足立慶友医療コラム

突然の膝の痛み:半月板損傷について

2019.12.23

膝関節

今回は、突然の膝の痛みを認めた場合に考えるべき疾患である『半月板損傷』について説明します。

(文章中に、日本整形外科学会が配布している整形外科シリーズ『半月板損傷』の図を利用させていただきました。ぜひこちらもご活用ください。)

今回の10秒まとめ

半月板は、膝関節にあるコラーゲン線維の豊富な軟骨です。

②体重の負荷を分散させるクッションの役目・関節を安定させる働きなどをしています。

③半月板損傷は、スポーツ外傷で多くみられます。

④膝をねじった時や本来動かない方向に力が加わると起こりやすくなります。

⑤その場合は関節を支えるACL靭帯を同時に損傷することもあります。

⑥また半月版損傷は、明らかな外傷ではなく、加齢によって損傷することもあります。

⑦治療は、保存療法手術療法があります。

⑧早期に手術が必要なのは、半月板のひっかかりで膝が動かない症状がある場合です。

⑨また痛みが長い・くり返し水が溜まるなどの症状があって、スポーツ、日常生活、職業上に大きな支障がある場合も手術適応になります。

半月板とは?

構造

半月板は膝に存在し、内側と外側に分けられます。

半月板はコラーゲンを多く含む繊維で作られており、内側がC型外側はO型の形状をしております。

内側半月板は、肉厚で可動性が低い特徴ですが、外側半月板は、薄く可動性が高いのが特徴です。

これは、膝の構造上、内側は体重をしっかりと支えることに特化しているのに対し、外側は可動性を高めることに特化していることを表しています。

機能

関節の適合性を高めている

(接触面積を2~3倍にして、不安定なもの同士を繋いでいる)

運動を安全かつ円滑にしている

(周囲の筋肉や靭帯に付着し、移動することで適合性を高める)

荷重を分散している

(歩行中、体重の2~3倍かかるストレスを、30~50%軽減する)

感覚の受容器

痛みの感覚・そして見なくても動かすために必要な深部感覚があります

関節液の分散と吸収

(荷重によって関節液は、吸収 ⇔ 排出 で関節液を浸透させ、摩擦を軽減させる)

上記のように、驚くほど多くの機能を持っていますね。

半月板損傷

症状

主な症状は、突然に起こる膝の痛みです。

関節を動かす時や荷重時に特に強く痛みを感じ、曲げ伸ばしが難しくなります。

歩行や階段、関節内に水や血液が溜まることもあります。

膝で物がキャッチング(ひっかかるような感覚)や音が鳴ったり、

膝がずれるような違和感が起こる場合もあり、日常生活・スポーツに制限が出る疾患です。

受傷の原因

外側半月板損傷は、スポーツ外傷によるものが多く、ACL損傷を伴って受傷することが多くあります。

内側半月板損は、中高年の受傷機転が明らかでない退行変性(加齢よるもの)が多いとされています。

これらは、徒手的な検査や症状、画像所見(CTやMRI)を用いて判断し、治療方法を決める必要があります。

MRIで所見を確認しても、症状と一致しない場合もあり多角的評価が必要と言われています。

治療の選択

 治療方法は、主に保存療法手術療法にの2つに分けられます。

保存療法

半月板の損傷箇所によっては、安静によって損傷箇所が自然に癒合する場合があります。

サポーター薬物療法を行い患部の安静を確保することで、この自然癒合を期待します。

しかし、予後予測が難しいため、治療効果と今後の治療の方向性を見極めることが重要です。

改善がみられない場合や、ロッキング(突然、膝が伸びなくなる)を繰り返す場合は、手術療法を検討します。

手術療法

縫合術(手術)

半月板の損傷箇所を外科的に縫合する方法です。下記の切除術に比べ、半月板を温存することができるため、変形性膝関節症へ移行が少なく、近年では手術道具の進歩もあり、適応範囲が拡大しています。

手術後に免荷(体重をかけない)期間や関節運動の制限をする期間があることから、復帰には時間がかかりますが長期的には良好な結果となります。松葉杖の使用方法に関しては以下の記事をご覧ください。

松葉杖歩行の使用方法と注意点

切除術(手術)

上記の縫合術が難しい場合は、切除術を選択することになります。

疼痛の原因となっていた部分を切除のするため症状の緩和には有効ですが、荷重分散機能を低下させることになり、長期的には膝関節の機能を低下させる可能性があります。

しかし、手術後の免荷期間が短く関節運動の制限も少ないことから、短期的にはメリットがある治療法と言うことができます。  

上記の選択は、生活スタイル・治療方法の特徴などにより複合的に考え決める必要があります。

近年では手術機器の進歩もあり、保存療法も含めて、半月版を温存する傾向になります。

半月板損傷でお悩みの方は、当院の膝専門外来をご受診ください。

当院のご紹介

各部門の専門家が集まった専門外来を設置

当院は、一般的な関節の痛みや筋肉の痛みを診る整形外科の他に、「脊椎(首・腰)」、「肩関節」、「股関節」、「膝関節」、「手」、「足」とそれぞれの専門家が集まった専門外来を用意しております。

他院で診断がつかない症状に関して、各領域の専門家が診察をいたします。

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国家資格を有するセラピスト達が、責任を持って治療を行います。

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当院では交通事故診療に強い整形外科専門医が治療を行います。ぜひ一度ご相談ください。

交通事故にあわれた方へ

当院は、整形外科専門医が交通事故治療を行う医療機関です。

Author

竹内 雄登

理学療法士・ピラティスインストラクター・住環境福祉コーディネーター

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