専門家が集まった専門外来を用意しております。

他院で診断がつかない症状に関して、各領域の専門家が診察をいたします。

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手や足が痺れる、膝や股関節は痛い、背中が曲がってきたなどの症状でお困りの方へ。

都内最大級のリハビリ室を完備

患者様の健康を取り戻すため、当院ではリハビリテーションに力を入れております。

国家資格を有するセラピスト達が、責任を持って治療を行います。

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腰が痛い、姿勢が悪い、歩くとふらつくなどの症状でお困りの方へ。

交通事故診療に強い整形外科専門医が診察

不幸にも交通事故に遭われた患者様の多くは、「事故のことは保険屋さんに聞けば良いが、体の不調をどこに相談すれば良いのかわからない」という悩みを抱えていらっしゃいます。

当院では交通事故診療に強い整形外科専門医が治療を行います。ぜひ一度ご相談ください。

交通事故にあわれた方へ

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Author

北城 雅照

医療法人社団新潮会 理事長
医師・医学博士、経営心理士

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