今回は、人工膝関節置換術のリハビリテーションと退院後の生活のQ&Aについてです。
前回は、人工膝関節置換術とその合併症のQ&Aについて紹介しました。
気になる方は、こちらの記事をご確認ください。
人工膝関節置換術とその合併症に関するQ&A
今回は、リハビリテーションと退院後の生活について重点的にお伝えしていきます。
人工膝関節置換術について疑問や不安を感じている方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
目次
今回の10秒まとめ
① 人工膝関節置換術のリハビリテーションに関するQ&Aについて、4つご紹介しました。
② 人工膝関節置換術の退院後の生活に関するQ&Aについて、8つご紹介しました。
③ 手術を受ける際は、退院後の生活を見据え、前向きにリハビリテーションに取り組んでいきましょう。
入院中と退院中のリハビリテーションについてのQ&A
基本的なリハビリテーションの流れについては、以下の記事をご覧ください。
人工膝関節置換術(TKA):当院での入院から退院までリハビリテーションについて
リハビリテーションについて教えて下さい。
リハビリテーションでは、筋力訓練、膝の曲げ伸ばし練習、歩行の練習などを行います。
担当医師や理学療法士が患者様にあったリハビリテーションプログラムを作成し、それを行っていただきます。
リハビリテーションへの取り組みが、手術後の生活の質の改善に大きく影響を与えるので、前向きに取り組みましょう。
退院後はどうなりますか?
退院される際は、通常ご自宅へお戻りいただくことになります。
患者様の状況によっては、他病院へ転院されて、リハビリテーションを続ける場合もあります。
いずれの場合も、担当医師より伝えられた定期検診日には必ず医師の診察を受けるようにしてください。
退院後もリハビリテーションの必要はありますか?
患者様の回復具合や環境によっても違いはありますが、一般的には週に1〜2回外来のリハビリテーションを行っていただきます。
また、自宅においても継続的な運動を行って頂く場合があります。
必要な運動などは、理学療法士の指導をしっかりと聞くようにしましょう。
退院後はどのくらいの割合で診察を受けるのですか?
まずは、退院後1〜2ヶ月後に最初の受診をしていただきます。
その後、担当医師の判断により、最初の1年間は年に数回、それ以降は特に問題がなければ年に1〜2回の受診となります。
退院後の生活についてのQ&A
仕事には手術後どのくらいで復帰できますか?
患者様の回復度合いには個人差があり、一概には言えませんが、順調な方でも手術後1ヶ月は仕事を休んで頂くようにお勧めしています。
早く吹っ切っで切るかどうかはリハビリテーションの成果が大きく関連します。
担当医師や理学療法士の指導にしっかりと従い、前向きにリハビリテーションに取り組みましょう。
手術後、杖無しで歩けるようになりますか?
手術後しばらくは、歩行器や杖などの歩行補助具を用いて歩きます。
それ以降に関しては、患者様の状態に合わせて、杖無しでの歩行も練習していきます。
退院時には杖無しで退院される方もいらっしゃいます。
一人暮らしでは退院後の生活は不便ですか?
病院への通院、食事や入浴など、お一人では不便がある場合もあります。
ご家族、ご友人等サポートしていただける方がいらっしゃるのがベストですが、お一人で元気に暮らしておられる方もいらっしゃいます。
手術後、自宅での生活はどのようになりますか?
退院後の生活はなるべく洋式の生活を送ることをおすすめしています。
床に直接座るのではなく椅子に座り、ベッドで寝るようにすると良いでしょう。
トイレに関してもできれば洋式トイレを使用してください。
動作としては、直接膝が床に当たらうような姿勢は避け、床掃除を行うときは柄のついた道具を使用するように心がけてください。
自宅を改築する必要があるのですか?
自宅を様式の生活向けに改築するのは、簡単なことではありません。
手術が決まれば詳しくアドバイスを致しますが、入院前にご自宅の環境を整えておくことをおすすめします。
例えば、
- つまずくことのないように整頓をする
- 足元を照らす照明器具を取り付けておく
- 電源コードが引っかからないようにしまっておく
などの工夫が退院後の生活を楽にしてくれます。
自宅改修に際して、当院の病棟スタッフを中心に、家屋調査も実施しています。
ご興味のある方は、以下の記事を参考にしてください。
当院での家屋調査のご案内
正座はできますか?
正座は人工関節に大きな負担を与えます。
人工関節を長持ちさせるためにも、正座や横座りの姿勢は避けるようにしましょう。
海外旅行は大丈夫ですか?
海外旅行の場合、飛行機の中で長時間座り続けることになります。
長時間座りっぱなしの姿勢は、循環不全を引き起こす要因となるので、定期的に立ったり歩いたりするように心がけましょう。
また、空港などの金属探知機で人工関節が反応する場合がありますので、飛行機を利用した旅行の際には、事前に医師に相談し、手術を受けた証明となるものを受け取るようにしてください。
手術後、どのようなスポーツが行なえますか?
膝への負担の大きい激しいスポーツ(サッカー、スキー、格闘技など)はおすすめできません。
多くの患者様は、ゴルフ、ゲートボール、水泳などの膝への負担の少ないスポーツを積極的に楽しんでおられます。
まとめ
今回の記事では、人工膝関節置換術のリハビリテーションと退院後の生活に関するQ&Aについてご紹介させていただきました。
手術を受けるだけではなく、退院後の生活を見据え、積極的にリハビリテーションに取り組むことが、快適な生活への近道です。
膝の痛みを抱える患者様は、今回の記事やその他の記事も参考に、医師と治療方法について相談をしてみてください。
当院のご紹介
整形外科の診療に必要な設備が整った診療所
当院は、各種専門領域を持った医師の診療に加え、大学病院と同様の医療機器を有し、かつ、理学療法士・作業療法士によりリハビリテーションも積極的におこなっている診療所です。また、併設の慶友整形外科脊椎関節病院では手術加療も行なっております。
そのため当院では、整形外科疾患におけるほぼ全ての治療を提供することができます。
当院の『7つの特徴』や『ミッション』についてご案内いたします。
各部門の専門家が集まった特殊外来を設置
当院は、一般的な関節の痛みや筋肉の痛みを診る整形外科の他に、「脊椎(首・腰)」、「肩関節」、「股関節」、「膝関節」、「手」、「足」とそれぞれの専門家が集まった専門外来を用意しております。
他院で診断がつかない症状に関して、各領域の専門家が診察をいたします。
手や足が痺れる、膝や股関節は痛い、背中が曲がってきたなどの症状でお困りの方へ。
都内最大級のリハビリ室を完備
患者様の健康を取り戻すため、当院ではリハビリテーションに力を入れております。
国家資格を有するセラピスト達が、責任を持って治療を行います。
腰が痛い、姿勢が悪い、歩くとふらつくなどの症状でお困りの方へ。
交通事故診療に強い整形外科専門医が診察
不幸にも交通事故に遭われた患者様の多くは、「事故のことは保険屋さんに聞けば良いが、体の不調をどこに相談すれば良いのかわからない」という悩みを抱えていらっしゃいます。
当院では交通事故診療に強い整形外科専門医が治療を行います。ぜひ一度ご相談ください。
当院は、整形外科専門医が交通事故治療を行う医療機関です。